見習い少年忍者、トリモチ責め

満永龍一

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見習い少年忍者、トリモチ責め

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僕の名前は影山一之助。

お殿様の私用の隠密をしていて忙しい父様に代わり、紅左京殿について修行の旅を続ける見習い忍者なんだ。

……だが理由あって一之助は、夜道を月明かりを頼りに一人上っていた。

ことの発端は昨日の夕方。
峠の山道で、その付近一帯を仕切っている奈良沢一家の連中に囲まれた紅左京と一之助。

一之助を逃がし一人捕まった左京を助けるため、麓の村に住んでいる紅家の親戚の者に事情を話し翌朝見に行ってもらえることになったのだが。

左京のことが心配で夜も眠れぬ一之助は、たった一人で奈良沢一家の塀を乗り越え左京を助けに行ったのだった。

「おめぇ、見ねえ顔だなぁ。渡世人の癖にこの奈良沢一家に挨拶の一つもしに来ないってのは、何か事情があるのかい」

紅家の部屋住みの身分である左京は武士だったが、内密の用件があった為に身分を詳しく明かすことはできない。
要は浪人のふりをする必要があり奈良沢一家を名乗るやくざの前でも左京は沈黙を守る。

━━よーし、僕が今助けるぞ!


左京の影が映る障子にこっそり近づいていく一之助。

だがその手前に仕掛けられた麻紐が足に引っ掛かって転んでしまった。

カラ、カラと鳴子の罠が響く。


━━しまった、紐が絡まって……


パンっと障子の開く音とともに蝋燭の灯りが庭に射し込む。

「誰かいるのか?」

間一髪で木の陰に隠れた一之助は、息を殺しその場をやり過ごす。

「なんだ、風で揺れただけか」


障子が閉められると、一之助は再び左京のいる障子のところを目指す。だが、


ねちゃっ


文字通り後ろ髪を引かれるような形で、一之助は後ろから何かに引っ張られる感覚に襲われた。

正確には、引っ張られたのは一之助の着ている忍者の装束。

その背中のところをくい、と引っ張られ、一之助は無意識に身構える。

恐る恐るその正体を探ると……


「と、とりもち?」

枝に付けられたとりもちが、背中にねっとりとくっついて伸びているのがわかると、野良犬など危険なものでなかったことに一之助は安堵した。
獰猛な野獣に見つかることは身体の小さな一之助にとって、人間に見つかるより命取りなのだ。

気を取り直し背中のとりもちを外そうと引っ張っていると。


ねばっ

「あっ」

今度は着物の袖にとりもちがくっついてしまった。

身体に密着した装束のため肘にくっついたそれは大幅に一之助の自由を奪うことになる。

枝にくっついた右腕が背中に回らない為、左手を使うしかないのだが、その左手が絶妙に届かない所に二つのとりもちがくっついているので、一之助は力ずくで引っ張るしかない。

修行しているとはいえ、子どもの力では二つのとりもちを引き剥がすことは容易ではなかった。


━━取れなくなっちゃった……


ねちゃぁぁー…………ねばぁぁー……




そこに折悪く帰ってきたのが、夜目のきく男色家の子分だった。

とりもちにくっつけられている一之助を見つけるや否や一之助の肛門を開発することを思い立ち、すぐさま仕掛けを作る。

パキッ

とりもちのたっぷり付いた枝を折ると、汗をかいたのか濡れて着物の上からでもお尻のかたちがはっきりしたその割れ目に、下から撫でるようにとりもちを突っ込む。

「あぁんッ! お尻の穴が、」
「気持ちいいのか?」
「ッ! 誰だっ!?」
「でかい声出すと中に聞こえるぜ?」
「~ッ!!」

挿入こそされていないが、お尻の割れ目に押し込まれた枝が、とりもちでくっついてお尻に挟まったまま、男は無防備な一之助の脇をくすぐる。

「ンッ、ふふっ」

「嬉しそうな声出しやがって。なんなら、自分で慰めるとこ見せて貰おうか」

「な、慰める……?」

「こうするんだよ」

男は一之助の左手をとって下に付いた小さな膨らみに押し当てる。

「あッ」
「ったく、ちいせえよなぁ」

ま、身体もちいせえからしょうがねーか。
といいながら、一之助の小さなおち○ち○をそれより太いくらいのゴツゴツした指で擦り始めた。


「やッ、やだよ、何するんだぁ」
「右手は胸んとこだ。爪で引っ掻くようにな」

こうするんだと男の太い指が小さく動く。一之助は言われるまま男と同じ指の動きをした。

恥ずかしい動き。
だが一之助の爪は、乳首より僅かに下を男にバレないように引っ掻いていた。
男の太い指が少し触れただけで一之助は感じてしまっていた。もし爪で断続的にでも引っ掻いたりしたら……。
だが幼い子どもの浅知恵はすぐに見破られてしまった。

「おいおいそこじゃねーだろ」

「あっンッ」

勘づいた男に手首をずらされ、突然のことに一之助は思いきり爪で乳首を弾いてしまい、甘い声が漏れる。

「かわいーねぇ、もっと聞かしてくれよ」

何度も乳首を往復する指。
着物の中に着ている鎖が食い込んで、自分を守るための防具が自分を責める道具になっている皮肉。


「ンッ、帯、苦しいから緩めて……」

苦し紛れに帯を解くよう懇願する一之助。
男は何も疑わず帯を解いた瞬間、一之助は男の腕から脱け出すべく行動を起こした。

振り返りざまに大男の胸の高さまで跳躍。
忍ばせていた懐刀で鞘のまま男の脳天を割ると、男が昏倒したのを確認して左京がいるであろう障子に近づく。

今度はトリモチが仕込まれていないか注意深く観察しながら縁側に両手をついてよじ登る。



くいっ


「えっ」

縁側の下に平たく伸ばして置かれたトリモチ。
土と見分けがつかないそれに、着物を脱ぎ捨て鎖の胴着と褌だけになった一之助の垂れた褌がへた、と落ちていたようだ。

ピンと伸びた褌に、一之助の小さな一物の先端が擦れていく。

「あぅ……ひゃんっ」

自由な足を下手に動かせばトリモチにハマってしまう。

一之助は褌をトリモチに引っ張られ、先っぽが布に擦れたまま動くことができずにいた。

馴れない刺激に褌はみるみる湿りそれを打開しようと前屈みになると、部屋の中に焚かれた花の香が淫らに鼻をつく。

媚薬の含まれたその香は、かえって一之助を敏感にしてしまった。


━━このままじゃトリモチに落ちちゃう……


重い鎖を着たままそんな態勢を保つのは楽ではない。
次第に火照る身体を無理に乗り出したが最後。

ぎゅぅぅっ

「アッ、はぁんっ!」

散々弄らされた乳首を細かい鎖にぎゅうぎゅう押され、全身脱力した一之助は抵抗虚しく大量のトリモチの上に尻餅をついてしまった。

「あぁっしまった……」


ねちゃっ ねちゃぁぁぁぁっ


「ンッ、ふぅぅぅんぬっ!」

なかなか取れないトリモチ。

褌越しにねちゃねちゃと責められすっかり気持ちよくさせられてしまった一之助に、中で捕まっている左京の嬌声が聞こえてくる。

幼い故にその意味ははっきりとはわからないが、股間を責められ続けている一之助は師匠の甘い喘ぎ声に感じてしまうほどの性の芽生えがあった。

「やっ、胸ばかり弄っては……はぁっはぁっ」

「下も触って欲しいのか? だったらお願いしろよ。それがしの一物を好きなようにしてくださいましってな」

「誰がっ! アァっ、うぁぁぁっ!」


縛られているのか縄のギシギシと軋む音が外まで聞こえる。

師匠の絶対の窮地に何も出来ない自分に、それどころか師匠の苦しむ声に発情してしまった一之助はひくひくとしゃくりあげながら泣き出していた。

「うぅ……師匠っ! 師匠っ……」

「人払いしたってのに、そこで何してんだっ!」

縁側の障子が開き、月明かりで照らされた一之助が漏れでた薄明かりに浮かび上がる。

力なく倒れる左京と、下半身のはだけた屈強そうな男。

その敵意がこもる眼差しに、一之助の忍者としての本能が燃えたぎってきていた。

素早く懐刀を鞘から抜くや、一之助の手から放たれた刃は俄に立ち上がらんとしていた男の胸を貫く。
心臓を一突きにされた男はそのまま倒れ動かなくなったが、縛られているのもあってか左京はしばらくは動くことはなかった。

「一之助、まさかたった一人で助けにきてくれたのか?」

「師匠が心配で……っ!」

左京はありがとう、と一つ言い縄を抜けると、明かりを灯すための油を使い、トリモチから何とか立ち上がれるまでに一之助を解放する。

「師匠が無事で良かった……!」

すっかり弱ってしまった左京と一之助は近隣の農家の納屋を借り、二人寄り添って深い眠りにつく。

一之助の、長いトリモチ責めの夜が終わろうとしていた。




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