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第二部
6.お茶会2
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お茶会にはそれぞれテーマというものがあるそうです。
例えば、音楽会、演劇、芸術鑑賞、ダンス、食事などです。テーマがなく、ただ会話のみのお茶会も存在しますが、規模は大分小さくなるそうです。
今回は、『芸術鑑賞』なのだそうです。
屋敷内の私室以外を解放し、自由に芸術品を鑑賞してもらおうという趣向なのだそうです。
そんな中、私はベートラ様から気を使って頂いて、ジャン様の案内をさせてもらえることになりました。他には、学園関係のベアトリス様や、あまり付き合いのなかったその他の子息令嬢の皆様なども。
本格的な接待は、主催者であるリシュタンジェル公夫人が行っているようです。
こういったお茶会に、通常、社交界デビュー前の子息令嬢を招待することはないそうです。ですが、今回は『午後に催されるお茶会であること』や、『私という養女のお披露目』及び『社交界デビューの予行演習』も兼ねての招待だったようです。
社交界デビュー前の子息令嬢をメインに据えた舞踏会というものもあるそうですが、それはまた後ほど。
◇
「貴女とは以前から話をしてみたいと思っていたのよ。アントワーヌ嬢やガーヌ嬢の暴走から、皆を守ってくれていたでしょう?」
「あの二人の騒動に巻き込まれたくない連中は、誰がどんな被害を受けていても知らんふりだったしね……」
「下級貴族でさえ捨て置かれてたから、平民出身者なんて君がいなかったら学園にいられなかっただろうよ」
色々と言われていますけど、私はそこまで言われるほどのことをしてはいません。ミントがおかしな記憶操作を行ったのでは……。
「『聖女様』のお怒りも早く解けるとよいのですけれど――」
雑談の中から不意に湧いて出た話題にぎょっとしてしまう。
そういうことになっているんでした……。
思わずジャン様へ視線を送れば、彼もこちらを見ていました。もう、二人で苦笑するしかありませんね。
・
・
そんなふうに、縁のある人々を相手に貴族としての立ち居振る舞いに気をつけながら、相手をしていると――。
「――そうそう、その話、詳しく聞かせてくれよ」
暴君が話に割り込んできました。パックはどうしたのでしょうか?
彼の相手は面倒ですが、ホスト側でもありますので相手をしなければなりません――と、思っていたのですが。
「アンデル殿下!!」
ベアトリス様が猛アピールを開始してしまったので、私はホストとして気を利かせることにしました。
こういう時は気を利かせるのがマナーだと聞いておりましたので。
別のギャラリーへ移動し、義父から聞いたばかりの絵画の由来などを皆様へ説明したりなどしていると、あっという間に時間が来てしまいました。
時間配分を考えながら招待客を接待する……難しいです。
皆様を貴族らしい立ち居振る舞いでお見送りし、晩餐までの時間をジャン様と過ごそうと振り返ると――帰る気配を見せない暴君がそこにいました。
視線でリシュタンジェル公に、「なぜこの方が?」と問いかけると、「すまない」と返ってきました。
これが貴族の柵というものでしょうか。
面倒なので、晩餐への招待客の中にベアトリス様を追加しましょう。
例えば、音楽会、演劇、芸術鑑賞、ダンス、食事などです。テーマがなく、ただ会話のみのお茶会も存在しますが、規模は大分小さくなるそうです。
今回は、『芸術鑑賞』なのだそうです。
屋敷内の私室以外を解放し、自由に芸術品を鑑賞してもらおうという趣向なのだそうです。
そんな中、私はベートラ様から気を使って頂いて、ジャン様の案内をさせてもらえることになりました。他には、学園関係のベアトリス様や、あまり付き合いのなかったその他の子息令嬢の皆様なども。
本格的な接待は、主催者であるリシュタンジェル公夫人が行っているようです。
こういったお茶会に、通常、社交界デビュー前の子息令嬢を招待することはないそうです。ですが、今回は『午後に催されるお茶会であること』や、『私という養女のお披露目』及び『社交界デビューの予行演習』も兼ねての招待だったようです。
社交界デビュー前の子息令嬢をメインに据えた舞踏会というものもあるそうですが、それはまた後ほど。
◇
「貴女とは以前から話をしてみたいと思っていたのよ。アントワーヌ嬢やガーヌ嬢の暴走から、皆を守ってくれていたでしょう?」
「あの二人の騒動に巻き込まれたくない連中は、誰がどんな被害を受けていても知らんふりだったしね……」
「下級貴族でさえ捨て置かれてたから、平民出身者なんて君がいなかったら学園にいられなかっただろうよ」
色々と言われていますけど、私はそこまで言われるほどのことをしてはいません。ミントがおかしな記憶操作を行ったのでは……。
「『聖女様』のお怒りも早く解けるとよいのですけれど――」
雑談の中から不意に湧いて出た話題にぎょっとしてしまう。
そういうことになっているんでした……。
思わずジャン様へ視線を送れば、彼もこちらを見ていました。もう、二人で苦笑するしかありませんね。
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そんなふうに、縁のある人々を相手に貴族としての立ち居振る舞いに気をつけながら、相手をしていると――。
「――そうそう、その話、詳しく聞かせてくれよ」
暴君が話に割り込んできました。パックはどうしたのでしょうか?
彼の相手は面倒ですが、ホスト側でもありますので相手をしなければなりません――と、思っていたのですが。
「アンデル殿下!!」
ベアトリス様が猛アピールを開始してしまったので、私はホストとして気を利かせることにしました。
こういう時は気を利かせるのがマナーだと聞いておりましたので。
別のギャラリーへ移動し、義父から聞いたばかりの絵画の由来などを皆様へ説明したりなどしていると、あっという間に時間が来てしまいました。
時間配分を考えながら招待客を接待する……難しいです。
皆様を貴族らしい立ち居振る舞いでお見送りし、晩餐までの時間をジャン様と過ごそうと振り返ると――帰る気配を見せない暴君がそこにいました。
視線でリシュタンジェル公に、「なぜこの方が?」と問いかけると、「すまない」と返ってきました。
これが貴族の柵というものでしょうか。
面倒なので、晩餐への招待客の中にベアトリス様を追加しましょう。
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