13 / 49
バルファ旅行記つー
つー5
しおりを挟む
今日の空は快晴。風が気持ちいい。
「…ところで、どこに行くんだ?」
「さあ?このドラゴンは前を行く奴についていってるだけのようだし」
「え、聞いてないの委員長。…変なとこには連れてかないだろうけど、なかなかに不安だよ」
「いや、これくらいで。よく特殊警察とかやってられるな。つか、実績あんのかよ」
「あるよ!ほとんど向こうの世界での調査によるものだけどさ!それはこっちでも協会がしてるらしいから仕方ないでしょ」
「やっぱたいしたことねえな」
「これから頑張るんだから!」
「だったら、これくらいの予期せぬことくらい堂々と構えていろよ」
「それはそうだけど、…どうして会長は初めてなのにそんな堂々としてられるの。普通、なにがなくとも不安になるものなんだよ?」
「そうだな。バルファ愛のなせる技かな」
「そんなキリッとした顔で、残念発言だよ。そんな主人公みたいな見た目で言われるとがっかり増すよ」
「お前だってチャラそうなのに、意外な顔があるほうが主人公っぽくて俺はいいと思うが、残念さは変わらんよな」
「…褒められたという部分だけ、ありがたく心にとどめるよ」
それから1時間くらいドラゴンの背にゆられて、遠くまで来たように思う。するとだんだん降下してきた。
「衝撃が来るぞ」
誠那の言葉を聞き、前にある誠那の身体にしがみつく。危ないからな。後ろで一十がしがみついてくるのも苦しいが黙認してやろう。
「わっ」
「あわわわわわ」
地面に到着する時、身体浮いた。
「こ、こんなものなのか…ドラゴンって…」
そりゃ飛行機とはいかないだろうし、馬でも振動多いけど。
「これはよく躾けられてるからいいほうだ。ドラゴンが背にいる人間のことを気遣うのは難しい。乗り手も慣れていないと簡単に落とされる」
「うえー。じゃあ、簡単に乗ろうとか思わないほうがいいね。ゲームじゃいい乗り物なんだけどなー」
「そうだな。せめて慣れた者が一緒にいたほうがいいかもな」
「俺は上手く乗れるようになりたい」
「さすが会長…」
一十は疲れた様子だ。俺もさすがに変なとこに力が入って疲れた気がする。しかしドラゴンの騎手とか、うわ、格好よすぎだろ。生態学者になるつもりだったんだが。いや、その為にもドラゴンには乗れたほうがいいよな。
「セイナ。ドラゴン欲しい。どこにいる?」
「……さすがにそう簡単には…」
「無理か…」
「ならやっぱりうちの騎士団に入れ。乗り放題だぞ?」
声に振り向けば余裕そうなルーバルトとシャルハがいた。ドラゴンには乗り慣れてるんだろうな。
「無理だ。自由がなさそう」
「たしかにそれはいえるな」
ルーバルトが納得したことにシャルハが微妙な顔してる。大変だな。
「では行きましょう」
「行くってどこにだ?」
「神殿ですよ。といっても昔のもので、今はもう訪れる人も少ないところなんですが、なかなか見応えがありますよ?」
「へー。でも、なんでまたそこに?」
昔の遺跡的神殿とかダンジョンの定番じゃないか?宝とかあるのか。あるだろ。あ、持ち帰れねえ。いや、ルーバルトに預かってもらえばいいか?
「とくに意味はねえよ?今回はまずバルファを知ってもらう為に移動したんだ。それに今から行く神殿は廃れてるが、いまだ力を維持しているくらいのところだ。行けばなにか起こるかもしれない」
「なにかってなんですか。この人の言うことはあまり気にしなくていいですよ。ただ、いい神殿だと考えてください。まあ、バルファの為に力になることを報告すれば、加護をいただけるかもしれません」
シャルハさんも加護とかは信じているんだな。
降り立った場所は高い所のようだ。森と山と空しか見えないし、地面の所々に高山植物のような花が咲いている。植物全体の大きさのわりに花が大きいのだ。
開けた場所から昔の道かもしれないところを10分ほど進み、坂を上りきったところで遺跡がどーんと目の前に建っていた。
「おー、いい感じの古びた感」
だいぶ高いとこに来たようで、さらに上からきた風が俺達を通り過ぎ下へと降りていった。
「わー…。これ大丈夫なの?いきなり崩れてこない?」
後からやってきた一十が不安そうに、すでに少し崩れてるような神殿を見ている。
「崩れるとか考えたことないが、大丈夫だろ」
ルーバルトが逆に不安なこと言った。ので一十がさらに不安そうな顔になる。
「俺は崩れても本望だ」
古びた神殿でとか、どこの伝説的最後だ。
「えー。他にもたくさんバルファのあれやこれ見たくないの?」
「う…。そこをつかれると辛い」
「考えてもしかたない。ほら、行くぞ」
神殿の入り口には石の階段があり、そこをルーバルトやシャルハがひょいひょいと上っていくが、その階段も壊れていたりと、俺と一十はもたもたと進む。
そう、誠那はひょいひょいと行くのだ。現地人だからと思いたい。
もたもたながらも、なんとか神殿の中へと到着した。
「…ところで、どこに行くんだ?」
「さあ?このドラゴンは前を行く奴についていってるだけのようだし」
「え、聞いてないの委員長。…変なとこには連れてかないだろうけど、なかなかに不安だよ」
「いや、これくらいで。よく特殊警察とかやってられるな。つか、実績あんのかよ」
「あるよ!ほとんど向こうの世界での調査によるものだけどさ!それはこっちでも協会がしてるらしいから仕方ないでしょ」
「やっぱたいしたことねえな」
「これから頑張るんだから!」
「だったら、これくらいの予期せぬことくらい堂々と構えていろよ」
「それはそうだけど、…どうして会長は初めてなのにそんな堂々としてられるの。普通、なにがなくとも不安になるものなんだよ?」
「そうだな。バルファ愛のなせる技かな」
「そんなキリッとした顔で、残念発言だよ。そんな主人公みたいな見た目で言われるとがっかり増すよ」
「お前だってチャラそうなのに、意外な顔があるほうが主人公っぽくて俺はいいと思うが、残念さは変わらんよな」
「…褒められたという部分だけ、ありがたく心にとどめるよ」
それから1時間くらいドラゴンの背にゆられて、遠くまで来たように思う。するとだんだん降下してきた。
「衝撃が来るぞ」
誠那の言葉を聞き、前にある誠那の身体にしがみつく。危ないからな。後ろで一十がしがみついてくるのも苦しいが黙認してやろう。
「わっ」
「あわわわわわ」
地面に到着する時、身体浮いた。
「こ、こんなものなのか…ドラゴンって…」
そりゃ飛行機とはいかないだろうし、馬でも振動多いけど。
「これはよく躾けられてるからいいほうだ。ドラゴンが背にいる人間のことを気遣うのは難しい。乗り手も慣れていないと簡単に落とされる」
「うえー。じゃあ、簡単に乗ろうとか思わないほうがいいね。ゲームじゃいい乗り物なんだけどなー」
「そうだな。せめて慣れた者が一緒にいたほうがいいかもな」
「俺は上手く乗れるようになりたい」
「さすが会長…」
一十は疲れた様子だ。俺もさすがに変なとこに力が入って疲れた気がする。しかしドラゴンの騎手とか、うわ、格好よすぎだろ。生態学者になるつもりだったんだが。いや、その為にもドラゴンには乗れたほうがいいよな。
「セイナ。ドラゴン欲しい。どこにいる?」
「……さすがにそう簡単には…」
「無理か…」
「ならやっぱりうちの騎士団に入れ。乗り放題だぞ?」
声に振り向けば余裕そうなルーバルトとシャルハがいた。ドラゴンには乗り慣れてるんだろうな。
「無理だ。自由がなさそう」
「たしかにそれはいえるな」
ルーバルトが納得したことにシャルハが微妙な顔してる。大変だな。
「では行きましょう」
「行くってどこにだ?」
「神殿ですよ。といっても昔のもので、今はもう訪れる人も少ないところなんですが、なかなか見応えがありますよ?」
「へー。でも、なんでまたそこに?」
昔の遺跡的神殿とかダンジョンの定番じゃないか?宝とかあるのか。あるだろ。あ、持ち帰れねえ。いや、ルーバルトに預かってもらえばいいか?
「とくに意味はねえよ?今回はまずバルファを知ってもらう為に移動したんだ。それに今から行く神殿は廃れてるが、いまだ力を維持しているくらいのところだ。行けばなにか起こるかもしれない」
「なにかってなんですか。この人の言うことはあまり気にしなくていいですよ。ただ、いい神殿だと考えてください。まあ、バルファの為に力になることを報告すれば、加護をいただけるかもしれません」
シャルハさんも加護とかは信じているんだな。
降り立った場所は高い所のようだ。森と山と空しか見えないし、地面の所々に高山植物のような花が咲いている。植物全体の大きさのわりに花が大きいのだ。
開けた場所から昔の道かもしれないところを10分ほど進み、坂を上りきったところで遺跡がどーんと目の前に建っていた。
「おー、いい感じの古びた感」
だいぶ高いとこに来たようで、さらに上からきた風が俺達を通り過ぎ下へと降りていった。
「わー…。これ大丈夫なの?いきなり崩れてこない?」
後からやってきた一十が不安そうに、すでに少し崩れてるような神殿を見ている。
「崩れるとか考えたことないが、大丈夫だろ」
ルーバルトが逆に不安なこと言った。ので一十がさらに不安そうな顔になる。
「俺は崩れても本望だ」
古びた神殿でとか、どこの伝説的最後だ。
「えー。他にもたくさんバルファのあれやこれ見たくないの?」
「う…。そこをつかれると辛い」
「考えてもしかたない。ほら、行くぞ」
神殿の入り口には石の階段があり、そこをルーバルトやシャルハがひょいひょいと上っていくが、その階段も壊れていたりと、俺と一十はもたもたと進む。
そう、誠那はひょいひょいと行くのだ。現地人だからと思いたい。
もたもたながらも、なんとか神殿の中へと到着した。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
超美形魔王が勇者の俺に嫁になれとほざいている件
むらびっと
BL
勇者のミオ・フロースドは魔王に負け死ぬはずだった
しかし魔王はミオをなんと嫁に欲しいとほざき始めた
負け犬勇者と美形魔王とのラブコメライフが始まる!
⚠️注意:ほぼギャグ小説です


囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?

傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる