星、満ちる

雪之都鳥

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第一章

第九話

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 とある日、ミチルはアシュガに尋ねた。

「アシュガ、まだ私は小説を書けないの?」

 アシュガは戸惑いつつもやはり言った。

「ああ、もう少しで謎が掴めそうだからしばらくの辛抱だ」

 だが何日も経っても調査の結果は掴めなかった。

 深夜一時を回る頃、ミチルは眠れずに窓辺を見ていた。

「迎えに来て、くれないかな」

  そして誰かの名前を呼んだ。彼女の目尻から一滴の涙がこぼれた。一滴どころじゃない、次から次へと涙がこぼれた。

「ミチル、どうしたのそんなに泣いて」
 
 見るのを耐え切れずに、アスターがしっぽでその涙を拭う。

「会いたい、あの人に会いたい」
  
 ミチルの涙は絶えることを知らなかった。アスターはそれ以上ミチルの顔が見れず、窓辺を見て泣いた。

 コンコン、と窓を叩く音が聞こえた。ミチルはまさかと思う。窓辺を見ると黒髪の男が舟に乗ってそちらを見ている。

 ミチルは起き上がって窓の鍵を開ける。腕が伸びてミチルを舟の上に乗せた。小舟は宙を浮いている。宙船だ。

「お迎えにあがりました。お姫様」

 ミチルを抱き寄せて、さっさとオールを漕ぐ。

「わっ、待ってよ」

 アスターはそう叫んだが乗り遅れた。ミチルを呼ぶ声が空に響き渡る。

「俺の姫は俺が連れ去った!」

 ヒメノミヤトモルの声が響く。アスターはあっけにとられ後から出たアシュガも言葉を失った。


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