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本編 第一部
ep.14 ラグナを救え
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グレゴリウス領・旧ヒノモト…
リリィ「なぁに、あんた達、しくじっちゃってんのぉ?
アハハハハ!」
アッシュ「そりゃないわ~…
俺らが陽動してやったお陰で、そっちも上手く行ったんだ。
ほっぺにチューしてくれても良い位だぜ。」
リリィ「馬鹿、変態、死ねッ!」
アッシュ「……
…アイシスちゃんは?
ほっぺにチュー…」
アイシスは優しい笑顔で、手に持った鞭を床に叩きつけた。
鋭い音が辺りに響く。
アッシュ「…冗談です、すんません…」
そこへ、ザハークが現れた。
「お前達、何を勝手に出撃している?」
リリィ「やば…」
ゼル「…申し訳ありません。
私が独断で命じました。
全ての責任は私にあります。」
アッシュ「…あっ、でも、魔法石も奪って来たんスよ。
ほら、リリィちゃん、出して出して!」
リリィが魔法石を差し出す。
「…ふむ、まぁ、よかろう…」
ザハークは魔法石を手にし、立ち去った。
「ちょっとゼル!
『私が命じました』って、アンタいつからウチらの上官になったのよ⁉︎
こんなんで貸し作ったなんて思わないでよね⁉︎」
そう言ってリリィが立ち去る。
アイシスは無言で礼をし、リリィの後を追った。
ウロボロス団アジト…
「…ラグナ君‼︎
…そんな…!」
石になったラグナを見て、ミシェルはその場に崩れ落ちた。
リン「…ごめん…ミシェルちゃん…」
シャールヴィ「……」
シグルズ「…何てこった…!」
ラン「賢者様、元に戻す方法はないの?」
メリュジーヌ「我が眷族、アスクレピオンの力ならば、治せるやもしれぬ…
だが、何処に眠っておるか定かではない…」
シャールヴィ「魔法石ならヨトゥンヘイムにも…!」
シグルズ「例の塔か…
ソールのおやっさんなら協力してくれるかもな。」
メリュジーヌ「シャールヴィの祖父だったな。
では我とシグルズはそちらに…
ランには他にないか、情報収集をしてもらいたい。」
ラン「わかったわ。」
メリュジーヌ「リンとシャールヴィはミシェルの護衛を頼む。」
シャールヴィ「…おう。」
リン「…わかった。」
かくして、各々が各々の役割を果たすべく動き出すが…
シャールヴィ「…護衛っても結局、留守番って事だよな。」
リン「仕方ないよ。
ウチら、ヘマしたんだもん…」
ミシェル「…ねぇ、リンちゃん、シャールヴィ君。」
リン「ほぇ?」
ミシェル「メリュジーヌさんは、"聖獣は竜を模倣して造られた"って言ってたよね…?
それなら、ラグナ君を治す力を持った聖獣も、居るんじゃないかしら…?」
シャールヴィ「…確かに…!」
ミシェル「…お願い、カーバンクル。
そんなお友達、居たら教えて?」
すると、カーバンクルは目を閉じ、淡い光を放った。
しばらくすると光は消え、今度は外への扉とミシェルの側を、繰り返し行ったり来たりしだす。
「…教えてくれるの?カーバンクル。
(リンとシャールヴィを見て)
ねぇ、行っても良いかしら?」
ミシェルがそう言うと、2人は顔を見合わせ、笑顔で答えた。
シャールヴィ「うん!」
リン「行こう!」
ミシェル「…ありがとう…!」
再びグレゴリウス領・旧ヒノモト…
「…魔法石を手に入れた、か…
余計な真似をしおって、愚か者め…
私にとっては、右手で持っていた物を左手に持ち替えたに過ぎん。」
ザハークは1人呟き、玉座の間に赴く。
玉座の間…
ルーシェ「どうしたと言うのです?ケットシー。」
ルーシェに付き従う聖獣ケットシーが、落ち着き無く動き回っていた。
まるで、遥か遠く、カーバンクルに連動するかの如く…
ザハーク「…何か…もしや、聖獣や聖剣の気配を感じているのでは?」
ルーシェ「他にも聖獣や聖剣が存在しますの?」
ザハーク「古い文献によれば、王家で使用されていた聖獣や聖剣は、王族の始祖たるアグエルが造りし物の内、ごく一部に過ぎません。
世界には、永きに渡り眠るアグエルの遺産が、まだ存在すると思われます。
それを、何らかのきっかけで感じ取ったのかも知れません。」
ルーシェ「…ならばケットシー、私をそこへ案内なさい。
禁忌の力で我らに抗おうとする輩が居るのならば、更なる力を手にして、これを凌駕せねばなりません。」
続く…
リリィ「なぁに、あんた達、しくじっちゃってんのぉ?
アハハハハ!」
アッシュ「そりゃないわ~…
俺らが陽動してやったお陰で、そっちも上手く行ったんだ。
ほっぺにチューしてくれても良い位だぜ。」
リリィ「馬鹿、変態、死ねッ!」
アッシュ「……
…アイシスちゃんは?
ほっぺにチュー…」
アイシスは優しい笑顔で、手に持った鞭を床に叩きつけた。
鋭い音が辺りに響く。
アッシュ「…冗談です、すんません…」
そこへ、ザハークが現れた。
「お前達、何を勝手に出撃している?」
リリィ「やば…」
ゼル「…申し訳ありません。
私が独断で命じました。
全ての責任は私にあります。」
アッシュ「…あっ、でも、魔法石も奪って来たんスよ。
ほら、リリィちゃん、出して出して!」
リリィが魔法石を差し出す。
「…ふむ、まぁ、よかろう…」
ザハークは魔法石を手にし、立ち去った。
「ちょっとゼル!
『私が命じました』って、アンタいつからウチらの上官になったのよ⁉︎
こんなんで貸し作ったなんて思わないでよね⁉︎」
そう言ってリリィが立ち去る。
アイシスは無言で礼をし、リリィの後を追った。
ウロボロス団アジト…
「…ラグナ君‼︎
…そんな…!」
石になったラグナを見て、ミシェルはその場に崩れ落ちた。
リン「…ごめん…ミシェルちゃん…」
シャールヴィ「……」
シグルズ「…何てこった…!」
ラン「賢者様、元に戻す方法はないの?」
メリュジーヌ「我が眷族、アスクレピオンの力ならば、治せるやもしれぬ…
だが、何処に眠っておるか定かではない…」
シャールヴィ「魔法石ならヨトゥンヘイムにも…!」
シグルズ「例の塔か…
ソールのおやっさんなら協力してくれるかもな。」
メリュジーヌ「シャールヴィの祖父だったな。
では我とシグルズはそちらに…
ランには他にないか、情報収集をしてもらいたい。」
ラン「わかったわ。」
メリュジーヌ「リンとシャールヴィはミシェルの護衛を頼む。」
シャールヴィ「…おう。」
リン「…わかった。」
かくして、各々が各々の役割を果たすべく動き出すが…
シャールヴィ「…護衛っても結局、留守番って事だよな。」
リン「仕方ないよ。
ウチら、ヘマしたんだもん…」
ミシェル「…ねぇ、リンちゃん、シャールヴィ君。」
リン「ほぇ?」
ミシェル「メリュジーヌさんは、"聖獣は竜を模倣して造られた"って言ってたよね…?
それなら、ラグナ君を治す力を持った聖獣も、居るんじゃないかしら…?」
シャールヴィ「…確かに…!」
ミシェル「…お願い、カーバンクル。
そんなお友達、居たら教えて?」
すると、カーバンクルは目を閉じ、淡い光を放った。
しばらくすると光は消え、今度は外への扉とミシェルの側を、繰り返し行ったり来たりしだす。
「…教えてくれるの?カーバンクル。
(リンとシャールヴィを見て)
ねぇ、行っても良いかしら?」
ミシェルがそう言うと、2人は顔を見合わせ、笑顔で答えた。
シャールヴィ「うん!」
リン「行こう!」
ミシェル「…ありがとう…!」
再びグレゴリウス領・旧ヒノモト…
「…魔法石を手に入れた、か…
余計な真似をしおって、愚か者め…
私にとっては、右手で持っていた物を左手に持ち替えたに過ぎん。」
ザハークは1人呟き、玉座の間に赴く。
玉座の間…
ルーシェ「どうしたと言うのです?ケットシー。」
ルーシェに付き従う聖獣ケットシーが、落ち着き無く動き回っていた。
まるで、遥か遠く、カーバンクルに連動するかの如く…
ザハーク「…何か…もしや、聖獣や聖剣の気配を感じているのでは?」
ルーシェ「他にも聖獣や聖剣が存在しますの?」
ザハーク「古い文献によれば、王家で使用されていた聖獣や聖剣は、王族の始祖たるアグエルが造りし物の内、ごく一部に過ぎません。
世界には、永きに渡り眠るアグエルの遺産が、まだ存在すると思われます。
それを、何らかのきっかけで感じ取ったのかも知れません。」
ルーシェ「…ならばケットシー、私をそこへ案内なさい。
禁忌の力で我らに抗おうとする輩が居るのならば、更なる力を手にして、これを凌駕せねばなりません。」
続く…
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