バルファ旅行記

はるば草花

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バルファ旅行記

バルファ旅行記4

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30分ほど歩くと城の入り口に到着した。

でかい門をくぐって中へと入る。かなり広そうで敷地内は通路から広い庭園が見える。

城の広間など、すごく豪華な場所を見学。

国王の住む城らしいけど、さすがに王には会えず、また外へと出た。


「この後はどこに行くんだ?」

「騎士に会いにいくのよ。ちょっとしたショーを見せてくれるわ」

「騎士!どんなのだ?」


男の憧れ職業だな。ゲームでなら何度かなったことはあるが、ここの騎士はどんなスキル持ちなのだろうか。

あー、テンションが下がることを知らないな!


「内緒。知らないほうが楽しいわよ?」


ハードル上げて大丈夫か?…なんて、どんな騎士でも幻滅するとは思えないが。


「お、あれか」


広場のようなとこに男が2人いた。格好からして騎士っぽい。


「あ。今回はルーバルトだったんだ」

「?」


メリルは少し嫌そうな顔だ。なにかあったのか?つか知り合い?


「ほら、来たんですから、挨拶してください」

「あー?めんどくせえ。なんで俺がこんなことしなきゃなんねえ」

「これも騎士の勤めですよ」


いきなり嫌そうな顔をしている騎士だろう男は、柄が悪そうだ。服装も騎士っぽいが自分改造か、傭兵っぽさを醸し出している。これがメリルが嫌がった原因だろう。

もう1人は知的で柔和そうな雰囲気で、きっとこの柄悪そうな騎士に仕事をさせる為になにかと苦労してるに違いない。


「あーー、めんど。しゃあねえな。俺はルーバルト。ここの騎士団の第4隊隊長をしている」

「あれで隊長か…。大変だな」

「おい、そこの。聞こえたぞ?」

「げっ」


小さく呟いたのに聞こえたようだ。どうする俺。


「へー、なかなか美人だな?なんなら、剣の相手でもすっか?」

「いえ、すみません。そういった技術は持ち合わせていないので、丁重にお断りします」


美人てなんだ。


「はっ、冷静だな。もっと慌てろよ。つまんねえだろ」

「異世界人をからかってはいけませんよ。それより早く仕事してください」

「からかってねえだろ。仕事なんてなんでやらなきゃいけないんだ」


駄目人間か。


「ぜひ、見せてください。楽しみにしてます」

「へえー?美人に期待されたらやるしかないな」


また美人…。まあ、やる気になったし、何も言うまい。

2人は広場の中央に対面で立つ。ショーとしてな試合をしてくれるもよう。

俺達は少し離れてその様子を見る。


「よっしゃ、美人の為にいきなりいくぜ?」


美人ていうのやめろし。

ルーバルトはなにげに美形な顔でにやりと口角を上げ、剣を鞘から抜く。

抜いたと思ったらそのまま、もう1人の男、シャルハという知的騎士へと向かっていく。

そのまま、大振りに切りかかるルーバルトに、シャルハは軽々かわす。しかし、ルーバルトはあの勢いで剣を振ったのに、その剣の角度を変えてすぐにシャルハに向かう。初めからそのつもりだったんだろう。

それには、シャルハはぎりぎりでかわすことに。その直後、シャルハの手が青く光って、何事かを呟き、手をルーバルトに向けると、青い光が手からドバーと溢れる。

それをルーバルトは、おそらく透明な盾を作り出して跳ね返す。

ルーバルトは剣を主にした戦いで、シャルハは魔法?を主にして戦う。

素晴らしい身体能力で高く飛び上がってるは、派手に光ってるはで、本気かと思えるほどだが、日本での真剣の演技もすさまじいから同じなんだろう。

最後にルーバルトの剣がシャルハに突きつけられて、試合は終わる。


「おー…」

「どうだった?オミ。ルーバルトは馬鹿だけど、けっこう強いのよ?」

「ああ。すごかった」


目が離せなかった。もうなんか、色々叫びたいくらいだが、そんな暇がないくらいだ。


「うらっそこっ。聞こえてんぞメリル。馬鹿とはなんだ。お仕置きが必要か?」


妖精メリルの言葉をそこまで離れててよく聞こえたな。


「…鬼畜野郎か?」

「ううん。違うよ。あいつはちょっと俺様だけど、仕事をしたがらないだけの奴だから、そんな意味のないことしないわよ」


聞こえてると分かってて、失礼なこと言ってるのをルーバルトは呆れたように見てくる。


「…美人さんには弱いからな」


いや、美人やめろって言ってるだろ。あ、声に出してなかったな。
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