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後日談 おまけ

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「あ、そうだ」

 夜。
 一緒のベッドに横になりながら、龍士郎がふと言った。
 疲れ、ウトウトしていたが慧は少し覚醒して、真横の龍士郎を見上げた。

「どう、したんですか」
「指輪、明日作りに行こうと思ったんだけど、オレ、外に着て行く服が無いんだった」
「え」
「外、もう結構寒いよね? 去年着てたの、確か母さんに捨てられたんだよね。もう捨てろって」
「はあ」
「だから、まず、明日はデートする為の服を、通販します。作りに行くのは明後日にしよ」

 その、あまりに出無精な龍士郎の言葉に、慧は思わず笑いだしてしまった。

「どんなのが良いか言ってくれたら、おれ買いに行きますよ」
「ダメダメ。せっかく一緒に居られるのに、離れるなんて有り得ないから。午前中に頼んだら、夜には着くからさ」
「凄いですね、最近の通販」
「そう。だから、明日も家でイチャイチャしようね」
「龍士郎さま、外に行くの、面倒になってきてません?」
「そ、そんな、こと、ナイヨ」

 挙動不審にカタコトになる龍士郎に、慧は声をたてて笑った。それに、じんわり胸が暖かくなる。幸せだ、と思う。

「おれ、龍士郎さまの家で過ごすの、好きです。でも、一緒に外に行っても、すごく、楽しいと思います」

 慧の言葉に、龍士郎は苦笑した。あと、ハッとした。

「あ、慧くん。一応だけど、外で座ってって言ったら、オレの膝じゃなくて、ちゃんと椅子に座ってね」

 ブッと慧が噴き出した。その後、ゲホゲホとむせ、龍士郎は慌てて慧の背中を撫でてやった。

「あ、あああ、あの、大丈夫、だと思います」 

 あまりにも、無意識だった。それに気づいて、慧は顔が真っ赤になっていた。最初に受けたコマンドから、膝の上だったのでそれが刷り込まれてしまったらしい。subとして躾られていた事に気づいて、そして、それが嫌じゃなくて当たり前の事として受け入れていた事に、慧は戸惑いながらも受け入れられて嬉しいと思った。

「でも、家の中ではちゃんとオレの膝に座ってね」

 トドメのような、嬉しそうな龍士郎の言葉に、慧は恥ずかしがりながらも、はい、と答えたのだった。



おわれ












ーーーーーーーーー
おまけ
別バージョンの一緒に住もうよ



「だから、その、毎日慧くんと一緒に居たいなって」

龍士郎が恥ずかしそうにそう告げると、慧はこてんと首を傾げた。

「それって、週7で来いって事ですか?さすがに一日くらいはお休みもらわないと……」

困った、といった風に慧が言うと、龍士郎は慌てて口を開いた。

「ちがっ、そうじゃなくて、ええと……あれだ。毎日、オレの味噌汁を作ってほしいっ」

きりっと言う龍士郎に、またしても、慧はわからない、といった風に龍士郎を見る。

「はあ。和食がお望みでしたか。それなら、ローテーションになりますが、私の方から献立を提案させて頂きますが……」
「違うって!慧くん、君わかってやってるでしょ!口調が仕事用になってる!」
「そうですか?」

笑いをかみ殺したような返事に、龍士郎が拗ねたように顔をそむけた。

「すみません、龍士郎さま。あまりにその、ベタな台詞をはじめて聞いたので、つい」

まだ許してないのか、プイとそっぽをむいたままの龍士郎。
苦笑して、慧は龍士郎の頬にキスを落とした。

「機嫌直してください、龍士郎さま。おれ、本来はズボラなんです。だから、この家事能力をかってくださったのなら、ご期待に添えないかも」

キスで機嫌を直したのか、慧の言葉にパッと振り向き、慧の頬を龍士郎は両手で挟んだ。

「だから違うって!君を無料の家政婦にしたいんじゃないんだ!ただ、一緒に居て、一緒に過ごして、色んな事を君としたいんだ。だから、一緒に住もうよ」

龍士郎のあまりに真剣な顔に、慧は顔を真っ赤にしながらも、本当に嬉しそうに笑って、はい、と答えたのだった。




こんどこそ終わり







ーーーーーーーーーーー
後書き


はい、こんな所まで読んで頂き、ありがとうございます。
本当は、オマケの方が先に思いついて、ただこいつら一緒に住まわせようと思って書き始めた後日談だったのですが、なんやかや重ための話に、なりましたね?不思議。なんやかや、一緒に住むことになりそうで良かったですw慧は仕事用と自信が無いときに、一人称私になるという豆知識
まじでぷれいどうしたらいいのかわからなかったけどなんとかなったとおもうようにしている

あと、いっこ短編がありますので、良かったら最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
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