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第一章:未亡人義姉と恋人になるまで
未亡人兄嫁と過ごす夜
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(珍しいな、百花さんの方から外で呑みましょうだなんて。家でも滅多に呑まないのに)
土曜日の夜、博嗣は駅から離れた居酒屋の前にいた。待ち合わせ相手の百花は少し遅れるらしい。完全に手持無沙汰だ。
(僕としては嬉しいけど、ホント、急にどういう風の吹き回しだろ?)
憧れの義姉と二人で出かけるというのは心躍る話だが、如何せん理由が読めない。
十数分後、ついに百花が現れた。いつもより色気のある色合いのワンピースに身を包んでいる上、今日は化粧が丁寧な気がした。
「すいません、お待たせしてしまいましたね。私の方から誘っておいて……」
「ううん、大丈夫だよ。気にしないで」
謝る年上の美女に手を振り、店へ入る。
案内された個室はこじんまりしながらも落ち着いた雰囲気で、居心地がよかった。
適当なつまみとお酒を注文してから尋ねる。
「それで?今日は一体どうしたの?アルコールなんて、普段は全然呑まないのに……」
「ええ、そうなんですけどね。こういうのもたまには悪くないかもと思ったんです」
肩に垂らした栗色の髪束を指でくるくる弄りながら、百花が朗らかに話す。
そのまましばし談笑を楽しんでいると、サイドメニューから次々料理が運ばれてきた。
「わぁ、美味しそうですね、博嗣くん。それじゃあ折角ですし……えっと、カンパーイ」
「か、カンパーイ……」
稀にも見ない義姉の様子にやや気圧されながらも、博嗣はグラスを合わせる。
そこから先は思っていたよりも楽しい時間だった。抱えていたわずかな不安も美味しい料理と酒によって身体の奥底へ沈んでいく。
しかし、ここで別の問題が生じた。
「も、百花さん……そんなに呑んで大丈夫なの?もう少しペースを落としたほうが……」
「も、問題ありません。これくらいなら大丈夫です。あぁでも、博嗣くんは無理したらダメですからね。お水も適宜飲んでください」
百花は予想以上のペースでグラスを空にしていた。義姉がお酒に強いなんて話は聞いたこともないだけにハラハラする。
そしてその心配は結局的中してしまった。
「ふふ、ふっ、ふふふっ。博嗣くーん。んふふふっ、今日はとってもいい気分ですねぇ」
店を出る頃にはすっかり百花は出来上がっていた。いつになく紅潮した頬は少女のように愛らしいが、これから一体どうするのか。
「も、百花さん、大丈夫?駅までそれなりに距離あるけど、歩けそう?」
酔った義姉の肩を支えながら尋ねる。
内心、かつてないほどドギマギしていた。
酒気を帯びた吐息の熱さも、時折触れるおっぱいの温かさも、そのむにゅりと潰れる柔らかさも、全て鮮明に感じ取れてしまうのだ。
こんな無防備な姿を晒されて、意識するなというほうが無理な話だろう。
「はい、大丈夫ですよぉ……でも、でも少しだけ、遠回りしていいですか?その……酔いを、醒ましたいのでぇ……」
足取りをやや覚束なくさせながら年上の美女が甘えた声を出す。博嗣は大人しく従い、進路を変えてゆっくり足を進めた。
初めて会ったときから恋している義姉との夜の散歩が、心音とは裏腹に静かに流れる。
しばらくすると、百花が足を止めた。
「……博嗣くん。少し、休みませんか?」
そう言って未亡人が目を向けた先はピンクのネオンを灯した建物、ラブホテルだった。
「ちょっ、百花義姉さん⁉いくら酔いがひどいからってそれは……⁉」
ギョッと驚いたが、百花は本気だった。雫を湛えた瞳が、身体に絡みつく腕が、伝わる激しい鼓動が、確かな意思を感じさせた。
「休憩、しましょう、博嗣くん……私はここに、あなたと入りたいんです」
土曜日の夜、博嗣は駅から離れた居酒屋の前にいた。待ち合わせ相手の百花は少し遅れるらしい。完全に手持無沙汰だ。
(僕としては嬉しいけど、ホント、急にどういう風の吹き回しだろ?)
憧れの義姉と二人で出かけるというのは心躍る話だが、如何せん理由が読めない。
十数分後、ついに百花が現れた。いつもより色気のある色合いのワンピースに身を包んでいる上、今日は化粧が丁寧な気がした。
「すいません、お待たせしてしまいましたね。私の方から誘っておいて……」
「ううん、大丈夫だよ。気にしないで」
謝る年上の美女に手を振り、店へ入る。
案内された個室はこじんまりしながらも落ち着いた雰囲気で、居心地がよかった。
適当なつまみとお酒を注文してから尋ねる。
「それで?今日は一体どうしたの?アルコールなんて、普段は全然呑まないのに……」
「ええ、そうなんですけどね。こういうのもたまには悪くないかもと思ったんです」
肩に垂らした栗色の髪束を指でくるくる弄りながら、百花が朗らかに話す。
そのまましばし談笑を楽しんでいると、サイドメニューから次々料理が運ばれてきた。
「わぁ、美味しそうですね、博嗣くん。それじゃあ折角ですし……えっと、カンパーイ」
「か、カンパーイ……」
稀にも見ない義姉の様子にやや気圧されながらも、博嗣はグラスを合わせる。
そこから先は思っていたよりも楽しい時間だった。抱えていたわずかな不安も美味しい料理と酒によって身体の奥底へ沈んでいく。
しかし、ここで別の問題が生じた。
「も、百花さん……そんなに呑んで大丈夫なの?もう少しペースを落としたほうが……」
「も、問題ありません。これくらいなら大丈夫です。あぁでも、博嗣くんは無理したらダメですからね。お水も適宜飲んでください」
百花は予想以上のペースでグラスを空にしていた。義姉がお酒に強いなんて話は聞いたこともないだけにハラハラする。
そしてその心配は結局的中してしまった。
「ふふ、ふっ、ふふふっ。博嗣くーん。んふふふっ、今日はとってもいい気分ですねぇ」
店を出る頃にはすっかり百花は出来上がっていた。いつになく紅潮した頬は少女のように愛らしいが、これから一体どうするのか。
「も、百花さん、大丈夫?駅までそれなりに距離あるけど、歩けそう?」
酔った義姉の肩を支えながら尋ねる。
内心、かつてないほどドギマギしていた。
酒気を帯びた吐息の熱さも、時折触れるおっぱいの温かさも、そのむにゅりと潰れる柔らかさも、全て鮮明に感じ取れてしまうのだ。
こんな無防備な姿を晒されて、意識するなというほうが無理な話だろう。
「はい、大丈夫ですよぉ……でも、でも少しだけ、遠回りしていいですか?その……酔いを、醒ましたいのでぇ……」
足取りをやや覚束なくさせながら年上の美女が甘えた声を出す。博嗣は大人しく従い、進路を変えてゆっくり足を進めた。
初めて会ったときから恋している義姉との夜の散歩が、心音とは裏腹に静かに流れる。
しばらくすると、百花が足を止めた。
「……博嗣くん。少し、休みませんか?」
そう言って未亡人が目を向けた先はピンクのネオンを灯した建物、ラブホテルだった。
「ちょっ、百花義姉さん⁉いくら酔いがひどいからってそれは……⁉」
ギョッと驚いたが、百花は本気だった。雫を湛えた瞳が、身体に絡みつく腕が、伝わる激しい鼓動が、確かな意思を感じさせた。
「休憩、しましょう、博嗣くん……私はここに、あなたと入りたいんです」
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