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外典 ドラゴンハンター 第三部
ep.17 地下建造物
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翼竜の姿となってパズズを追うメリュジーヌに、シェイミーが問い掛ける。
「距離を置いて飛んでるのは、もしかして…」
メリュジーヌ「うむ。
彼奴の行く先が例の地下建造物ならば、このまま気付かれずに尾行できれば、入る瞬間を狙えると思ってな。
多少危険を伴うが…汝、降りるか?」
シェイミー「愚問ね、もちろん行くわ。」
メリュジーヌ「ククク…無謀なのは汝も彼奴も変わらぬな。」
シェイミー「…やめてよ、いやね。」
やがて大陸南部の砂漠上空でパズズが停止すると、その下に、砂の大地を割って地下建造物の入口が開いた。
「しっかり掴まっておれ。」
パズズが入ろうとした瞬間を狙って翼竜は急加速する。
「何ッ⁉︎
尾行られただと⁉︎」
パズズと同時に、地下建造物の入口に飛び込んだメリュジーヌとシェイミー。
「クソがぁ、ふざけやがって…!」
パズズは2人に襲い掛かってきたが、メリュジーヌは大海亀の防壁魔法で、物理攻撃も魔法も尽く弾き返し、シェイミーが弓で反撃する。
「クッソ!
このままじゃ分が悪い…!」
追い詰められたパズズは逃走するが…
「…とは言え、侵入者をそのままにしておく訳にもいかねぇ…
異形化奇病でも意図的異形でもねぇアイツは…ドラゴンっつったか?
あのバケモノに勝ち目のある奴…か…
…コイツなら、あるいは…」
一方その頃…
「…人工魔石に意図的異形、そしてドラゴンか…
この目で見てなお信じ難い話だ…」
ゲオルギウス「それはそうとシグルズ卿、貴方の故国が大変な事になっていた様ですね。」
シグルズ「それも発端は今回と同じ、アリハマ博士の仕業だ。
奴が掘り起こした古代アグエル文明だかの兵器で、誰が何処を撃っただの何だの…」
マルガリータ「グレゴリウス帝国の介入で、事態は収束した様ですが…」
ベーオウルフ「世界共通の敵と目される帝国が、4ヶ国を巻き込んだ大戦を止めた、か…皮肉な話だ。」
シグルズ「奴らも、戦後の体制の被害者なんだよ。」
ベーオウルフ「では、その戦犯を捕らえに参るとしようか。」
「その前に議長、予備の剣をお渡ししておきます。」
ゲオルギウスはベーオウルフに大剣を手渡す。
「…ネイリングか。
予備と言うには贅沢な、何れ劣らぬ業物…流石はゲオルギウス、周到だな。」
ゲオルギウス「恐れ入ります。」
北方大陸から始まった一連の経緯を話したシグルズは、ベーオウルフ・ゲオルギウス・マルガリータと共に砂漠の地下建造物を目指して馬で南下する。
件の地下建造物内部を一足先に探索するメリュジーヌとシェイミー。
そこには液体で満たされたガラスの筒が無数に並び、その中には人間が閉じ込められていた。
メリュジーヌ「何だ?これは…」
シェイミー「……」
そこへ再びパズズが、1人の男を連れて姿を現す。
「来い、こっちだ。」
シェイミー「…‼︎」
メリュジーヌ「…⁉︎
汝は…何故ここに…なぜ其奴と共に居る?」
パズズ「…何だ、シェイミー先生、お仲間に話してなかったのか?
つれねぇなぁ…自慢していい偉業だと思うぜぇ⁉︎ゲハハ…」
シェイミー「…黙りなさい…!」
メリュジーヌ「どういう事じゃ?
汝…何を知っておる?
彼奴が何故、あの男と共に居るのじゃ?
帝国魔導師のゼルと…!」
続く…
「距離を置いて飛んでるのは、もしかして…」
メリュジーヌ「うむ。
彼奴の行く先が例の地下建造物ならば、このまま気付かれずに尾行できれば、入る瞬間を狙えると思ってな。
多少危険を伴うが…汝、降りるか?」
シェイミー「愚問ね、もちろん行くわ。」
メリュジーヌ「ククク…無謀なのは汝も彼奴も変わらぬな。」
シェイミー「…やめてよ、いやね。」
やがて大陸南部の砂漠上空でパズズが停止すると、その下に、砂の大地を割って地下建造物の入口が開いた。
「しっかり掴まっておれ。」
パズズが入ろうとした瞬間を狙って翼竜は急加速する。
「何ッ⁉︎
尾行られただと⁉︎」
パズズと同時に、地下建造物の入口に飛び込んだメリュジーヌとシェイミー。
「クソがぁ、ふざけやがって…!」
パズズは2人に襲い掛かってきたが、メリュジーヌは大海亀の防壁魔法で、物理攻撃も魔法も尽く弾き返し、シェイミーが弓で反撃する。
「クッソ!
このままじゃ分が悪い…!」
追い詰められたパズズは逃走するが…
「…とは言え、侵入者をそのままにしておく訳にもいかねぇ…
異形化奇病でも意図的異形でもねぇアイツは…ドラゴンっつったか?
あのバケモノに勝ち目のある奴…か…
…コイツなら、あるいは…」
一方その頃…
「…人工魔石に意図的異形、そしてドラゴンか…
この目で見てなお信じ難い話だ…」
ゲオルギウス「それはそうとシグルズ卿、貴方の故国が大変な事になっていた様ですね。」
シグルズ「それも発端は今回と同じ、アリハマ博士の仕業だ。
奴が掘り起こした古代アグエル文明だかの兵器で、誰が何処を撃っただの何だの…」
マルガリータ「グレゴリウス帝国の介入で、事態は収束した様ですが…」
ベーオウルフ「世界共通の敵と目される帝国が、4ヶ国を巻き込んだ大戦を止めた、か…皮肉な話だ。」
シグルズ「奴らも、戦後の体制の被害者なんだよ。」
ベーオウルフ「では、その戦犯を捕らえに参るとしようか。」
「その前に議長、予備の剣をお渡ししておきます。」
ゲオルギウスはベーオウルフに大剣を手渡す。
「…ネイリングか。
予備と言うには贅沢な、何れ劣らぬ業物…流石はゲオルギウス、周到だな。」
ゲオルギウス「恐れ入ります。」
北方大陸から始まった一連の経緯を話したシグルズは、ベーオウルフ・ゲオルギウス・マルガリータと共に砂漠の地下建造物を目指して馬で南下する。
件の地下建造物内部を一足先に探索するメリュジーヌとシェイミー。
そこには液体で満たされたガラスの筒が無数に並び、その中には人間が閉じ込められていた。
メリュジーヌ「何だ?これは…」
シェイミー「……」
そこへ再びパズズが、1人の男を連れて姿を現す。
「来い、こっちだ。」
シェイミー「…‼︎」
メリュジーヌ「…⁉︎
汝は…何故ここに…なぜ其奴と共に居る?」
パズズ「…何だ、シェイミー先生、お仲間に話してなかったのか?
つれねぇなぁ…自慢していい偉業だと思うぜぇ⁉︎ゲハハ…」
シェイミー「…黙りなさい…!」
メリュジーヌ「どういう事じゃ?
汝…何を知っておる?
彼奴が何故、あの男と共に居るのじゃ?
帝国魔導師のゼルと…!」
続く…
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