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ミラクルローラースケーター翔と、サカユニ少年。
しおりを挟むずぶ濡れのまま意識を失った疾風は、様子を見に来た養護教諭やクラスメートによって保健室へと運ばれた。
「おい、すげー息荒いけど、熱あるんじゃねーの」
「疾風は保健室行くって言ってたのに、なんで中庭で倒れてんだよ!」
あと数分で6時間目にも関わらず、男子生徒は揃って養護教諭に迫った。
「宝月くん、保健室には来てないわ。来てないのよ……」
疾風を2人がかりでベッドに寝かせると、濡れた制服をひとつずつ脱がせ、タオルでカラダを拭いていく。
「ここは俺らがやるから」
「先生はあっち向いててください」
ベルトを外しズボンを脱がそうとしたところで、仲の良いクラスの男子にバトンタッチ。
一人がカラダを持ち上げながら、ズボンを脱がせていく。
「ズボンだけじゃなくて、ブリーフまでヌルヌルだ」
「これ、ローションだよなぁ……?」
「まさか、中庭でオナってたとか?」
「…………」
自分たちに比べ、性への目覚めがゆっくりな疾風なら、あり得なくはない。
他の男子が沈黙する中、1番仲の良い拓也だけが異論を唱えた。
「いや、待てよ。これはただのローションじゃないぜ。エッチなコーナーにしか置いてない高級ローション。小遣いもロクに貰ってない疾風が買えるシロモノじゃねぇ」
「確かに。しかも制服のズボンだけじゃなくシャツ全体に付着したローション、恐らく一本じゃ足りない」
「……誰かが疾風のズボンにぶっかけたってこと?」
考えただけでも恐ろしい光景に、男子たちは思わず脱がす手を止めた。
「先生。これもしかして、事件なんじゃ……」
高熱にうなされる疾風の頭に氷を乗せ、薄手の毛布をカラダにかける。
「これからの対応も含めて、私が処理するから。あなたたちは授業に戻りなさい」
前回、如月博士のロボと共倒れに近い死闘の末に辛勝することができた、ミラクルローラースケーター翔こと宝月疾風。
だが連日の疲労がたたってか疾風は高熱で倒れ、入院してしまうのだった……。
ーーその頃研究所では。
「気分はどうだね、蓮くん」
「いい加減変身解除させろよ……汗だくなんだけど」
サイトレンジャーレッドが如月博士の研究所に囚われて5日が経過。
強化スーツが硬化してしまう部屋の中で椅子に手足を固定され、怪しげなクスリを注射されスーツ越しに愛撫されたり。
「その前にトイレタイム♪」
「毎日毎日よく飽きねーなー……くッ、んァァっ」
不思議と腹は減らないが、2日に1度、股間を執拗に責められ強制失禁させられることで尿意は解消していた。
「蓮くんが私に柔順になるまでは無理だよ。今日やっと、私が蓮くんと呼んでも怒らなくなったね。あともう少しかなぁ?」
「絶対ここから出て、お前の悪事を暴いてやる……」
レッドの言葉に如月博士はほんの少し笑ってみせ、背後にまわり込んでレッドの視界から消える。
「ヤッ、んっぁっ…… プロテクターの解除信号を、一体どこで……?」
いつの間にか全身タイツ状態にされていたレッド。捕まってすぐにプロテクターは解除されていたが、如月博士に乳首を摘まれてようやくそのことに気づく。
「言ったはずだよ? サイトレンジャーのブレスレット、あれの設計図は私も所持しているんだ。君が私の前に現れることを想定してね」
「くっ……全て計画通りってわけか……ッッ!」
ーー如月博士に全身おかしくなるまで責められて……俺がなんでここにいるのかも忘れそうだ……頭にモヤがかかって……
「疾風……」
「心配なのかい? それとも疾風が助けに来てくれるとでも?」
有り得なくはないが。と、レッドはこの状況でも疾風の身を案じていた。
ーー次にまた捕まれば、疾風は終わりだ……
「疾風一人捕まえるのに、あんたが手こずるなんてな」
「今日はゲリラ豪雨で機械が不具合を起こしてね。明日こそは感動の再会をさせてあげましょう」
如月博士が部屋を出ると、自動ドアがロックされ強化スーツの硬化装置が起動。
レッドは身を捩ることも許されず再び部屋の中で放置される。
ーー疾風が狙われてるのがわかってて、何もできないなんて……俺にはもうどうすることもできないのか……!?
翌日。疾風と仲の良いサッカー部の1年生が、いつになく昼休みに集まっていた。場所は秘密の会合にピッタリな空き教室だ。
「誰か有力な情報はあったか?」
疾風の親友・拓也の問いかけに、クラスメートが次々こたえる。
「あるわけないよ、疾風をいじめてる奴の情報なんて」
「疾風と仲良い村田が知らないって言うんだから、そうなんだろ」
それでも、拓也は疾風がイジメられている説をやめない。9ミリの坊主頭にも関わらず女子にモテモテの拓也は、人一倍友達想いだっだ。
「状況証拠は揃ってんだよ。中庭にあった、ビニールシートの水溜り。多分あれに落とされた疾風は溺れて死にかけたんだよ」
「いやいくらなんでも溺れないでしょ」
冷静に突っ込む冬樹は伊達めがねをクイ、と持ち上げるのがクセのガリ勉。
「けどまあ、誰かのイタズラに引っかかったのかも」
「大雨の日に中庭通るか? 普通」
「つかマネージャー、さっきから一言も喋ってねーじゃん」
「あ、僕も頭数に入ってたんですか?」
「入ってるからお前も呼んでんだよ」
大人しいサッカー部マネージャーの佐藤は1年ただひとりの男子マネージャーだ。
「関係ないかも知れないけど、この学園の先生じゃない人、よく中庭で見るよ」
「「「はっっ!?」」」
「これ画像ー。業者さんかもしれないから誰にも言ってないんだけどね」
佐藤が隠し撮りしていた人物こそ、疾風をハメた張本人、如月博士であった……。
その日は近所の高校からサッカー部の1年生だけを招いたミニ試合の日。
「楽勝だったよなー」
「来週は我々が向こうに出向く番。次も勝ちましょう!」
平日の放課後にサクッと行われた試合の後、ユニホーム姿の部員たちに佐藤は声をかけた。
「今さっき来たよ、例のおじさん」
「まじかよこんな日に!」
「疾風のこと、徹底的に問い詰めようぜ」
中庭に着いたサッカー部1年生は、疾風が入院したことを知らずに来た如月博士を早速取り囲む。
「疾風なら今日は来ないぜ、オッサン」
「……疾風? 私はスポーツ用品店の者です。今日はサッカーボールの納品に」
「えっ」
四角い金属の箱の中から、如月博士はサッカーボールを取り出し少年たちに手渡す。
「1人1つずつでかまいません。体育倉庫まで運ぶのを手伝ってもらえませんか」
育ちの良い進学校の運動部員が、この手の要請を断らないことを如月博士は熟知していた。
ただ一人、拓也だけが警戒してサッカーボールを地面に置いた。
「このボール、少し重すぎませんか」
「中にコンピューターを内蔵した最新型です。さ、お腹の前でサッカーボールを持ってみて下さい」
「え、こうですか……?」
学校の先生ではない、見ず知らずの大人の言うことを正直にきいてしまうサッカー部員たち。
ーーフフ、疾風に限らず少年を騙すのはとても愉快ですねぇ。
「もう少し下ですね、ええもっと下です」
唯一の目撃情報が学校関係者だと分かり不機嫌そうに顔を逸らす拓也。
「おい、疾風と関係無いなら早く戻って……」
「私が今日来たのはサッカーボールの納品と、疾風を連れて帰る為でしてね」
ヴヴヴヴヴヴ……ウィィィーーン
「わっ、何だこれ!」
サッカーボール内部に仕掛けられたバイブに刺激され、起き上がったタイミングで吸引機が発動。
「クククッ、人前でおちんちんを掃除機で吸われた気分はどうだい?」
目の前の男が疾風を襲った犯人だと気づいた拓也が部員に駆け寄るも、時すでに遅し。
「どうしたっ!?」
「これッ、はずれないッ……!!」
「あああッ」
ユニホーム越しにおちんちんを挟み込まれ、罠にハマった部員たちが次々と倒れていく。
「是非聞かせてくれないか。オナホ内蔵のサッカーボールの感想を」
「ってめえ、絶対許さねぇ……!」
自分を除いた部員全員がやられてしまった拓也。
これ以上の暴挙を止めるべく、拓也は如月博士に掴みかかろうとするが、
「去勢機能が付いているからねオナホには。……私に触れれば作動してしまうかもしれないねえ」
「疾風の次は俺たちを、なんでこんなことするんだよ……!」
ーー正義感の強い子だ。生け贄はこの子でいいでしょう
「仲間の生殖機能を救いたければ、ついて来てもらえますか」
「逃げろ拓也……お前もなんかされんぞ……!」
「わざわざ部活動の後に私の前に現れてくれてありがとう。ヘトヘトになったカラダと頭で大人と対決できるのかな?」
「みんなのカラダからオナホを外してくれ。その上で、俺はアンタの言うことを聞いてやる」
すぐそばで聞こえる部員たちの喘ぎ声。
「ハァっはぁ……」
「ウゥっ! 振動から、逃げられない……」
「イッいきそうなのに……寸止めやめろよ……!!」
ーー俺のせいでみんなが……なんとかして早く助けださなければ……!!
「お前の要求は何だ?」
「……2人きりで話そうか」
それから拓也は如月博士と2人きりで校舎裏に移動した。
疾風をローションまみれにして中庭に放置した犯人は目の前の男に間違いない。
だが疾風と同じく高校生である自分たちに、どうにか出来る相手ではなかったのだ。拓也は大人の先生に知らせないまま、未知なる変態と接触したことを悔やんだ。
「オナホだって? 私はただサッカーボールをプレゼントしただけなんだが。そうか、君たちサッカー部の1年生はサッカーボールでオナニーをするんだね。悪いがそれは私の責任ではないよ」
「お前ッ、自分であんなの作っといて、しらばっくれんな!」
おお、疾風と違い声変わりを終えた男子が怒ると少し怖いですね。と、如月博士は久しぶりの疾風以外の獲物を品定めするように見ていた。
「君の仲間を助ける条件を言います」
突然差し出されたプラスチックの棒に、戸惑う拓也。
「サッカーユニホームの上から射精してください、ただし。ズボンの中に手を入れてはいけません! 道具はこれを使いなさい」
「なっ、変態かよ……! てか何だよこの棒」
「使い方は動画でお見せします」
おもむろにタブレット端末から再生された動画。それはいつか、疾風が幼稚園で怪人に捕まった時のものだった。
手足を縛られ地面に転がされた、ミラクルローラースケーター翔。
『アッ、ぁんっ、あぁンッ! 抜いてっ抜いてよ~~っ!』
謎の棒を股間に挟まれて、クネクネもがく学園のヒーロー。
聴き覚えのある声。だが、この前ミラクルローラースケーター翔が中庭で敗北した時に聞いたのかもしれない。
いつしか動画に見入っていた拓也、そのスキに如月博士はまんまと拓也の背後にまわり込んでいた。
「これは電動ハブラシです。電源を入れてゴシゴシすれば、ここにいるヒーローのように気持ちよくなれるかもしれませんよ?」
「こんなのじゃ出ないだろ……」
「仲間の機械を止めたければ、迷っている場合じゃありませんねぇ?」
……先っぽを擦れば、少しは出るかもしれない。そう考えた拓也はおもむろに電動ハブラシを股間にあてがった。
だがパンツとユニホーム越しに振動が届くはずもなく、仕方なく拓也はシャカシャカとハブラシを動かし始める。
その姿は如月博士が用意していた鏡に映っていて、拓也にこの上ない羞恥を煽りながらも股間には少しも進展がない。
「このッ……恥ずかし過ぎて、全然起たねぇ!」
「そうですか。……では手伝ってあげましょう」
首筋にかかる息。背中に密着され声が出そうになるのを堪えるのも、鏡越しに如月博士に観察されていた。
前戯のように下腹部をサワサワして様子を見る。股間を触ってくれないので少しじれったくなって、おしりをモジモジさせる拓也。如月博士は悦んだ。
「感じにくいわけでは無さそうですねぇ。開発次第というところかな。すぐに気持ちよくなるからね」
「なんかベタベタする……ッ」
脇腹をくるくる撫でてから胸板を揉んでくるのを、拓也は拒まなかった。
どのみち自分は射精しなければならないのだから、まずは立たせることが第一条件。
如月博士のどことなく湿り気を帯びた指先も、オッサンだからとあまり気にも止めなかった。
ーーまさかえっちな薬を全身に塗り込まれていて、股間に効いてきた頃には制御不能な婬乱ボディに作り変えられているとは……ククッ笑いが止まりませんね
薄いユニホームのズボンの上から、拓也は太腿をスリスリされるのを見守りながら先っぽを擦りつづける。
「疾風にローションぶっかけたのはお前だな」
「ぶっかけてはいないよ? 私はただ、中庭にローションプールを作ってあげたんだよ。疾風が自分から中に入って遊んでいたんだ」
ーー今のキミみたいにね。
ジワッ
「アッ出そう」
歯ブラシで擦りはじめて一分弱。拓也はようやく先走りで先端の濡れるのがわかった。
拓也の背中にピッタリくっついていた如月博士も、拓也の今にもイキそうな身体の変化に気づく。
ーーさ。友達が助けに来るのとキミのギブアップと、どっちが先かな?
サワサワ、両手で優しく撫でていた拓也の太腿から手を離し、如月博士は空いていた拓也の腋に手を入れる。
ほぼ無いに等しい雄のおっぱいの、わずかな突起を見つけると爪で思い切り弾いた。
ビクッ
「やッ……邪魔すんなッ」
強過ぎる刺激に拓也の右手が止まる。
「邪魔、ですか? ちっとも抵抗しないから、喜んでいるのかと思っていました。あれほど怒っていたのに、どうして抵抗しないんです?」
「みんな、助けないと……俺のせい、だから……ッッ!」
拓也は再び先端を擦り出した。
息が荒くなっている。
「そろそろいい塩梅ですね。ご希望通りイカせてあげましょう」
スルンッ
「ヤッ、冷たッ」
ツルツルしたユニホームのズボンに手を入れられても、長々と焦らし責めされた拓也の身体は快楽に震えるだけで抵抗することが出来なかった。
シコシコシコシコ……
「ヤッ、やぁンッ! ヤメッ離してっ離してよっ……あァっっ!!」
ビュクッビュルルるッ! ……ッ
……如月博士の策略にハマり、ブルーのユニホームのまま射精させられてしまった拓也。
ユニホームの股間に白濁液の染みを作った状態でコンクリートに寝かされ、持ってきていたスマホを奪われてしまう。
「な、に、すんだよ……」
「君の姿を撮影して、君のピンチを知らせてあげるんだよ」
「や、めろよ……」
身体中に塗り込まれたクスリの効果で、拓也は思うように動けなくなっていた。
力を振り絞り伸ばした右手も、簡単に振り払われてしまう。
「心配しなくても、疾風に電話するだけさ」
「疾風に……?」
疾風と目の前の変態が顔見知りらしいことはわかったものの、拓也は何故ここで疾風が出てくるのかはわからなかった。
ーー少年が絶望する表情を愛でるもまた一興。
「そうだよ。宝月疾風、この学園のヒーローにね」
……親友の拓也が自分の為に捕まってしまったことを知り、疾風は病み上がりの身体を押して如月博士に会いに行く。
疾風はサイトレンジャーに如月博士の研究所の場所を教えていたが、逆に利用され疾風はさらなる危機に追い込まれてしまうのだった…………続く。
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