6 / 34
オリビエとハスラム 6
しおりを挟む
「きれいなお姉さんだね」
二人は、どちらが正義かを見分けることにした。
一人対複数。
一人の旅人の方が正義だと思うが、そうでないことも多々ある。
「いい加減にしてくれない!」
ついに旅人が切れたように声を荒げた。
「あんたにあげるものなんて何もないわ!」
「そうか。オレはオマエが持っている石が欲しいだけなんだが」
大勢の中の一人が低い声で答えた。
「あれはあんたにじゃあなくて、別のところに返しに行くんだから」
フンと言い放つ。
「それに! うっとおしい」
旅人、オリビエがいうきれいなお姉さんは、襲いかかってきた男を蹴り、術を放った。
「焦げてる」
一瞬だった。
囲んでいた者たち全てを感電させ倒していた。
「すごいね!」
おもわず拍手をしてしまうオリビエだった。
「そこの二人も私の敵なの?」
無防備過ぎる野次馬二人組を睨む。
「オレたちは、敵ではない。近くを歩いていたら乱闘になりそうだったから、どうするか観察していた」
旅人の元へ飛び出して行きそうなオリビエの腕を掴みハスラムが応じた。
「へぇー、いい男」
口笛付きで。
「オレたち敵じゃあないよ。加勢するか迷ってただけ」
腕をガシッと握られたオリビエは放せとハスラムの手を叩いていた。
「お姉さん強いね」
やっと放してくれたので、その場で言う。
警戒しているのか、旅人からの殺気がすごい。
「あんた精霊の加護受けてるね」
オリビエを上から下へと見ていた。
「何それ?」
「精霊の加護を受けている者には悪人はいないから」
笑顔に変わっていた。
「どういうこと?」
殺気が消えたと分かるやオリビエは近付いて行った。
「そういうこと」
オリビエを手で制して短く答え、足元を見る。
「早く移動したいから、じゃあね」
旅人は二人から逃げるように駆けて行った。
「オレたちもマズいから動くぞ」
ハスラムも目で旅人と同じものを追う。
襲撃者たちは、気絶させているだけだった。
気が付くとややこしい。
「分かった」
二人も本来の目的地へと向かう。
偶然かどうかは分からないが旅人と同じ方向へ。
「会えるかなぁ」
「さあな。オマエのやっかい事を早く片付けたかったら、いらないことに関わるなよ」
太陽はもうすぐ沈むという時間になっていた。
どう考えても向かう場所は同じだろう。
ハスラムは注意する。
二人は、どちらが正義かを見分けることにした。
一人対複数。
一人の旅人の方が正義だと思うが、そうでないことも多々ある。
「いい加減にしてくれない!」
ついに旅人が切れたように声を荒げた。
「あんたにあげるものなんて何もないわ!」
「そうか。オレはオマエが持っている石が欲しいだけなんだが」
大勢の中の一人が低い声で答えた。
「あれはあんたにじゃあなくて、別のところに返しに行くんだから」
フンと言い放つ。
「それに! うっとおしい」
旅人、オリビエがいうきれいなお姉さんは、襲いかかってきた男を蹴り、術を放った。
「焦げてる」
一瞬だった。
囲んでいた者たち全てを感電させ倒していた。
「すごいね!」
おもわず拍手をしてしまうオリビエだった。
「そこの二人も私の敵なの?」
無防備過ぎる野次馬二人組を睨む。
「オレたちは、敵ではない。近くを歩いていたら乱闘になりそうだったから、どうするか観察していた」
旅人の元へ飛び出して行きそうなオリビエの腕を掴みハスラムが応じた。
「へぇー、いい男」
口笛付きで。
「オレたち敵じゃあないよ。加勢するか迷ってただけ」
腕をガシッと握られたオリビエは放せとハスラムの手を叩いていた。
「お姉さん強いね」
やっと放してくれたので、その場で言う。
警戒しているのか、旅人からの殺気がすごい。
「あんた精霊の加護受けてるね」
オリビエを上から下へと見ていた。
「何それ?」
「精霊の加護を受けている者には悪人はいないから」
笑顔に変わっていた。
「どういうこと?」
殺気が消えたと分かるやオリビエは近付いて行った。
「そういうこと」
オリビエを手で制して短く答え、足元を見る。
「早く移動したいから、じゃあね」
旅人は二人から逃げるように駆けて行った。
「オレたちもマズいから動くぞ」
ハスラムも目で旅人と同じものを追う。
襲撃者たちは、気絶させているだけだった。
気が付くとややこしい。
「分かった」
二人も本来の目的地へと向かう。
偶然かどうかは分からないが旅人と同じ方向へ。
「会えるかなぁ」
「さあな。オマエのやっかい事を早く片付けたかったら、いらないことに関わるなよ」
太陽はもうすぐ沈むという時間になっていた。
どう考えても向かう場所は同じだろう。
ハスラムは注意する。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――
敬二 盤
ファンタジー
※なろう版との同時連載をしております
※表紙の実穂はpicrewのはなまめ様作ユル女子メーカーで作成した物です
最近投稿ペース死んだけど3日に一度は投稿したい!
第三章 完!!
クラスの中のボス的な存在の市町の娘とその取り巻き数人にいじめられ続けた高校生「進和実穂」。
ある日異世界に召喚されてしまった。
そして召喚された城を追い出されるは指名手配されるはでとっても大変!
でも突如であった仲間達と一緒に居れば怖くない!?
チートな仲間達との愉快な冒険が今始まる!…寄り道しすぎだけどね。
我儘女に転生したよ
B.Branch
ファンタジー
転生したら、貴族の第二夫人で息子ありでした。
性格は我儘で癇癪持ちのヒステリック女。
夫との関係は冷え切り、みんなに敬遠される存在です。
でも、息子は超可愛いです。
魔法も使えるみたいなので、息子と一緒に楽しく暮らします。

とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる