魔導姫戦記

森乃守人

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本編 第四部

ep.47 確信

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1人南方大陸に向かっていたペコルを襲おうとした国籍不明兵アサシン達は、駆けつけたアッシュにより一掃された。

ペコル「アッシュ君、ホントにアッシュ君だよね?
兄様に殺されたって聞いてたけど…」
アッシュ「ゼルにだって⁉︎
俺を消そうとしたのはパズズだぜ?」
ペコル「それじゃやっぱり、兄様の言った通り…」
アッシュ「どういう事だ?」
ペコル「実はね…」










一方その頃…

ゼル達が潜入した地下建造物内部、ガラス管が無数に並んだフロア。
それらはことごとく割られて破片が散乱し、床は水浸しになっている。

イリア「なんだ?これ…
アリハマの奴、ここで一体なにを…?」
リリィ「……」
アイシス「……」
イリア「…なぁ、みんな何か知ってんのか?
知ってるなら教えてくれよ!」
ゼル「…確証はない。
だからこそ確かめに行くのだ。」
イリア「だから何を…!」

問答していると、割れたガラス管の中から女が這い出して来た。
既に異形化奇病メタモルフ発症寸前のゾンビ状態だったが、何よりもその容姿がイリアを驚かせた。
「な…何だよ、コイツ…アタイそっくりじゃないか…!」
ゼル「やはり…そうなのか…?」
イリア「やっぱりって兄貴…一体どうなってんだ…⁉︎」
「来るわよ!」
リリィが叫んだ次の瞬間、イリアに似た者ベリアルは襲いかかって来た。
応戦していると、それはやがて異形化奇病メタモルフ化し、上半身が分裂してそれぞれに翼が生えた姿となる。










地上には、ルーシェが召喚した巨鳥ジズに乗ってラグナ達が到着した。

ベーオウルフ「今日は客人が多いな。」
「お初に御目にかかります。
僕は、アースガルド議長オーディンが長子・ラグナ=ヴァルホルです。」
「私はドゥエルグヘイム議長ベーオウルフ。
そちらは…お聞きしない方がよろしいかな?」
ルーシェ「……
お気遣いに感謝いたします…と言っておきますわ。」
ベーオウルフ「仔細はシグルズ卿から聞き及んでいる。
我々は、ここから続々と湧き出す異形化奇病メタモルフが大陸全土に拡まらぬよう、これを駆逐せねばならん。
中には既にお仲間が先行しているが、心して行かれよ。」
「ありがとうございます。」
一行はベーオウルフに一礼し、砂礫の大地に開いた穴に潜入する。



地下建造物内部、割られたガラス管の並ぶフロアの奥に辿り着くと、ゼル達がイリアに似た者ベリアルを葬り去った直後だった。
「…⁉︎
ラグナ=ヴァルホル…貴様、何故…
何故ここに姫様を連れて来た⁉︎
今すぐ姫様を連れて引き返せ!」
ゼルはそう言うとラグナに剣を向けた。

ルーシェ「何をしているのです⁉︎
この者達にはわたくしが声をかけたのです。
剣を収めなさい、ゼル!」
ゼル「…ご命令であっても、姫様をこの先に行かせる訳には参りません、お戻りください!
さもなくば…この男を殺します…!」
ルーシェ「ゼル、貴方は…
このわたくしに逆らってまで…!」
ミシェル「ラグナ君…!」
「……
ミシェルさん、聖獣は呼ばないでください。」
ラグナはそう言って槍を構える。

ゼル「いい度胸だ。
お前達も手出しは無用…!」
イリア「…兄貴…!」
アイシス「……」
リリィ「言われなくたってしないわよ。」

かくしてラグナとゼルの一騎討ちが始まった。





続く…
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