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バルファ旅行記すりー前編
すりー前編1
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書類を持って廊下を進めば、小さい生徒達がこちらを見て噂する。
今度は俺の機嫌がいいんじゃないかというものだった。理由は親の会社の業績がいいからじゃないかと憶測しているようだ。それで喜ぶほどお金好きだと思われてるんだろうか。
俺はもとは感情が表に出にくいので、今はなんとなく機嫌がよさそうと見えるだけだろう。
しかし本当はそんなもんじゃなく、歌い踊りながら歩きたいくらいに機嫌がいい。羞恥心はあるのでしないけど。
向こうの世界での俺を知る2人の前だと鼻歌くらいは出るけどな。
「失礼する」
やってきたのは風紀室だ。書類を渡す為である。風紀とは書類のやりとりは多い。なのになぜ誠那がラルクスと見抜けなかったし、俺。
「これで問題はなさそうだ。警備の計画案を作成して持っていく」
「わかった」
今まで通りのやりとりを誠那とする。お互いに仕事にプライベートは持ち込まない。しかし部屋には他に人がいないな。
「…どうした?」
「いや、他の者は?」
「見回りや調べものしに行ってる」
「ふーん。なら、セイナ」
普段は誠那の姓の鹿信と呼んでいるが、他に人がいなければ誠那と呼ぶ。
「連絡あったか?!てかお前にはどうやって連絡くるんだ?」
ついさっきバルファからの連絡で手紙がやってきた。すでに何度か行っているが、何度行くのも楽しみである。
「俺は直接ある」
「直接ってなんだ?!」
つい叫ぶのもしかたないと思う。
「それは後で話そう。俺の部屋のほうが説明が早い」
「おおお。だよな」
当然であるが誠那の部屋はバルファと繋がっている。俺のとこの簡易とは比べものにならない魔法だと思う。好きに行き来できるし、指定の人間以外は使えないなど高性能なのだ。
「今度のは始めから泊まり予定で今までと違った実践的な事するんだよな! となると…」
「オミ、後で、な」
「う…、だけど段取りとか。必要じゃないか?」
めっちゃ話したくて書類持ってきたんだよな。他委員がいたら無理だとわかってたんだけど、いなかったら歯止めが利くわけないだろ。
「後で、な。今日はいくらでも話につき合うから。その為にも邪魔になりそうな生徒会の仕事を早く終わらせたほうが安心して話し合えるだろ?」
うう…。誠那が子供を言い聞かせるように話してくる。真面目だ。そんなとこに好感もってるけど。
「明日になっても…」
「ああ。徹夜してもかまわん」
「わかった。万全の準備をしてくる!」
今夜語り合う為に仕事を頑張ろう。今ちょっと仕事多いからな。
生徒会室に戻ると他の役員の溜まってるのを片づけていく。俺のはとっくに終わってたんだ。他の奴の分もトップの責任ではあるらな。時間までになるべく片づけておこう。
そして努力するものには、神は手をさしのべる。つつがなく夜がやってきて、誠那の部屋にやってきた。
「セイナ! それで連絡はどんな感じだった?! 準備とかどんな物用意すればいいと思う?」
「待て。まず入って、メシ食べてからな」
出迎えてくれた誠那を見たら言葉がぽろぽろと出てきた。部屋にも入ってないなんてフライングすぎたな。
「だよねー。会長ってば焦りすぎだよ」
一緒に来ていた一十が俺の隣を通って中に入っていく。
「…会計も一緒だったのか」
「同じ生徒会だからな」
一十は生徒会仲間で、誠那は隣の部屋って幸運だな俺。
部屋の中に入ってまた話したくなったが、誠那が食事の後でと目で言ったので我慢した。
今度は俺の機嫌がいいんじゃないかというものだった。理由は親の会社の業績がいいからじゃないかと憶測しているようだ。それで喜ぶほどお金好きだと思われてるんだろうか。
俺はもとは感情が表に出にくいので、今はなんとなく機嫌がよさそうと見えるだけだろう。
しかし本当はそんなもんじゃなく、歌い踊りながら歩きたいくらいに機嫌がいい。羞恥心はあるのでしないけど。
向こうの世界での俺を知る2人の前だと鼻歌くらいは出るけどな。
「失礼する」
やってきたのは風紀室だ。書類を渡す為である。風紀とは書類のやりとりは多い。なのになぜ誠那がラルクスと見抜けなかったし、俺。
「これで問題はなさそうだ。警備の計画案を作成して持っていく」
「わかった」
今まで通りのやりとりを誠那とする。お互いに仕事にプライベートは持ち込まない。しかし部屋には他に人がいないな。
「…どうした?」
「いや、他の者は?」
「見回りや調べものしに行ってる」
「ふーん。なら、セイナ」
普段は誠那の姓の鹿信と呼んでいるが、他に人がいなければ誠那と呼ぶ。
「連絡あったか?!てかお前にはどうやって連絡くるんだ?」
ついさっきバルファからの連絡で手紙がやってきた。すでに何度か行っているが、何度行くのも楽しみである。
「俺は直接ある」
「直接ってなんだ?!」
つい叫ぶのもしかたないと思う。
「それは後で話そう。俺の部屋のほうが説明が早い」
「おおお。だよな」
当然であるが誠那の部屋はバルファと繋がっている。俺のとこの簡易とは比べものにならない魔法だと思う。好きに行き来できるし、指定の人間以外は使えないなど高性能なのだ。
「今度のは始めから泊まり予定で今までと違った実践的な事するんだよな! となると…」
「オミ、後で、な」
「う…、だけど段取りとか。必要じゃないか?」
めっちゃ話したくて書類持ってきたんだよな。他委員がいたら無理だとわかってたんだけど、いなかったら歯止めが利くわけないだろ。
「後で、な。今日はいくらでも話につき合うから。その為にも邪魔になりそうな生徒会の仕事を早く終わらせたほうが安心して話し合えるだろ?」
うう…。誠那が子供を言い聞かせるように話してくる。真面目だ。そんなとこに好感もってるけど。
「明日になっても…」
「ああ。徹夜してもかまわん」
「わかった。万全の準備をしてくる!」
今夜語り合う為に仕事を頑張ろう。今ちょっと仕事多いからな。
生徒会室に戻ると他の役員の溜まってるのを片づけていく。俺のはとっくに終わってたんだ。他の奴の分もトップの責任ではあるらな。時間までになるべく片づけておこう。
そして努力するものには、神は手をさしのべる。つつがなく夜がやってきて、誠那の部屋にやってきた。
「セイナ! それで連絡はどんな感じだった?! 準備とかどんな物用意すればいいと思う?」
「待て。まず入って、メシ食べてからな」
出迎えてくれた誠那を見たら言葉がぽろぽろと出てきた。部屋にも入ってないなんてフライングすぎたな。
「だよねー。会長ってば焦りすぎだよ」
一緒に来ていた一十が俺の隣を通って中に入っていく。
「…会計も一緒だったのか」
「同じ生徒会だからな」
一十は生徒会仲間で、誠那は隣の部屋って幸運だな俺。
部屋の中に入ってまた話したくなったが、誠那が食事の後でと目で言ったので我慢した。
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