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いつもの日々
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「じゃぁ、明細を説明してやろう。
まずは、あの時お前を家まで担いで来てやった運び賃。次に、俺がお前に教えた情報の代金だ。色々と流してやったよな」
リュランが、とうとうと説明を始める
「……まぁ、運んでくれたのは感謝するよ。でも、情報料って何だ? そりゃ確かにお前が調べた話を幾つか聞いたけどさ、それに対して金を取るのかよ?
いやいや、待て待て。それを言ったら、僕だって知っている事を沢山話したぞ。それは、どうなるんだ。代金を払ってくれるのか?」
ネッドは、必死になった。何故なら、すぐ傍にはシャミーの目が光っているからである。もしネッドのせいで報奨金が目減りする事にでもなったら、タダでは済むまい。
「お前は、バカか。俺は諜報省の役人だぞ。国費で色々調べてるんだ。それを聞くんだから、金を払うのは当然だろ。あぁ、だけどな、友達価格にしといてやったんで感謝しろ。
で、それに対して、お前は一般市民だろ? 市民が王宮に対して情報提供をするのは、こりゃ義務だよ義務! お前は、義務に対して対価を要求するトンデモ市民なのか?」
リュランが、ドヤ顔をする。一応は筋が通っているので、ネッドはグッと口を真一文字に結んだ。
「それにな、俺への慰謝料も入っているぞ」
「慰謝料? なんだ、それ。お前に慰謝料を払うような事をした覚えはないよ!」
リュランの目が、きらりと光る。
「なぁ、忘れちゃいないだろうな? あの時お前、俺に何て言った? 嫌な奴とか、無神経の権化とか、果てはペテン師とまで言ったよな。俺のガラスの心は、粉々に砕け散ったぞ」
心臓に毛皮のコートを着ているような男が言った。
「ちょっと、お兄ちゃん。それホント? そんな事、言ったの?」
シャミーが、凄い勢いでネッドを詰問する。
「え? えぇ……。そりゃ、まぁ……。あ、でも事情があったんだよ事情が。なぁ、そうだろリュラン、あれはわざと……」
ネッドはリュランの方を振り返るが、当の本人はあさっての方を向いて口笛を吹いている。
「リュラン、お前なぁ!」
ネッドが猛抗議をしようとした時、リュランはスッと友に近づき耳元で囁いた。
「もう一つな、口止め料も入ってるぜ。お前あの時、シャミーの悪口もさんざん言ったよな。 あいつに喋っちゃってもいいのかな?」
リュランの目元と口元が、これ以上ないという程ニヤリと動く。
「なに? 何の内緒話?」
「い、いや。何でもない、何でもない。こっちの話」
ネッドは青くなって否定する。完敗だ。ネッドは顔面蒼白になっているのをシャミーに気取られないよう、必死につくろった。
「もう、ほんとに駄目ね、お兄ちゃん」
呆れかえるシャミー。
「それじゃあっと……」
突然、シャミーがネッドの取り分と言われた方の袋を開き、両手いっぱいの金貨をすくった。
「えっと、シャミー。それは……?」
ネッドが、恐る恐る妹に尋ねる。
「これは、私への慰謝料よ」
「えぇ……、慰謝料というと……」
「お兄ちゃん、私がさらわれた時、メル姉とアリシアをよこして、自分じゃ来なかったわよね。
私がどんなに悲しかったか、寂しかったか、裏切られた気持ちになったか、わかる?」
「あ……、それにも事情が……」
「わかる?」
今にも泣き出しそうな、いや、泣き出しそうな振りをしたシャミーが畳みかけた。
「そりゃ酷いよなぁ。兄として、それはいかんぞ」
リュランがニヤニヤしながら、シャミーの援護射撃をする。
いや、お前を助けに行ったから、そうなったんだろうが! その言葉が舌の先まで出かかったが、言っても無駄だと分かっているネッドは、ため息をついて肩を落とした。
「あぁ、でもそうなると、結局普通に使える報奨金はあんまりないわねぇ。という事で、お兄ちゃん、一年間お小遣いナシね」
「えぇ? 何で、どうして!?」
シャミーの突然のお達しに、ネッドは慌てふためいた。
「当たり前でしょ。
お兄ちゃん、今度の探索で色々と自分用のアイテムを作ったけど、壊れて使い物にならなくなったり、特殊すぎて売れる見込みがない品ばっかりよね? しかも使ったのは、高価格帯の魂石ばかりじゃない。報奨金の残りだけじゃ大赤字よ。
元々の探索依頼料と、メル姉が持って来てくれたメタルゴーレム討伐の分け前を合わせても、儲かったとはとても言えないわ」
「そ、それにも事情が……」
ネッドは、はかない抵抗を試みる。
「事情!?」
シャミーの声が、ワントーン上がった。
「…………あ、いいです」
理屈はその通りなだけに、ネッドはグウの音も出ない。
「それが嫌なら、さっさとギルド館へ行って営業してくる! 今ならみんな、探索の依頼料で懐が暖かいだろうし、探索目的でこの店に来た人たちが、リピーターになってくれるかも知れないわ」
「今?」
ダメもとで、ネッドが尋ねた。
「今行かないで、いつ行くのよ! それとも、お小遣いナシの方がいい?」
贅沢をするつもりはないが、小遣いナシはかなりきつい。ネッドは、いつも通り諦めた。
「行きます、行きますよ。今すぐ行きます」
ネッドは商品カタログをバッグに詰めて、機能付加ショップ・ハッピーアディションを後にする。
「お兄ちゃん!ちゃんと、メル姉とも仲直りするのよ!」
門扉の所まで出てきたシャミーが、後姿のネッドに言った。走ったまま、手を振るネッド。未だに秘密を知らないメルと少し気まずい関係になってしまった兄を、気遣っての事である。
「ほんとに、世話の焼ける奴だよな」
居間に戻って来たシャミーに、リュランがヤレヤレという顔をした。
「全くよ。ほんと、いつになったら私、お嫁に行けるんだか」
二人は、顔を見合わせ苦笑する。
晴れ渡る空の下、ギルド館へ向かって駆けて行く機能付加職人ネッド・ライザー。彼が望む穏やかな暮らしがやって来る日は、まだまだ先のようである。
【第一部 完】
まずは、あの時お前を家まで担いで来てやった運び賃。次に、俺がお前に教えた情報の代金だ。色々と流してやったよな」
リュランが、とうとうと説明を始める
「……まぁ、運んでくれたのは感謝するよ。でも、情報料って何だ? そりゃ確かにお前が調べた話を幾つか聞いたけどさ、それに対して金を取るのかよ?
いやいや、待て待て。それを言ったら、僕だって知っている事を沢山話したぞ。それは、どうなるんだ。代金を払ってくれるのか?」
ネッドは、必死になった。何故なら、すぐ傍にはシャミーの目が光っているからである。もしネッドのせいで報奨金が目減りする事にでもなったら、タダでは済むまい。
「お前は、バカか。俺は諜報省の役人だぞ。国費で色々調べてるんだ。それを聞くんだから、金を払うのは当然だろ。あぁ、だけどな、友達価格にしといてやったんで感謝しろ。
で、それに対して、お前は一般市民だろ? 市民が王宮に対して情報提供をするのは、こりゃ義務だよ義務! お前は、義務に対して対価を要求するトンデモ市民なのか?」
リュランが、ドヤ顔をする。一応は筋が通っているので、ネッドはグッと口を真一文字に結んだ。
「それにな、俺への慰謝料も入っているぞ」
「慰謝料? なんだ、それ。お前に慰謝料を払うような事をした覚えはないよ!」
リュランの目が、きらりと光る。
「なぁ、忘れちゃいないだろうな? あの時お前、俺に何て言った? 嫌な奴とか、無神経の権化とか、果てはペテン師とまで言ったよな。俺のガラスの心は、粉々に砕け散ったぞ」
心臓に毛皮のコートを着ているような男が言った。
「ちょっと、お兄ちゃん。それホント? そんな事、言ったの?」
シャミーが、凄い勢いでネッドを詰問する。
「え? えぇ……。そりゃ、まぁ……。あ、でも事情があったんだよ事情が。なぁ、そうだろリュラン、あれはわざと……」
ネッドはリュランの方を振り返るが、当の本人はあさっての方を向いて口笛を吹いている。
「リュラン、お前なぁ!」
ネッドが猛抗議をしようとした時、リュランはスッと友に近づき耳元で囁いた。
「もう一つな、口止め料も入ってるぜ。お前あの時、シャミーの悪口もさんざん言ったよな。 あいつに喋っちゃってもいいのかな?」
リュランの目元と口元が、これ以上ないという程ニヤリと動く。
「なに? 何の内緒話?」
「い、いや。何でもない、何でもない。こっちの話」
ネッドは青くなって否定する。完敗だ。ネッドは顔面蒼白になっているのをシャミーに気取られないよう、必死につくろった。
「もう、ほんとに駄目ね、お兄ちゃん」
呆れかえるシャミー。
「それじゃあっと……」
突然、シャミーがネッドの取り分と言われた方の袋を開き、両手いっぱいの金貨をすくった。
「えっと、シャミー。それは……?」
ネッドが、恐る恐る妹に尋ねる。
「これは、私への慰謝料よ」
「えぇ……、慰謝料というと……」
「お兄ちゃん、私がさらわれた時、メル姉とアリシアをよこして、自分じゃ来なかったわよね。
私がどんなに悲しかったか、寂しかったか、裏切られた気持ちになったか、わかる?」
「あ……、それにも事情が……」
「わかる?」
今にも泣き出しそうな、いや、泣き出しそうな振りをしたシャミーが畳みかけた。
「そりゃ酷いよなぁ。兄として、それはいかんぞ」
リュランがニヤニヤしながら、シャミーの援護射撃をする。
いや、お前を助けに行ったから、そうなったんだろうが! その言葉が舌の先まで出かかったが、言っても無駄だと分かっているネッドは、ため息をついて肩を落とした。
「あぁ、でもそうなると、結局普通に使える報奨金はあんまりないわねぇ。という事で、お兄ちゃん、一年間お小遣いナシね」
「えぇ? 何で、どうして!?」
シャミーの突然のお達しに、ネッドは慌てふためいた。
「当たり前でしょ。
お兄ちゃん、今度の探索で色々と自分用のアイテムを作ったけど、壊れて使い物にならなくなったり、特殊すぎて売れる見込みがない品ばっかりよね? しかも使ったのは、高価格帯の魂石ばかりじゃない。報奨金の残りだけじゃ大赤字よ。
元々の探索依頼料と、メル姉が持って来てくれたメタルゴーレム討伐の分け前を合わせても、儲かったとはとても言えないわ」
「そ、それにも事情が……」
ネッドは、はかない抵抗を試みる。
「事情!?」
シャミーの声が、ワントーン上がった。
「…………あ、いいです」
理屈はその通りなだけに、ネッドはグウの音も出ない。
「それが嫌なら、さっさとギルド館へ行って営業してくる! 今ならみんな、探索の依頼料で懐が暖かいだろうし、探索目的でこの店に来た人たちが、リピーターになってくれるかも知れないわ」
「今?」
ダメもとで、ネッドが尋ねた。
「今行かないで、いつ行くのよ! それとも、お小遣いナシの方がいい?」
贅沢をするつもりはないが、小遣いナシはかなりきつい。ネッドは、いつも通り諦めた。
「行きます、行きますよ。今すぐ行きます」
ネッドは商品カタログをバッグに詰めて、機能付加ショップ・ハッピーアディションを後にする。
「お兄ちゃん!ちゃんと、メル姉とも仲直りするのよ!」
門扉の所まで出てきたシャミーが、後姿のネッドに言った。走ったまま、手を振るネッド。未だに秘密を知らないメルと少し気まずい関係になってしまった兄を、気遣っての事である。
「ほんとに、世話の焼ける奴だよな」
居間に戻って来たシャミーに、リュランがヤレヤレという顔をした。
「全くよ。ほんと、いつになったら私、お嫁に行けるんだか」
二人は、顔を見合わせ苦笑する。
晴れ渡る空の下、ギルド館へ向かって駆けて行く機能付加職人ネッド・ライザー。彼が望む穏やかな暮らしがやって来る日は、まだまだ先のようである。
【第一部 完】
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