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閑話3(他視点)
ミハーラの気苦労
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私はミハーラ。エルフの王族の末端の血を引くメイルだ。
ハイエルフに最も近い一族とされ、最近でもハイエルフになった父方の兄弟がいる。そのアリリエリは世界中を巡り魔物を倒し続けた結果だと言っていた。
確かにそれは正しかった。
私は勇者パーティーの一員として世界を巡り、その旅が終わったころにハイエルフとして進化したのだから。
勇者パーティーは10年活動を続け、解散した。
異世界から召喚された勇者、ショーヤ、タンク役のドワーフのボルドール、回復術士のヒューマンのセテル、斥候役のシーフのロウ、戦士のダンカン、魔術師のグレアム。そして弓術士の私だ。すべてメイルだった。勇者はちょっと違うようだったが、話に聞いたところメイルでいいか、ということになった。
ドワーフのボルドールは、そこそこ有名な鍛冶師だったが、魔物素材を取り放題だ、ということで参加していた。
他のメンバーはアルデリア王国の紐付きのセテル、ロウ、ダンカン。ヒューマンだ。
魔術師のグレアムは正体を隠していた。アルデリア王国の王都で冒険者ギルドの総括をしている、アリリエリにくれぐれも失礼がないようにしろ、と言われた。
彼はハイヒューマンの王族の血を引く大賢者のヒュー・クレムだから、と。
緊張して臨んだ初顔合わせだったが、すでにヒューは勇者の指導役をしていた関係で勇者に対しては砕けた様子だった。他のメンバーにも同じ態度で貴族らしさもなかった。
ただ、息を飲むほどの美形、ということはマントを脱いだ時に初めて知って、皆驚愕していた。メイルと知ってなければ口説きに……いや、無理だな。綺麗すぎて。私たちエルフもヒューマンから美形ぞろいだと言われるがヒューには及ばない。
それにどうやらヒューは勇者にご執心らしいのはメンバー全員の知るところだった。勇者を除いて。
その活動をしていた頃、魔の森に、ワイバーンの巣くう山があるので討伐して欲しい、と依頼を受けた。
魔の森は魔素の濃い、強い魔物がひしめく魔境だ。
途中、強い魔物に襲われながら向かった先にいたのはワイバーンではなくドラゴンだった。いや、神龍だった。
神龍とヒューは話し合い、神龍はワイバーンを引き連れてヒューを背にのせていってしまった。取り残された私達は溜息をつき、野営の準備をしながら全員で
「グレアムだからな」
と呟いた。
ふもとの村まで戻りヒューを待って旅を再開した。いつの間にかアルデリアは龍の守護する国になっていた。
結局ヒューとショーヤはくっついて、下賜された屋敷に移り住んだ。冒険者パーティーを二人で組んであちこちを旅した。
月日が経ち、私にも伴侶ができた。
ヒューも結婚式には顔を出してくれてお祝いに高価な魔道具をくれた。ヒューは風呂好きで、風呂を売るために商会まで作った。
食にもこだわりがあり、野営の時に唸りながら食事を作っていた。他のメンバーの誰も料理ができなかったのが原因だ。故郷で開発したという香辛料や調味料をふんだんに使った見たこともない料理は私達を驚かせた。
その香辛料も商会で売っているため、時折利用させてもらった。
勇者が老衰で亡くなったとき、盛大な葬儀の場に出ず、看取ったから、と屋敷に籠っていたヒューがいつの間にかいなくなっていたのに気付いた。
商会も、屋敷も代理人が管理をすることになっていた。
それからまた月日が流れて、アリリエリから、統括ギルド長の職を任されて就任して王都に住むようになった。ボルドールも褒美としてもらった工房を大きくするために腰を据えて経営に乗り出した。彼もハイドワーフになっていた。
そんな折、たまたま受付カウンターに用事で降りていた時に少年がやってきた。
「依頼、受けたいんだけれど」
フードを被ったその姿はこの王都ではよく見る姿で、グレアムに憧れているのかと思った。
「はい、ヒュー様ですね……? このカード失効していますが……??……え、登録日が……」
「あ、やべ」
ヒュー!?
「そこの少年、別室に案内してくれるかな」
受付に伝えて、その少年を見る。ちらりと見えた紺色の髪。本人だ。視線を外すやっちまったと言う仕草が、ヒューそのもの。
「え、ミハーラ?」
じっと見てたら、語るに落ちたな。
私はにっこりと笑って頷いた。
別室に二人で座り、お茶が二人の前に置かれて、職員が出ていった後、ヒューを見つめながら口を開いた。
「さて、先に言っておこうか。グレアム。私はアリリエリから勇者の指導係の依頼を受けた経緯を聞いている。ヒュー・クレムの名前も。ハイヒューマンであることも。まあ、なんで縮んでいるのかは知らないが……」
「あーそうだった。アリリエリの親戚だったんだ……」
ヒューはフードを外して、12歳くらいの顔を見せた。
「あの姿は時空間魔法で20代くらいの年まで時を進めた姿替えの魔法」
そういうと彼はグレアムの姿になった。
久しぶり、と挨拶をしてきた彼は神龍のねぐらでテント生活をしていると、今いる場所を教えてくれた。あの恐ろしい神龍の傍で生活できるとは。
「冒険者は定期的に依頼を受けないと資格を失効すると、アリリエリは教えてなかったのか?」
視線を逸らしたヒューは忘れてただけだとそう思った。
その後、何度も失効しては私に怒られるのが年中行事になった。
たまにグレアムの冒険者カードを使うことがあるが、高難度のダンジョンに行く時だけだった。
また、ギルドカードのシステム構築を請け負ってくれ、今のステータスシステムがあるのはヒューのおかげだった。
あいつはどんな頭をしてるんだ。
そんなある日、ヒューがボルドールの依頼で王都に顔を出した。
知らせず出ていこうとしたな、と歯噛みしたが、仕方ない。
勇者を亡くしてから彼は生きる目的を失ったようなのだ。
再会して驚いた。ヒューの魔力に別の人物の魔力が綺麗に混ざっていた。
相当愛し合ったな、とわかる濃さだった。
ボルドールと頷きあい、ほっとしたのもつかの間、ヒューの様子がおかしいことに気付いた。
「それで? 君の新しい伴侶はどんな子だ?」
私が問うた。ボルドールも続けて追及する。
「そうだ。つれて来ないなんて水臭いぞ」
そう、ヒューは割と独占欲が強い癖に見せびらかす癖がある。なのに、連れてこないとは。
「何言ってるんだ。俺はまだ独り身だぞ? だいたい引きこもってて出会いはない。」
私とボルドールは顔を見合わせて。ヒューの様子を伺った。
「本当か? 娼館とかにもか?」
ボルドールが、唸りつつ訊いた。
「俺は愛のないエッチはしないの」
ヒューの目に陰りが見えた。出会いはないといった時の感情を失くした瞳。
何かがおかしい。
だがそれ以上は追及することなく私たちは別れた。
その後、ボルドールと依頼物のことで何度かあったときに様子がおかしいと聞いた。
引き籠りはやめたのかちょくちょく王都に足を運んできた。
帝国の情勢を気にしていた。そして、特に北方を気にしていた。まるで心残りがそこにあるように。
そしてルーシ王国へ潜入して情報を届けてくるようになった。
まったく。
引き籠っているときも表に出てきた時も気を揉ませる友人だよ。君は。
特に帝国の帝王にケンカ吹っ掛けてきたと聞いたときは卒倒しそうだった。
だが、それからもっと騒がしくなるとは私は思っていなかった。
ハイエルフに最も近い一族とされ、最近でもハイエルフになった父方の兄弟がいる。そのアリリエリは世界中を巡り魔物を倒し続けた結果だと言っていた。
確かにそれは正しかった。
私は勇者パーティーの一員として世界を巡り、その旅が終わったころにハイエルフとして進化したのだから。
勇者パーティーは10年活動を続け、解散した。
異世界から召喚された勇者、ショーヤ、タンク役のドワーフのボルドール、回復術士のヒューマンのセテル、斥候役のシーフのロウ、戦士のダンカン、魔術師のグレアム。そして弓術士の私だ。すべてメイルだった。勇者はちょっと違うようだったが、話に聞いたところメイルでいいか、ということになった。
ドワーフのボルドールは、そこそこ有名な鍛冶師だったが、魔物素材を取り放題だ、ということで参加していた。
他のメンバーはアルデリア王国の紐付きのセテル、ロウ、ダンカン。ヒューマンだ。
魔術師のグレアムは正体を隠していた。アルデリア王国の王都で冒険者ギルドの総括をしている、アリリエリにくれぐれも失礼がないようにしろ、と言われた。
彼はハイヒューマンの王族の血を引く大賢者のヒュー・クレムだから、と。
緊張して臨んだ初顔合わせだったが、すでにヒューは勇者の指導役をしていた関係で勇者に対しては砕けた様子だった。他のメンバーにも同じ態度で貴族らしさもなかった。
ただ、息を飲むほどの美形、ということはマントを脱いだ時に初めて知って、皆驚愕していた。メイルと知ってなければ口説きに……いや、無理だな。綺麗すぎて。私たちエルフもヒューマンから美形ぞろいだと言われるがヒューには及ばない。
それにどうやらヒューは勇者にご執心らしいのはメンバー全員の知るところだった。勇者を除いて。
その活動をしていた頃、魔の森に、ワイバーンの巣くう山があるので討伐して欲しい、と依頼を受けた。
魔の森は魔素の濃い、強い魔物がひしめく魔境だ。
途中、強い魔物に襲われながら向かった先にいたのはワイバーンではなくドラゴンだった。いや、神龍だった。
神龍とヒューは話し合い、神龍はワイバーンを引き連れてヒューを背にのせていってしまった。取り残された私達は溜息をつき、野営の準備をしながら全員で
「グレアムだからな」
と呟いた。
ふもとの村まで戻りヒューを待って旅を再開した。いつの間にかアルデリアは龍の守護する国になっていた。
結局ヒューとショーヤはくっついて、下賜された屋敷に移り住んだ。冒険者パーティーを二人で組んであちこちを旅した。
月日が経ち、私にも伴侶ができた。
ヒューも結婚式には顔を出してくれてお祝いに高価な魔道具をくれた。ヒューは風呂好きで、風呂を売るために商会まで作った。
食にもこだわりがあり、野営の時に唸りながら食事を作っていた。他のメンバーの誰も料理ができなかったのが原因だ。故郷で開発したという香辛料や調味料をふんだんに使った見たこともない料理は私達を驚かせた。
その香辛料も商会で売っているため、時折利用させてもらった。
勇者が老衰で亡くなったとき、盛大な葬儀の場に出ず、看取ったから、と屋敷に籠っていたヒューがいつの間にかいなくなっていたのに気付いた。
商会も、屋敷も代理人が管理をすることになっていた。
それからまた月日が流れて、アリリエリから、統括ギルド長の職を任されて就任して王都に住むようになった。ボルドールも褒美としてもらった工房を大きくするために腰を据えて経営に乗り出した。彼もハイドワーフになっていた。
そんな折、たまたま受付カウンターに用事で降りていた時に少年がやってきた。
「依頼、受けたいんだけれど」
フードを被ったその姿はこの王都ではよく見る姿で、グレアムに憧れているのかと思った。
「はい、ヒュー様ですね……? このカード失効していますが……??……え、登録日が……」
「あ、やべ」
ヒュー!?
「そこの少年、別室に案内してくれるかな」
受付に伝えて、その少年を見る。ちらりと見えた紺色の髪。本人だ。視線を外すやっちまったと言う仕草が、ヒューそのもの。
「え、ミハーラ?」
じっと見てたら、語るに落ちたな。
私はにっこりと笑って頷いた。
別室に二人で座り、お茶が二人の前に置かれて、職員が出ていった後、ヒューを見つめながら口を開いた。
「さて、先に言っておこうか。グレアム。私はアリリエリから勇者の指導係の依頼を受けた経緯を聞いている。ヒュー・クレムの名前も。ハイヒューマンであることも。まあ、なんで縮んでいるのかは知らないが……」
「あーそうだった。アリリエリの親戚だったんだ……」
ヒューはフードを外して、12歳くらいの顔を見せた。
「あの姿は時空間魔法で20代くらいの年まで時を進めた姿替えの魔法」
そういうと彼はグレアムの姿になった。
久しぶり、と挨拶をしてきた彼は神龍のねぐらでテント生活をしていると、今いる場所を教えてくれた。あの恐ろしい神龍の傍で生活できるとは。
「冒険者は定期的に依頼を受けないと資格を失効すると、アリリエリは教えてなかったのか?」
視線を逸らしたヒューは忘れてただけだとそう思った。
その後、何度も失効しては私に怒られるのが年中行事になった。
たまにグレアムの冒険者カードを使うことがあるが、高難度のダンジョンに行く時だけだった。
また、ギルドカードのシステム構築を請け負ってくれ、今のステータスシステムがあるのはヒューのおかげだった。
あいつはどんな頭をしてるんだ。
そんなある日、ヒューがボルドールの依頼で王都に顔を出した。
知らせず出ていこうとしたな、と歯噛みしたが、仕方ない。
勇者を亡くしてから彼は生きる目的を失ったようなのだ。
再会して驚いた。ヒューの魔力に別の人物の魔力が綺麗に混ざっていた。
相当愛し合ったな、とわかる濃さだった。
ボルドールと頷きあい、ほっとしたのもつかの間、ヒューの様子がおかしいことに気付いた。
「それで? 君の新しい伴侶はどんな子だ?」
私が問うた。ボルドールも続けて追及する。
「そうだ。つれて来ないなんて水臭いぞ」
そう、ヒューは割と独占欲が強い癖に見せびらかす癖がある。なのに、連れてこないとは。
「何言ってるんだ。俺はまだ独り身だぞ? だいたい引きこもってて出会いはない。」
私とボルドールは顔を見合わせて。ヒューの様子を伺った。
「本当か? 娼館とかにもか?」
ボルドールが、唸りつつ訊いた。
「俺は愛のないエッチはしないの」
ヒューの目に陰りが見えた。出会いはないといった時の感情を失くした瞳。
何かがおかしい。
だがそれ以上は追及することなく私たちは別れた。
その後、ボルドールと依頼物のことで何度かあったときに様子がおかしいと聞いた。
引き籠りはやめたのかちょくちょく王都に足を運んできた。
帝国の情勢を気にしていた。そして、特に北方を気にしていた。まるで心残りがそこにあるように。
そしてルーシ王国へ潜入して情報を届けてくるようになった。
まったく。
引き籠っているときも表に出てきた時も気を揉ませる友人だよ。君は。
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