3 / 53
002 婚礼行列
しおりを挟む
第八王子との婚姻の準備は、そこから急速に進んだ。というのも、もともと、第八王子は皇帝が言ったとおりで、婿入りが決まっていたと言うことで、手続きを進めているところだったらしい。しかも、国内の商家の未亡人の婿にということだ。未亡人の年齢は、八十七歳。相続権を持たない婚姻で、王家とのつながりだけを求めた商家が、金を積んで成立させたものということで、その倍額を違約金としてアーセールが負担した。
ピヒラヴァという商家だが、『死の商人』として有名な武器商だった。
まるで売られるような婚姻に、アーセールは心底腹が立って、手切れ金代わりにくれてやるというつもりだったが、そのあとで、少し、自分に嫌悪感が募った。
(金を積んで、第八王子を自分の好きなようにしようとしているのは、俺も一緒じゃないのか……?)
第八王子とは、あの謁見の間でのやりとりの後、何度か会っている。けれど、彼は、アーセールに対して一言も発しなかった。第八王子が賜っているのは、王宮の一角にある小さな建屋の一角で、手入れも行き届いていなければ、調度品も揃っていない。衣装は多少あるようだったが、アーセールが訪ねていったときは謁見の間での衣装と同じものだったので、おそらくは一張羅だった。
普段使いの衣装をいくつか最速で作らせて、届け、身の回り品についても、用意した。持参品があるということを皇帝は言ったが、おそらく、大したものは持たせないだろう。
ともあれ、なんとか第八王子を迎える支度だけは調えることが出来、アーセールは自邸に彼を迎えることとなった。
輿入れ、というのも妙な話だが、王宮からは立派な輿が仕立てられることになった。
「第八王子殿下がただいまより御出立なされます。アーセール卿におれましては、お迎えの御支度を」
輿の前に、先触れの勅使が仕立てられた時には、さすがに、やり過ぎではないかと思ったアーセールではあったが、王族を伴侶として迎えるのだから、当然の格式で送り出されただけだろう。
恭しく跪いてアーセールはそれを受ける。
この婚儀に先立って、アーセールは将軍職を辞した。今は領地も持たない身分であり、爵位などは実家の父親が健在であるため、身分上、なにもない。ただ、特別な勲章があり、身分だけは貴族であるので、卿、とだけ呼ばれる。
第二王女の件で、上司である元帥閣下には多大なる迷惑を掛けたため、もはや、職を辞すほか道はなかった。
周囲には「新婚ですので、ゆっくりと伴侶と過ごしたい」とだけ言って呆れさせたが、その方が、第二王女の名誉の為には良かっただろう。
「……第八王子殿下の花嫁行列は、騎馬隊と騎士、それに従者を伴ったもので総勢、三百人の行列だそうですよ」
勅使がぽつり、と呟くのを聞いたアーセールは「三百人!?」と聞き返していた。
「そのような、華々しい行列で……」
「現在は、ルスティア国の王妃であられる第一王女殿下がルスティア国に嫁される際と匹敵致します。それほどの格式であります」
国同士の婚姻と同程度の格式、と言う言葉に、アーセールは冷や汗が出る。結婚の披露は、後ほど行うことにして良かった。花嫁行列に相応な宴を催さなければ、第八王子の名誉に関わることだ。
「……これは皇帝陛下の思し召しでしょうか」
「さあ、わたくしには、解りかねます」
どこに、どのような思惑が潜んでいるのか、まったく見当が付かない。第八王子とは、あれから一度も言葉を交わしていない。それで、上手く、これからやっていくことが出来るのだろうか。そういう不安もある。
「……ただ、これはわたくしの、身勝手な言葉になりますが」と勅使はアーセールを見ようともせずに続けた。「あの方は、ご兄弟のどなたにも疎まれまして、後ろ盾らしい後ろ盾もおられませんでしたので、王宮では辛い思いもなさったことでしょう。ですから、どうぞ、あの方を、大切にしてくださいませ」
「あなたは、あの方のことを、良く知っているのですか?」
「……じつは、失敗したのを何度か庇って頂きました。私の他にも、様々なものたちが、あの方のご恩を受けております。ものを壊してしまっただとか、花を枯らしてしまっただとか、そういうことで我々は、たやすく手首を切り落とされます。それを、あの方は庇ってくださいました。お優しい方ですので、どうぞ」
そう言ってから、勅使は、「差し出がましいことを申し上げました」と、非礼を詫びた。
「いや、教えてくださってありがとう。私も、あの方に、心を救われた身なので、あの方を、大切にします。この世の何よりも」
「その言葉をうかがうことが出来まして、安堵致しました」
世の中には、鞭で打ったり、虐げるために『伴侶』を求めることもございますので、と言う言葉を聞いて、ぞっとすると共に、少々、引っかかった。
(つまり、戦好きな私は……そういう蛮行を好む、異常者と思うものもいると言うことか)
第八王子も、そう思っているのだろうか。
それならば、一度も口を開いてくれなかったのも、納得がいくような気がした。
ピヒラヴァという商家だが、『死の商人』として有名な武器商だった。
まるで売られるような婚姻に、アーセールは心底腹が立って、手切れ金代わりにくれてやるというつもりだったが、そのあとで、少し、自分に嫌悪感が募った。
(金を積んで、第八王子を自分の好きなようにしようとしているのは、俺も一緒じゃないのか……?)
第八王子とは、あの謁見の間でのやりとりの後、何度か会っている。けれど、彼は、アーセールに対して一言も発しなかった。第八王子が賜っているのは、王宮の一角にある小さな建屋の一角で、手入れも行き届いていなければ、調度品も揃っていない。衣装は多少あるようだったが、アーセールが訪ねていったときは謁見の間での衣装と同じものだったので、おそらくは一張羅だった。
普段使いの衣装をいくつか最速で作らせて、届け、身の回り品についても、用意した。持参品があるということを皇帝は言ったが、おそらく、大したものは持たせないだろう。
ともあれ、なんとか第八王子を迎える支度だけは調えることが出来、アーセールは自邸に彼を迎えることとなった。
輿入れ、というのも妙な話だが、王宮からは立派な輿が仕立てられることになった。
「第八王子殿下がただいまより御出立なされます。アーセール卿におれましては、お迎えの御支度を」
輿の前に、先触れの勅使が仕立てられた時には、さすがに、やり過ぎではないかと思ったアーセールではあったが、王族を伴侶として迎えるのだから、当然の格式で送り出されただけだろう。
恭しく跪いてアーセールはそれを受ける。
この婚儀に先立って、アーセールは将軍職を辞した。今は領地も持たない身分であり、爵位などは実家の父親が健在であるため、身分上、なにもない。ただ、特別な勲章があり、身分だけは貴族であるので、卿、とだけ呼ばれる。
第二王女の件で、上司である元帥閣下には多大なる迷惑を掛けたため、もはや、職を辞すほか道はなかった。
周囲には「新婚ですので、ゆっくりと伴侶と過ごしたい」とだけ言って呆れさせたが、その方が、第二王女の名誉の為には良かっただろう。
「……第八王子殿下の花嫁行列は、騎馬隊と騎士、それに従者を伴ったもので総勢、三百人の行列だそうですよ」
勅使がぽつり、と呟くのを聞いたアーセールは「三百人!?」と聞き返していた。
「そのような、華々しい行列で……」
「現在は、ルスティア国の王妃であられる第一王女殿下がルスティア国に嫁される際と匹敵致します。それほどの格式であります」
国同士の婚姻と同程度の格式、と言う言葉に、アーセールは冷や汗が出る。結婚の披露は、後ほど行うことにして良かった。花嫁行列に相応な宴を催さなければ、第八王子の名誉に関わることだ。
「……これは皇帝陛下の思し召しでしょうか」
「さあ、わたくしには、解りかねます」
どこに、どのような思惑が潜んでいるのか、まったく見当が付かない。第八王子とは、あれから一度も言葉を交わしていない。それで、上手く、これからやっていくことが出来るのだろうか。そういう不安もある。
「……ただ、これはわたくしの、身勝手な言葉になりますが」と勅使はアーセールを見ようともせずに続けた。「あの方は、ご兄弟のどなたにも疎まれまして、後ろ盾らしい後ろ盾もおられませんでしたので、王宮では辛い思いもなさったことでしょう。ですから、どうぞ、あの方を、大切にしてくださいませ」
「あなたは、あの方のことを、良く知っているのですか?」
「……じつは、失敗したのを何度か庇って頂きました。私の他にも、様々なものたちが、あの方のご恩を受けております。ものを壊してしまっただとか、花を枯らしてしまっただとか、そういうことで我々は、たやすく手首を切り落とされます。それを、あの方は庇ってくださいました。お優しい方ですので、どうぞ」
そう言ってから、勅使は、「差し出がましいことを申し上げました」と、非礼を詫びた。
「いや、教えてくださってありがとう。私も、あの方に、心を救われた身なので、あの方を、大切にします。この世の何よりも」
「その言葉をうかがうことが出来まして、安堵致しました」
世の中には、鞭で打ったり、虐げるために『伴侶』を求めることもございますので、と言う言葉を聞いて、ぞっとすると共に、少々、引っかかった。
(つまり、戦好きな私は……そういう蛮行を好む、異常者と思うものもいると言うことか)
第八王子も、そう思っているのだろうか。
それならば、一度も口を開いてくれなかったのも、納得がいくような気がした。
100
お気に入りに追加
185
あなたにおすすめの小説
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。
死に戻り騎士は、今こそ駆け落ち王子を護ります!
時雨
BL
「駆け落ちの供をしてほしい」
すべては真面目な王子エリアスの、この一言から始まった。
王子に”国を捨てても一緒になりたい人がいる”と打ち明けられた、護衛騎士ランベルト。
発表されたばかりの公爵家令嬢との婚約はなんだったのか!?混乱する騎士の気持ちなど関係ない。
国境へ向かう二人を追う影……騎士ランベルトは追手の剣に倒れた。
後悔と共に途切れた騎士の意識は、死亡した時から三年も前の騎士団の寮で目覚める。
――二人に追手を放った犯人は、一体誰だったのか?
容疑者が浮かんでは消える。そもそも犯人が三年先まで何もしてこない保証はない。
怪しいのは、王位を争う第一王子?裏切られた公爵令嬢?…正体不明の駆け落ち相手?
今度こそ王子エリアスを護るため、過去の記憶よりも積極的に王子に関わるランベルト。
急に距離を縮める騎士を、はじめは警戒するエリアス。ランベルトの昔と変わらぬ態度に、徐々にその警戒も解けていって…?
過去にない行動で変わっていく事象。動き出す影。
ランベルトは今度こそエリアスを護りきれるのか!?
負けず嫌いで頑固で堅実、第二王子(年下) × 面倒見の良い、気の長い一途騎士(年上)のお話です。
-------------------------------------------------------------------
主人公は頑な、王子も頑固なので、ゆるい気持ちで見守っていただけると幸いです。
貧乏大学生がエリート商社マンに叶わぬ恋をしていたら、玉砕どころか溺愛された話
タタミ
BL
貧乏苦学生の巡は、同じシェアハウスに住むエリート商社マンの千明に片想いをしている。
叶わぬ恋だと思っていたが、千明にデートに誘われたことで、関係性が一変して……?
エリート商社マンに溺愛される初心な大学生の物語。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる