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第二話
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悪役令嬢を断罪して数年の月日が経ち
学園を卒業した私はお城に仕える聖女として、攻略対象の王子様達にチヤホヤされる日々を送っていた。
そんなある日、私が城内を歩いていたら、王子様が見えた。
声をかけようと思って近づいてみると、他にも女がいた。5人だ。しかも人間じゃない。
「王子様、こちらの方々は?」
「やぁナディア、彼女たちは今日、僕らの卒業祝いに献上されたモンスター娘たちだよ」
モンスター娘
それは人間の女のような見た目をしたモンスターのことだ。
普通のモンスターとの違いはその姿だけじゃなく、人の言葉を話せるし、知能も人と同じだと言われている。たしかゲームの設定では遥か昔、勇者が魔王の手から世界を救って以来、人間とモンスターが共存するようになったらしい。最近では人間社会に進出し、人間と共に働くモンスター娘も増えて来てるとか。
「皆父上のお墨付きらしいんだ。これからこの国のために尽くしてくれるようだよ」
「今後ともよろしくお願いします。聖女様」
王子様が紹介してくれると、5人組のリーダーらしきモンスター娘がにっこりとあいさつをしてきた。
「…うん、これからよろしくねぇ?」
全員女なのが気に食わないけど、また悪役令嬢の時みたいにこき使えばいいわよね。
あの女の時みたいに仕事を全部押しつけて、王子様たちとまたデートに行くんだから!
…この時の私は、そう楽観的に思っていた。
彼女たちが来てから数週間後、教会を抜け出し城内を歩いていると、王子様を見かけた。声をかけようとすると、そばにモンスター娘の一人…小悪魔?がいた。
「ナディア、聖女の仕事は順調かい?」
「うん、もちろん!」
正直、聖女の仕事なんて毎朝教会でお祈りしたり、被災地での復興に手を貸したりとかいろいろと面倒なのよねぇ。
だから最近教会に来たモンスター娘である天使に仕事全部押しつけてきたの。
天使は光魔法使えるって言ってたし、大丈夫でしょ。それに聖女でヒロインである私の役に立てるんだから光栄に思いなさい。
「それより、久しぶりに会えたから一緒にお茶しませんか?」
「えっと、それは……」
「殿下、締め切りの近い仕事がまだ残っていますのでお急ぎください」
王子様が何故か言いよどんでいると、そばで黙ってた小悪魔が口をはさんできた。
私はあんたじゃなくて王子様に言ってるの!
そう注意してやろうかと思ったら、王子様は私に背を向けた。
「そうだね、行こうか」
「はい」
「え!ちょ、ちょっと!?」
そういうと王子様は小悪魔と一緒に行ってしまった。ヒロインである私を置いて…
「なによ…なによ!」
私は二人がいなくなると地団太を踏んだ。
なんで王子様は私じゃなくてあんな奴の言うことを聞いたの!?私の事を愛してるんじゃないの!?
「絶対許さない…あいつらみんなあの悪役令嬢みたいに追い込んでやるんだから」
親指をかじりながら私は小悪魔と王子様が行った廊下を睨んだ。
…だけどそれは叶わないどころか、私の幸せが崩壊することになるなんて、思いもしなかった。
学園を卒業した私はお城に仕える聖女として、攻略対象の王子様達にチヤホヤされる日々を送っていた。
そんなある日、私が城内を歩いていたら、王子様が見えた。
声をかけようと思って近づいてみると、他にも女がいた。5人だ。しかも人間じゃない。
「王子様、こちらの方々は?」
「やぁナディア、彼女たちは今日、僕らの卒業祝いに献上されたモンスター娘たちだよ」
モンスター娘
それは人間の女のような見た目をしたモンスターのことだ。
普通のモンスターとの違いはその姿だけじゃなく、人の言葉を話せるし、知能も人と同じだと言われている。たしかゲームの設定では遥か昔、勇者が魔王の手から世界を救って以来、人間とモンスターが共存するようになったらしい。最近では人間社会に進出し、人間と共に働くモンスター娘も増えて来てるとか。
「皆父上のお墨付きらしいんだ。これからこの国のために尽くしてくれるようだよ」
「今後ともよろしくお願いします。聖女様」
王子様が紹介してくれると、5人組のリーダーらしきモンスター娘がにっこりとあいさつをしてきた。
「…うん、これからよろしくねぇ?」
全員女なのが気に食わないけど、また悪役令嬢の時みたいにこき使えばいいわよね。
あの女の時みたいに仕事を全部押しつけて、王子様たちとまたデートに行くんだから!
…この時の私は、そう楽観的に思っていた。
彼女たちが来てから数週間後、教会を抜け出し城内を歩いていると、王子様を見かけた。声をかけようとすると、そばにモンスター娘の一人…小悪魔?がいた。
「ナディア、聖女の仕事は順調かい?」
「うん、もちろん!」
正直、聖女の仕事なんて毎朝教会でお祈りしたり、被災地での復興に手を貸したりとかいろいろと面倒なのよねぇ。
だから最近教会に来たモンスター娘である天使に仕事全部押しつけてきたの。
天使は光魔法使えるって言ってたし、大丈夫でしょ。それに聖女でヒロインである私の役に立てるんだから光栄に思いなさい。
「それより、久しぶりに会えたから一緒にお茶しませんか?」
「えっと、それは……」
「殿下、締め切りの近い仕事がまだ残っていますのでお急ぎください」
王子様が何故か言いよどんでいると、そばで黙ってた小悪魔が口をはさんできた。
私はあんたじゃなくて王子様に言ってるの!
そう注意してやろうかと思ったら、王子様は私に背を向けた。
「そうだね、行こうか」
「はい」
「え!ちょ、ちょっと!?」
そういうと王子様は小悪魔と一緒に行ってしまった。ヒロインである私を置いて…
「なによ…なによ!」
私は二人がいなくなると地団太を踏んだ。
なんで王子様は私じゃなくてあんな奴の言うことを聞いたの!?私の事を愛してるんじゃないの!?
「絶対許さない…あいつらみんなあの悪役令嬢みたいに追い込んでやるんだから」
親指をかじりながら私は小悪魔と王子様が行った廊下を睨んだ。
…だけどそれは叶わないどころか、私の幸せが崩壊することになるなんて、思いもしなかった。
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