バルファ旅行記

はるば草花

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バルファ旅行記すりー前編

すりー前編7

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この家の家族構成は、夫に妻、子供が2人。1人はすでに大きく青年で、1人はまだ小学生くらいの子供だ。

奥さんの料理はとても美味しくてたくさんあった。バルファに来ているということをとても実感した時だったように思う。バルファの人との触れあいって感じがとても暖かく感じた。

その日はいろんなことが起こったので、夜は興奮で眠れないかと思ったものの疲れが半端なかったのですぐに爆睡した。




「おおー! いいのか? 高そうなものなのに」

「はい。他に手持ちがないですし、こんなものですが、もらっていただけませんか」


次の日、旅に必要だろうものを泊めてくれた男性が用意してくれたんだが、お金がないんで、誠那が持っていた短剣を渡した。実用のものだがかなり質がいいと分かる。

男性は泊めた分を含めてももらいすぎになると言うが誠那がうまく言って渡した。


「また近くに来ることがあったら寄ってね」

「はい。そうします」


精霊のウィリムさんのところに行く時にでも来よう。こういう約束が増えるっていいな。

現在の服は村で手に入れたものを着ている。着替えも持ってきていたが今の旅は安全の保証がないので目立たないようにしたい。

それで荷物が増えたこともあり不要になった服を捨てることにした。売るのは問題になるかもしれないので村を出た後に誠那が炎を出して不要物を燃やした。


「て! 魔法! 前よりそれっぽいな」


魔法を使うことよりもラルクス姿と人で入れ替えられるほうが不思議現象かもしれないけど。


「まあな。複雑なのだと呪文詠唱がないと使用できなかったりするが、これくらいなら簡単だ」

「それはつまり色々できるんだろ。十分だと思うが。騎士団の人も魔法具なしじゃそんなに種類豊富に使えてないし」


まだ詳しくはないがおそらく魔法の相性とかあって、苦手なのは難しいんだろう。


「騎士だからだろ。魔導師ならかなりの種類できる。まあ、そんなタイプはたいてい引きこもりのように外で動き回ることが少ないから荒事に向かないが」

「なるほど。魔法使いとかって弱そうだものな。なら強力な魔法も宝の持ち腐れか」

「普通はそうかもしれない。どんなに強力な魔法でも実戦経験がないとアホみたいな結果になるしな。それでも能力が高いと騎士よりも優遇されるが」

「そういう情報もっと聞きたい。そして強力な魔法でアホなことになったのは実体験とみた」

「う…。子供だったんだ」


まさか誠那がやった側だとは思わなかった。



燃えきって灰になったので砂をかけ、再び足を進める。
向かうのはシャリフという街だとか。それは次の行き先ってだけで、最終的にはハルハンの都に行く予定だ。なるべく短い距離のルートで街を転々と進むらしい。


道を進むが人に会うことはない。あんまり使われない道のようだ。

今日中にシャリフに行きたかったがそれが無理と気づき、ついに野宿か…、と思いながら進んでいれば猟師に出会い、近くの小屋で暮らしているということで小屋に泊めてもらえた。

そして次の日、昼前ほどでシャリフにつく。

なんというか、荒い場所だな。

この辺りがあんまり豊かな土地でないのは景色で分かるが、村よりずっと多く家があるのに、村より荒れている気がする。


「…なんでこんな感じなんだ?」

こっそりと誠那に聞いてみる。


「場所柄だな。ここからさらに何日か歩いたところに神殿があるんだが、そこに向かう巡礼者の通る場所として発展したらしい。泊まった村よりも緑が少ないし、発展の仕方が荒っぽいんだろう」

「荒っぽい連中が寄ってくる、とか?」

「そんなところでもある。まあ、見た目ほど治安は悪くないはずだ。巡礼者の為に品物は充実しているし、この先の為にさらに必要な物をそろえよう」

「おお、買い物」


買い物好きではないが、バルファにどんな物があるかは知りたい。

一軒の冒険者が入りそうな店へと入った。外には武器とか皮鎧とか飾ってある!


「え、武器屋? 防具屋?」

「いや、道具屋かな」

「…薬とか売ってるのか?」


きずぐすり、どくけし、とか。使ってみたい。


「…それは薬屋だ。ゲームじゃないんだぞ?」

「そうか………」


ゲームとは違うか…、と気落ちしつつも誠那の後をついていくと誠那はカウンター前のケースを覗く。一見宝飾品のように見える物が中にはあった。
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