10 / 14
拘束1
しおりを挟む
バチンッ!と大きな音が広場に響く。その後に歓声がわいた。
舞台の上では2人の男が対面しており、片方は膝をついている。
「もう終わりか? 早く立て」
「くっ、負けました…」
「フン。それじゃあ次の昇級試験には合格しないぞ?」
試合で相手を負かした男は舞台の上から降りる。その男、比坂政隆の去る姿に舞台を囲む多くの生徒が視線を向けていた。
「うあー、さすが会長様容赦ねえな」
「少しくらい手加減してくれてもいいよなー」
「でも、素敵…」
畏怖、嫌悪、思慕、様々な思いを男は向けられていた。
ここは軍事学校であり、全寮制の男子校である。
国の男子で能力の高い者は、皆通うことが義務づけられている。
能力とは超能力であり、その力は電気を操るもので、その力をどのように扱えているかと、その容量でランクづけされる。
そして、その学校の生徒会長が、比坂だ。
中等部の頃から能力が秀でており、その抜きんでた容姿もあって生徒会長に選ばれた。
冷徹だとか硬派だとか俺様だとか、様々に言われているが、実際の本質を知る者はごくわずかだろう。
比坂はその日生徒会業務を終えた後、寮へと向かう。自室へと行くのではなく、ある男の部屋へとやってきた。
「おー、よく来たなあ? 今日は試合で庶務をあっさり倒してたそうだな?」
「…話は中に入ってからでいいだろう」
部屋に入る前に男が話を始めたが無視して入る。
「このフロアは役員しか来ないだろ」
「…十分、危険だろう」
「俺は、別にお前とただならぬ関係だとばれてもいいんだけどな」
「お前…」
「くくっ、冗談だ。楽しみが減るからな」
「………早く、しろ」
「お望みとあらば」
男は比坂の腰を引き寄せ噛みつくように口づけた。
男の名は、実元有真。この学校の風紀委員会で委員長をつとめる男だ。
「ふ…、ん……、く…」
存分に咥内を堪能した実元は、比坂を寝室へと連れていく。
勢いよく比坂の身体をベッドに押し倒し、その上に乗ってまた深く口付ける。角度を何度も変えて、その間に服を脱がしていく。
比坂は抵抗したくなるのを我慢して受け入れている。しかし中心を触られてはたまらずシーツを握りしめた。
「なんだ、まだなれないのか? もうとっくに淫乱になってると思ったのにな」
「うるさい…」
わざわざ比坂の耳元で囁く。その声に身体を震わせたのをごまかすように言葉を発したが、少しも迫力はなく、実元は楽しそうに笑う。
「従順すぎるのもつまらないからな、今のままでいろ、ヒサカ」
「ふ、あっ…」
首筋を舐められながら、開かれた足の後ろを解かされる。
「ほら、今日も頑張れよ? 会長様」
「う、あっ!」
実元の固いものが中へと押し入る。
「く…、ほら、楽しませてくれ」
「うあ、く…」
遠慮なく動く実元に、比坂はなにもできることはなく、ただゆさぶられるだけだ。
激しい痛みと不快な快感に脳が壊れてしまいそうで、なにも考えられなくて、比坂はいつしか意識を失う。
「う……」
不快感たっぷりに目覚めた比坂は、意識を失う前の記憶のままのベッドの上にいた。
「くそ…」
実元の姿はない。
痛む身体をなんとか起こしてベッドを降りる。
こんな状況は何度もあるので実元のことなど気にせずシャワーを浴びにいき、散らばっていた制服を着てすぐにその部屋を出た。
そして近くにある自分の部屋に入ってやっと息つく。
よろよろとソファーに近づき倒れるように横になって、そのまま深く眠りにつく。
実元との関係は、脅されて身体を要求されたことによる。
脅しのネタは比坂以外の生徒会役員の情報だ。知られてしまえば、この学校にいられなくなるほどの。
能力で一般人を傷つけたことがあったり、出生の秘密だったり。どれも同情したくなる事ばかりなのだが、それを世間は考慮してはくれない。
舞台の上では2人の男が対面しており、片方は膝をついている。
「もう終わりか? 早く立て」
「くっ、負けました…」
「フン。それじゃあ次の昇級試験には合格しないぞ?」
試合で相手を負かした男は舞台の上から降りる。その男、比坂政隆の去る姿に舞台を囲む多くの生徒が視線を向けていた。
「うあー、さすが会長様容赦ねえな」
「少しくらい手加減してくれてもいいよなー」
「でも、素敵…」
畏怖、嫌悪、思慕、様々な思いを男は向けられていた。
ここは軍事学校であり、全寮制の男子校である。
国の男子で能力の高い者は、皆通うことが義務づけられている。
能力とは超能力であり、その力は電気を操るもので、その力をどのように扱えているかと、その容量でランクづけされる。
そして、その学校の生徒会長が、比坂だ。
中等部の頃から能力が秀でており、その抜きんでた容姿もあって生徒会長に選ばれた。
冷徹だとか硬派だとか俺様だとか、様々に言われているが、実際の本質を知る者はごくわずかだろう。
比坂はその日生徒会業務を終えた後、寮へと向かう。自室へと行くのではなく、ある男の部屋へとやってきた。
「おー、よく来たなあ? 今日は試合で庶務をあっさり倒してたそうだな?」
「…話は中に入ってからでいいだろう」
部屋に入る前に男が話を始めたが無視して入る。
「このフロアは役員しか来ないだろ」
「…十分、危険だろう」
「俺は、別にお前とただならぬ関係だとばれてもいいんだけどな」
「お前…」
「くくっ、冗談だ。楽しみが減るからな」
「………早く、しろ」
「お望みとあらば」
男は比坂の腰を引き寄せ噛みつくように口づけた。
男の名は、実元有真。この学校の風紀委員会で委員長をつとめる男だ。
「ふ…、ん……、く…」
存分に咥内を堪能した実元は、比坂を寝室へと連れていく。
勢いよく比坂の身体をベッドに押し倒し、その上に乗ってまた深く口付ける。角度を何度も変えて、その間に服を脱がしていく。
比坂は抵抗したくなるのを我慢して受け入れている。しかし中心を触られてはたまらずシーツを握りしめた。
「なんだ、まだなれないのか? もうとっくに淫乱になってると思ったのにな」
「うるさい…」
わざわざ比坂の耳元で囁く。その声に身体を震わせたのをごまかすように言葉を発したが、少しも迫力はなく、実元は楽しそうに笑う。
「従順すぎるのもつまらないからな、今のままでいろ、ヒサカ」
「ふ、あっ…」
首筋を舐められながら、開かれた足の後ろを解かされる。
「ほら、今日も頑張れよ? 会長様」
「う、あっ!」
実元の固いものが中へと押し入る。
「く…、ほら、楽しませてくれ」
「うあ、く…」
遠慮なく動く実元に、比坂はなにもできることはなく、ただゆさぶられるだけだ。
激しい痛みと不快な快感に脳が壊れてしまいそうで、なにも考えられなくて、比坂はいつしか意識を失う。
「う……」
不快感たっぷりに目覚めた比坂は、意識を失う前の記憶のままのベッドの上にいた。
「くそ…」
実元の姿はない。
痛む身体をなんとか起こしてベッドを降りる。
こんな状況は何度もあるので実元のことなど気にせずシャワーを浴びにいき、散らばっていた制服を着てすぐにその部屋を出た。
そして近くにある自分の部屋に入ってやっと息つく。
よろよろとソファーに近づき倒れるように横になって、そのまま深く眠りにつく。
実元との関係は、脅されて身体を要求されたことによる。
脅しのネタは比坂以外の生徒会役員の情報だ。知られてしまえば、この学校にいられなくなるほどの。
能力で一般人を傷つけたことがあったり、出生の秘密だったり。どれも同情したくなる事ばかりなのだが、それを世間は考慮してはくれない。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説





BL短編まとめ(甘い話多め)
白井由貴
BL
BLの短編詰め合わせです。
主に10000文字前後のお話が多いです。
性的描写がないものもあればがっつりあるものもあります。
性的描写のある話につきましては、各話「あらすじ」をご覧ください。
(※性的描写のないものは各話上部に書いています)
もしかすると続きを書くお話もあるかもしれません。
その場合、あまりにも長くなってしまいそうな時は別作品として分離する可能性がありますので、その点ご留意いただければと思います。
【不定期更新】
※性的描写を含む話には「※」がついています。
※投稿日時が前後する場合もあります。
※一部の話のみムーンライトノベルズ様にも掲載しています。
■追記
R6.02.22 話が多くなってきたので、タイトル別にしました。タイトル横に「※」があるものは性的描写が含まれるお話です。(性的描写が含まれる話にもこれまで通り「※」がつきます)
誤字脱字がありましたらご報告頂けると助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる