性風俗の女

雪之都鳥

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「はー」

「なんだナツ、ため息ついて」

コワモテさんが私を見下ろした。

「美味しかったなって」

「美味しかったなって顔してないじゃないか」

「美味しかったよ」

 ただで食べれるなんてありがたい話しだ、と私はカバンを叩く。

「ナツちゃんは可愛いからなぁ」

 シルバー兄さんが私の肩を抱いた。少し、我慢しなくては。

 夜空を見上げる。シルバー兄さんの男物の香水の匂いと星。まだ恋愛もできていない。そんな中でガールズバーに来た客とこんなことしてる。私の人生大丈夫かな。

「おお、セクハラか?」

 地味おじさんがシルバー兄さんから私を離す。私は心の中で安堵の思いになった。

「そんなバカな、35歳のおじさんが20歳の若娘に手を出すなんて」

 シルバー兄さんが少しバツの悪そうな顔をする。

「どうする、ナツ。居酒屋でも行くか」

 お酒か、悪いけどこれ以上飲んだら潰れちゃうわ。私はそう思って断った。

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