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パターンその5・おまけ
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前世ではうっかり死んでしまったけど、やりこむくらいに大好きだった乙女ゲームの主人公となった私は幸せだった。
だってイケメンの王子様達に愛されて、世界に光を振りまく聖女として人々から崇められ、敬われる生活を送るの。
前世ではつまらない事務仕事を毎日続けて、たいした男にも出会えなかったからこの世界に転生できてよかった。
まぁこのゲームが学園ものだから勉強しなきゃいけないのが欠点ね。私もともと勉強好きじゃないし、何より面倒だったもの。
魔法の特訓だってやる気がなかった。ゲームではミニゲームとしてパラメーターを上げていくんだけど、私はそんなのよりも王子様達を攻略するのに忙しいんだからやってる暇なんてないの!
悪役令嬢からの嫌がらせも軽く流しつつ、私はそんな感じで順調に好感度を上げていったわ。
そして悪役令嬢断罪の日を迎えて、残るはラスボスを討伐するのみ。
全員の好感度を上げまくったからラスボスの魔王だって余裕でしょと思ってた私を待っていたのは…
「どうして…」
ラスボスの魔王が復活して、逆ハーレムルートを選んだから攻略対象たち全員と力を合わせて魔王を倒す。そのはずなのに私の目の前に広がっているのは、倒れ傷つき、動かなくなった攻略対象たちと、未だぴんぴんしている魔王がいた。
私は怖くて、その場に座り込んで魔王を見上げることしかできない。
どうしてこうなったの?ここは聖女として覚醒した私とみんなの愛の力で魔王を倒すっていうシナリオじゃないの?
魔王がゆっくりとこっちに来るのを見ていることしかできない私は、この瞬間に思い出した。
このゲームはレベル上げも必要だったということ。ミニゲームとして行ってきた勉強や魔法の特訓を得てレベルを上げて、聖女にふさわしい力を得る必要があったということ。そして聖女として覚醒した私の加護があって、はじめて攻略対象たちは魔王にも立ち向かえる力を得ることができるのだということ
だけどそれをこれまでやってこなかった今の私は簡単な…初級の回復魔法しか使えないし、聖女覚醒イベントが起こってないから彼らに力を与えられない。
あぁ、つまり、私は、詰んでしまったということ…
「………あ、あは、あははははははっ」
それを理解した途端、私の口から笑い声が出た。目からは涙がこぼれ、どちらも止まらない。
そうしている間にも魔王が来てるのに、逃げなきゃいけないのに体がその場から動こうとしない。
あぁ、どうしてちゃんと勉強してこなかったんだろう。しっかり魔法の腕を磨いてこなかったんだろう。
ちょっと体力が回復するだけの回復魔法しか使えない私にはもう抵抗する手段がない。
レベルをしっかり上げてたら今頃、光を放って攻撃できたのにそれができない。
何もできない。なぁんにも
「あははははははははっ!」
泣きながら笑う私が最後に見たのは、目の前まで迫ってきた魔王の拳だった。
*****
パターンその⑤
エンディングまでレベル上げ全然やってなくて詰んでしまって魔王にやられちゃったエンド
やっぱRPGものにおいてレベル上げは必須
だってイケメンの王子様達に愛されて、世界に光を振りまく聖女として人々から崇められ、敬われる生活を送るの。
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魔法の特訓だってやる気がなかった。ゲームではミニゲームとしてパラメーターを上げていくんだけど、私はそんなのよりも王子様達を攻略するのに忙しいんだからやってる暇なんてないの!
悪役令嬢からの嫌がらせも軽く流しつつ、私はそんな感じで順調に好感度を上げていったわ。
そして悪役令嬢断罪の日を迎えて、残るはラスボスを討伐するのみ。
全員の好感度を上げまくったからラスボスの魔王だって余裕でしょと思ってた私を待っていたのは…
「どうして…」
ラスボスの魔王が復活して、逆ハーレムルートを選んだから攻略対象たち全員と力を合わせて魔王を倒す。そのはずなのに私の目の前に広がっているのは、倒れ傷つき、動かなくなった攻略対象たちと、未だぴんぴんしている魔王がいた。
私は怖くて、その場に座り込んで魔王を見上げることしかできない。
どうしてこうなったの?ここは聖女として覚醒した私とみんなの愛の力で魔王を倒すっていうシナリオじゃないの?
魔王がゆっくりとこっちに来るのを見ていることしかできない私は、この瞬間に思い出した。
このゲームはレベル上げも必要だったということ。ミニゲームとして行ってきた勉強や魔法の特訓を得てレベルを上げて、聖女にふさわしい力を得る必要があったということ。そして聖女として覚醒した私の加護があって、はじめて攻略対象たちは魔王にも立ち向かえる力を得ることができるのだということ
だけどそれをこれまでやってこなかった今の私は簡単な…初級の回復魔法しか使えないし、聖女覚醒イベントが起こってないから彼らに力を与えられない。
あぁ、つまり、私は、詰んでしまったということ…
「………あ、あは、あははははははっ」
それを理解した途端、私の口から笑い声が出た。目からは涙がこぼれ、どちらも止まらない。
そうしている間にも魔王が来てるのに、逃げなきゃいけないのに体がその場から動こうとしない。
あぁ、どうしてちゃんと勉強してこなかったんだろう。しっかり魔法の腕を磨いてこなかったんだろう。
ちょっと体力が回復するだけの回復魔法しか使えない私にはもう抵抗する手段がない。
レベルをしっかり上げてたら今頃、光を放って攻撃できたのにそれができない。
何もできない。なぁんにも
「あははははははははっ!」
泣きながら笑う私が最後に見たのは、目の前まで迫ってきた魔王の拳だった。
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