バルファ旅行記

はるば草花

文字の大きさ
上 下
22 / 49
バルファ旅行記つー

つー14オマケ1

しおりを挟む
※誠那視点

獣姿の俺に満足したらしい緒深は、俺が人に戻ってもそのまま部屋に残っている。なので夕食でも一緒にしようと思う。キッチンにいって食事の準備を始めた。

俺がラルクスだとばれた時、この先どんな態度をとられるのだろうかと不安に思ったが、何も変わらないようで安心した。

緒深のラルクスとしての俺を見る目は少し異様だったが、悪いものではないし、関心をもってもらえるのはいい。

…ラルクスなだけで終わらなければいいが。それは俺の頑張りしだいだろう。


「あ!セイナ」

「ん?どうした?」


さっきまでぼんやりしてたり、にまにましてたりしてた緒深が叫んだ。


「次にバルファにはいつ行けるんだろ。ちゃんと次もあるよな?」

「そのことか。おそらく、すぐにもあるさ」


じっくり養成するつもりみたいなこと言ってはいたが、最近の状況は悪いからな。なるべく早く育ってもらいたいに違いない。


「その根拠は?」

「とくにないが、そんなに長く間をとるとは思えない。また同じように通知が来るだろう」

「それもそうか」


嬉しそうな顔はバルファに思いを馳せているのだろうか。生徒会長としての顔とはずいぶん違ってころころ変わる。


「そうだ!」

「おい。危ないぞ」


キッチンにまでやってきて飛びかかるようにくっついてきた。気持ちが行動に出ているんだろう。俺の状況なんて分かってないな。


「セイナはここで暮らしてるとしても、バルファに詳しいんだよな。これからは今まで以上にこっちでも仲良くしような!部屋隣だし交流深めようそれがいい」


俺から情報欲しいというのがはっきりしているし強引だが、交流深まるのはこっちも望むところだ。覚悟しろよ?

よし、まずは料理はできたし、一緒に食べるか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

思い込み激しめな友人の恋愛相談を、仕方なく聞いていただけのはずだった

たけむら
BL
「思い込み激しめな友人の恋愛相談を、仕方なく聞いていただけのはずだった」 大学の同期・仁島くんのことが好きになってしまった、と友人・佐倉から世紀の大暴露を押し付けられた名和 正人(なわ まさと)は、その後も幾度となく呼び出されては、恋愛相談をされている。あまりのしつこさに、八つ当たりだと分かっていながらも、友人が好きになってしまったというお相手への怒りが次第に募っていく正人だったが…?

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

尊敬している先輩が王子のことを口説いていた話

天使の輪っか
BL
新米騎士として王宮に勤めるリクの教育係、レオ。 レオは若くして団長候補にもなっている有力団員である。 ある日、リクが王宮内を巡回していると、レオが第三王子であるハヤトを口説いているところに遭遇してしまった。 リクはこの事を墓まで持っていくことにしたのだが......?

仮面の兵士と出来損ない王子

天使の輪っか
BL
姫として隣国へ嫁ぐことになった出来損ないの王子。 王子には、仮面をつけた兵士が護衛を務めていた。兵士は自ら志願して王子の護衛をしていたが、それにはある理由があった。 王子は姫として男だとばれぬように振舞うことにしようと決心した。 美しい見た目を最大限に使い結婚式に挑むが、相手の姿を見て驚愕する。

君のことなんてもう知らない

ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。 告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。 だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。 今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが… 「お前なんて知らないから」

【完】僕の弟と僕の護衛騎士は、赤い糸で繋がっている

たまとら
BL
赤い糸が見えるキリルは、自分には糸が無いのでやさぐれ気味です

処理中です...