アーリウムの大賢者

佐倉真稀

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再会編(ヒューSIDE)

お酒 ※

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 R18表現があります。
 背後注意。
 苦手な方は飛ばしてください。



  ※※※  ※※※  ※※※  ※※※  ※※※  ※※※  ※※※


「ワイバーン、美味しかったな。ワインも美味しかった。俺は酒が好きだから、今日はとっても良かった」
 部屋に戻る途中、上機嫌なメルトが言った。
「メルトはお酒も好きなんだね。……あ……」
 あれ? 酔った状態が酷くなると毒認定というか、状態異常判定されて酔いがさめるんじゃなかったっけ? 龍の加護の効果で。
 話しているうちに部屋についた。メルトを先に部屋の中に入れて、部屋に入った。
「龍の加護の効果の中に、状態異常無効っていう効果があって酔いが酷くなると強制的に排除しちゃうんだ。だから、いくら飲んでも二日酔いにならない代わりに泥酔できないんだ。ごめん……」
「? 何故謝る?」
 きょとんとしたメルトに俺は首を傾げた。

「え、だって酔えないんだよ? 酔うっていうのが楽しくてお酒飲むんだよね?」
「ああ……俺は酒の味が好きで、酔うのはあんまり好きじゃないんだ。弱いから飲む量に限りがあって味が楽しめなくて。そんな効果があるのなら、龍に感謝しないと。これからますます酒を楽しめるってことじゃないか」
 メルトなんて前向き! っていうか、本当にお酒好きなんだね。
 あ、カギ閉めてなかった。後ろ手に鍵をかけて大人の姿になる。

「ただ、ほろ酔いのメルトも、その、他のメイルに見せたくないくらい色っぽいから、僕としては複雑なんだよね」
 やっぱり人前でメルトに飲ませるのはダメだな。メルトを抱きしめて、浴室に跳ぶ。
 服を脱がして体を洗って、浴槽に体を沈めた。
 今回は後ろから抱きしめている。メルトの肩に顎を乗せて、聞く。
「メルトはお酒弱かったんだ? よく潰れてたっていうのは前に聞いたけど、強いの飲んでたって事じゃなく?」
 ワインを美味しそうに飲んでいたのは、お酒が大好きだったからか。あの時は加護がなかったから、下手すると潰れていたって事か。
「ああ。だからよく酒場で寝ちゃって同僚に寮に連れ帰ってもらったりしてた。それで同室の友人によく叱られてた」
 絶対ダメ。お酒飲むのよくない。誰かにお持ち帰りされたらそいつを俺は消してしまうかもしれない。……酔ってしたっていう奴とは一回話し合わなきゃな。フフフ。
「メルト、前も言ったと思うけど、公共の場所では俺がいる時以外は飲酒禁止。フィメルのお友達と家族なら許可する。それも個室ね?」
「え、なんでだ? もう酔わないんだろう?」
「ダメ。メルトはお酒飲むとほんのり顔が染まって目が潤んでとても色っぽくなるから見せたくないんだ」
「ヒュー横暴」
 横暴でも何でもだ。
「俺は独占欲強いからメルトを独り占めにしたいんだ」
 抱えているメルトの身体がぴくっと震えた。
「ダメかなあ?」
 もう一押し。弱い耳元で囁いた。
「ダメじゃない……わかった。極力そうする。何らかの理由でどうしてもっていう時はヒューに相談する」
「ありがとう、メルト。大好き」

 お風呂を出るとベッドへ転移で直行する。メルトは何故か諦めた目になっていた。
 うつ伏せになって、俺は上からメルトを抱きしめた。
 項から背中へ唇を這わせていく。メルトは背中も弱い。細かく震えて熱が上がっていく。
「……あっ……なんで、背中が……こんなに……」
 甘い声にぞくぞくする。俺の股間はすぐに反応して、メルトの肌を押す。
 背中を赤い痕だらけにした俺は、メルトの尻の谷間を広げた。
 小さな窄まりがますます締まって緊張がわかる。ああ、早く中に入りたい。

 メルトが俺の方を見ていて、視線が合う。赤い顔をしながらも、瞳に熱が籠っている。
「メルト、凄く色っぽい……」
 堪らず、メルトにキスをした。腰を浮かして、先端を窄まりに押し当てる。腰を動かして存在を知らせる。
「……んッ……ヒュ、ゥ……んッ……」
 俺はそっと唇を離して、メルトの腰を浮かして支えると中へ突き入れた。
「……ッ……あっ……あっ……」
 奥に進むとメルトの狭い中が俺を締め付けた。メルトの腰が反射的にか俺に押し付けるように突き出される。そこへググっと腰を押し進めた。
「メルトの中は、ものすごく気持ちがいい……」
 耳に息を吹きかけるように呟いた。興奮で声が掠れている。
「ヒューのおっきいのが、入ってる……気持ち、イイ……」

 メルトは息を吐くと一瞬力が抜ける。そこを一気に奥まで突き入れて、やっと全部が入った。途端にメルトが締め付けてくる。あんまり持ちそうもない。
「……気持ち良すぎてすぐイっちゃいそうだ、メルト……」
 耳裏にキスをして囁くとメルトの耳が赤くなる。可愛くて、どうにかなりそうだ。
「俺も、すぐイキそう……ヒュー動いて……奥までいっぱい、突いてほしい……」
 お強請りに心臓が跳ねる。俺の象徴はますます硬くなった。
「ああ、わかった。動くぞ?」
 性急に腰を揺さぶった。メルトを貪りたくって仕方がない。もう、出そうだ。

「あっ……凄い……イイ……あんッ……もう、イく……イくぅ……あっ……ああああ―――ッ」
 メルトが自分からも腰を揺らして求めてくるのに、一瞬理性が飛ぶ。本能のままに腰を揺さぶると、メルトが耐え切れずに背を反らして達した。その締め付けに俺も達して精を叩きつけた。ゆっくりと余韻で腰を揺さぶって、すべてをメルトに注ぎ込んだ。
 魔力の奔流がお互いの身体を巡って、快感が収まらない。
「……はあ……はあ……」
 メルトの荒い息が聞こえる。俺はそのままメルトの上に体を沈めた。
「……はあ……はあ……メルト、凄く気持ちよかった」
「ヒューが凄かった。めちゃくちゃ気持ちよかった」
 メルトが俺の方を振り返って、照れながら言ってくれる。ああ、可愛い。愛しくてどうにかなりそうだ。
「……そう、か? お互い、凄かった、ってことだな。ラブエッチって奴だ」
 まだ収まらない魔力の交換が俺の声を掠れさせる。
「らぶえっち?」
 ああ、こっちではHの文字はなかったっけ。俺が悪い。
 そんなきょとんとした顔しないで。可愛くてくすくすと笑ってしまった。

「愛のあるセックスってことだよ。セックスって、愛がなくても本能で出来るけど、愛があれば何十倍も気持ちよくて幸せになるよ。娼館みたいに一方的に気持ち良くなることもできるけど、お互い気持ちよくなった方が幸せだと思う」
 俺は今幸せだ。胸が熱くてどうにかなりそうなくらい。
「……そうか。じゃあ、気持ちが先なんだな。こういうのは好きじゃないと経験しても意味がないんだ」
 ん? 何か不穏な発言がでたけど、俺の言った言葉の意味は分かってくれたんだと思おう。
「メルト、わかってくれて嬉しい。だから、俺以外のメイルに目移りしちゃやだよ?」
 キスを落とすとメルトからも答えて吸い上げてくる。
「ヒューしか見えない。ヒューが好きだ。大好き」
 嬉しくなってまた俺の股間に熱が籠った。すると、メルトの中がキュッと俺を締め付ける。
「メルト……メルト、好きだ……愛してる……」
 俺はたまらなくなって、また腰を揺らした。俺達は何度も愛し合って……そして俺はまたメルトを抱き潰してしまった。

 後悔は……ちょっとした。
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