2 / 82
第一部
2話
しおりを挟む我が家は代々続く由緒ある家だったのですが、父の代になり私の目にも分かる程に領地経営に失敗し、多方面より叱責を受け年々領地を召し上げられ続けている、落ち目の子爵家なのです。
そんな状態だというのに、両親はプライドだけは山よりも高く、下の者には浅ましいほどに厳しく、上の者に対しては愚かなほどに卑屈になります。
そんな両親に傷物扱いされいずれ、金のために老害に私は売られるでしょう。
それでも、平民からみれば遊んで暮らせる良いご身分であることに代わりはないから、私は恵まれているはずです。
私の座右の銘は『長い物には巻かれろ』『出る杭は打たれる』。
下手な正義感など身を滅ぼすだけです。たとえ聖女様軍団が白痴を振りかざし、野を焼き地を穢そうと、私の知ったことではありません。
◇◆◇
『モニカ、ずいぶんとひねくれてるね~。カワイゲガナイ? ……ね!』
パーマでもかかっているかのようなふわふわとした白い尻尾を振りながら、目の前の蹄も持たない馬擬きがまたしても喧嘩を売ってきました。
しかも仔犬のように部屋中の匂いを嗅いで回ったり、太く短い前足で器用に籠に入った果物を取ろうとしたりして、人の部屋で随分とリラックスしているようです。
果物に夢中になっているそれの頭をつついてみたら、後ろへ転がりました。
『何するのーっ?!』
これまた可愛らしく怒っています。
なにコレ、ちょっと面白い。
学園も休みで面倒な約束もなく、一日自室で優雅に過ごせると思っていた私の目の前に、いきなりこの謎の生物は現れたのでした。
『ボクは、大精霊なの!』
とてもそうは思えないのですが?
『返事ーっ!!』
よりにもよって、なぜそれを名乗る? といのが正直な感想です。
確かにこの世界には精霊というものが存在してはいます。
人々は彼等の恵みを受けて命を育み育て、人としての幸福を手にする。それは知っています。
けれど、精霊の姿を見ることができるのは、心身共に清らかに磨き上げられた選ばれし者のみのはず! 大精霊なんて特上の精霊を見ることができるのは、教皇様や聖女様といった雲上のお歴々くらいのものだというのは一般常識です。
王太子殿下も見ることができると、風の噂で聞いたこともありますが真偽は不明です。
――大精霊を語る悪魔なんて、ありふれ過ぎていて欠伸が出る存在です。
さて、愛らしい姿に別れを告げるのはそれなりに感傷的になりますが、きっと直ぐに、忘れるでしょう。
私はこれでも、神聖魔術をそれなりに扱えるので、悪魔は――瞬殺です。
本来、聖女様しか使えないはずの技らしいので、公言していませんけどね!
【世ノ光成リシ者ヨ、――混沌ヨリ出デシ汝ガ敵ヲ……撃チ滅ボセ!】
呪文を唱えながら周囲に聖なる光が満ち、杖の先に収束していくのを感じます。呪文を唱え終わる頃には、膨大な力を内包する球体が杖の先に出で、それを目の前の不審物に叩きつけてやれば終わる――――――はずでした。
なんということでしょう! 物体Xは神聖魔術を、まるで木漏れ日でも浴びるかのように心地よくその体内に吸収していくではありませんか。
『わぁ。気持ちいい。純度の高い神聖性だね! やっぱり凄いや!』
「何を言って……え?!」
神聖魔術をくらって、あんな心地よさそうにしているなんて?!
『え? またくれるの? わーいわーい』
二度目の魔術を発動しようとしていたのを察知されたのか、犬馬擬きは私の足下へ降りて、白い尻尾をちぎれんばかりに振りながら上目遣いで見上げてきます。
靴に前足を乗せている。これはおねだりポーズ?!
「本当に大精霊なら、愛し子である聖女様の下へ行くべきでは?」
『セイジョ様? んー??』
――なんで聖女様が伝わらないのよ!! あの人、愛し子なんでしょう?!
『ボクはね、モニカの腐った性根を叩き直しに来たんだよ!』
何なのでしょう、このあくまでも喧嘩を売ってこようとするスタイルは?
「なんで私個別なのよ。そもそも、精霊の類いは聖女様の管轄じゃないの?」
『えっと、それはね?』
◇◆◇
長くて面倒なクソどうでもいい話を、半日かけて聞かされました。
マクマ自身も、言わされてる感が半端ない話しっぷりでしたけれども!
要約すると、聖女様はまだ未熟で、精霊の存在を感知することができないらしいです。聖女様ですけれども? 愛し子とやらですけれども?
そのため、世界に<穢れ>が満ちているそうです。
ああ、今日も空気は美味しいですけれども?
『本当なんだよ! 穢れが溜まって世界が危機に瀕しているのは本当なんだ!』
「だったら尚のこと、聖女様の下へ行かないとダメなんじゃないの?
聖女様にはアンタが見えなくても高位神官や教皇様は見えるでしょ、流石に」
そう言ってやれば、相手は言葉にならない苦悶の声を上げ始めました。動作が一々愛らしいですね。精霊って皆愛らしいものなのでしょうか?
『だから、モニカがやるんだよ!』
「何がだからなの?!」
『え? あ~うん、えっと……そう! モニカがセイジョ様? を助ける。ボクはそのお手伝いをするために来たんだ!』
「話がどんどん変化してるんだけど?」
『してないよ? モニカは世界の穢れを払ってセイジョ様? を助けるの!
その全方向にスレてる心を何とかしなくちゃ!』
「ちょっと待った! 世界の穢れを祓うのは聖女様の仕事よね?!」
幼児がまた「あうあう」言い始めました。
『えぇとぉ、小さな事も一歩からだよ! モニカには危機感が足りない!!』
なんなのでしょう? この、兎にも角にも私に文句を言わなければ気が済まないらしい感じは。
言い終えるや否や大精霊(仮)が、頭を垂れながら角を光らせると――私が頭にしていたサークレットが熱を持ち始めました!
『そのサークレットに、ボクから特別な祝福を送ったよ! あのね、力がね――』
「祝福? そういうのは聖女様にあげた方がいいんじゃないの?
世界はなるようになっているものよ。溢れた穢れとやらで世界が滅ぶのだとしたら、それが運命――――――――痛っ!」
――頭が痛い! サークレットが締め付けてくる!
え、何これ外れない!?
『えっと……大丈夫?』
「大丈夫じゃない!!」
『だっ大丈夫だよ! モニカにはボクがついてるから! うん、安心して!』
「アンタが元凶なんだけど?!」
大精霊(仮)は、その後、私が何を言っても頑として家から出て行こうとせず、結局、我が家に住み着いてしまいました――――。
◇◆◇
「コーベル公爵令嬢の学園での様子はどうなっている?」
学園での不穏な空気が、大人の世界にどのように伝わっているのかは分かりませんが、突如、父が晩餐中の私に詰問をしてきました。
誰もいない小ダイニングでゆっくり夕食を、と思っていたのに。
誰も来ないと思っていたので人払いをするのを忘れていました。
「さっさと答えんか! 使えん娘だ」
父がテーブルを強く叩きながら怒鳴るものですから、お皿が不安定な動きを見せてヒヤリとしてしまいました。こぼれはしなかったようです。
メイドが料理を用意してくれないので、全て自分で作りました。私の姿を見つけると皆、職場放棄をするので人払いをする手間が無く助かります。
父様、言外に漂う『お前如きを視界の端にも入れたくない!』という強い意志を、何とかしていただけないかしら? 使用人にも移るのですよ? そういう態度!
実の母は私が物心つく前に鬼籍に入りました。今、この家には母の死後迎えられた若き後妻とその娘と弟が暮らしています。父の行動も露骨なもので、後妻とその家族用に屋敷を増設し既存の私達の生活エリアとは隔絶した生活を送ることを可能としました。台所や浴室、その他の設備まで分けて設置させました。こちらの区画とそちらの区画を明確に仕切るために防音効果のあるベーズの扉まで設置しました。しかも、あちら側からのみ鍵をかけることが可能な仕様なのです。
そんな環境ですから当然、義母と義妹との関係は寒いものです。
醜い傷物であり社交の道具になり得ない私は、落ち目のこの家には必要のない存在なのでしょう。貴族の娘がこんな状況だというのに、全く問題になっていないようですから。
義妹は私の一つ下、義弟は私の五つ下です。義弟はともかく義妹は、同じ学園に通っているのでしょうか? 彼女の動向は把握できません。
私と同じ血が流れているのは長兄のみですが、結婚して独立して以来この屋敷に訪れることは無くなりました。遠い空の下で生きていることでしょう。
父は自称・コーベル派の人間です。幼少の頃、誕生日会に招待されたのもそれ故の関係でした。とても迷惑な話です。後日聞き及んだところによると、父が無理に頼み込んでのことだったと言うではありませんか。「分不相応なことを」と社交界の嘲笑の的になっているのが、なぜ、分からないのでしょうか。
「何のお話をされているのか全然わか――っ!」
――頭痛きたっ!
「何の真似だ? 父の質問に答えんかっ! この愚図がっ!!!」
料理が入っている皿を投げつけてきました! 間一髪で避けましたが。
――頭痛を訴えている実の娘を、多少労るくらいの余裕もないのかしら?!
「もうしわけありません。……ええと、最近のコーベル嬢が置かれている状況は……まあ、芳しくはありませんね」
「お労しい……お前は当然、コーベル嬢をお守りしているのだろうな?!」
するわけないでしょう――――とか考えていると第二波が! ……鎮痛薬で防げないかしら?
「おい! 返事をせぬか!」
「……ええ、はい分かりました! 明日から守らせていただきます!!」
「当然だ。姑息な真似で下らん慈悲を請う前に、己の資質を磨くことだ。お前はいつ見ても、陰気で愛想もなく見苦しいな!」
――仮病を使い、貴殿の気を惹こうとしているとでも?
自惚れないでいただきたい。貴殿がこちらを金蔓としか見ていないのですから、こちらも相応の――……。
◇
――ああもう! 最悪!
表立ってそんなことしたら、確実に聖女派に睨まれて面倒毎に巻き込まれてしまいます。あんな人のために!
『どうしたの?? なんでまた頭痛になってるの?! 何があったの??』
――アンタのせいなんだけど?!
頭痛に満ちた晩餐を終えて自室に戻ると、満足げな空飛ぶ幼児が余計なお節介を焼いてこようとしています。
マクマの姿は、両親にも兄弟にも使用人にも見ることは出来ていないようです。
大精霊というよりはまるで子供のようです。意味も無く風や光を起こしては、一人で喜んでいます。
この部屋には私以外、立ち入ることなどないのでいいのですけど……。
『――で、何があったの?』
・
・
・
マクマのその質問を、ギリギリまで適当に交わし続けていたのだけれど、度重なる追求に終に口を割らされてしまいました。
『モニカの目から見て、どう見えるの?』
答えにくい。実に答えにくい質問をしてきます。
あれは……聖女様の取り巻きたちのコーベル嬢に対する所業は、はっきりいって正常なものではありません。今はまだ、些末ないやがらせレベルで済んでいるようですが、いつ悪化しても不思議ではありません。
……見ていて、気分がいいものではありません。ですが、割って入って火の粉を被る気になるほど、彼女のことを信じているわけでも……好意を抱いているわけでもありません。
――そう。いっそのこと、このまま学園へ来なくなれば、私は――――――!
「痛っ!!!」
サークレットが締め付けてくる! ……はぁ、もう……醜い。
こんな醜い考えを抱く自分ほど、要らないものなんて、きっとない――。
「アンタもしかして、私にコーベル嬢を守らせたいの? 彼女は今や聖女様の敵よ?
精霊は聖女様の眷属のようなものなのでしょう?」
『モニカの言ってること分からないよ。え……モニカ、その人のこと滅ぼしたいと思ったりは……してないよね?! こんな世界要らない! とか思ってないよね?
ね? ね?』
「……どこの破壊神よ。アンタね、ホントに人をなんだと――」
『だ、だったら! 助けようよ! ね! ね!』
「却下。面倒」
『モニカぁ……』
――その困っている人、苦しんでいる人を作り出しているのが、件のコーベル嬢であり、アンタ達の愛し子である聖女様なんですけどね。
明日のことを考えると憂鬱になります。
面倒毎には関わり合いになりたくないというのに。
心が清らかになったならば、幸福になれるとでも言うの?
苦労は必ず報われると? そのために傷ついた心は癒やされると?
はあ、明日なんか来なければ良いのに――――……。
◇◇◇ ◇◇◇
『愛し子への接触はすんだかい?』
『はい、あるじ様! でも……全然ボクの話聞いてくれないんだ。どうして自分が愛し子だって分からないの? 教えちゃダメなの?』
『今の彼女は、愛と光を憎んでいる。下手に告げれば、我々との縁が完全に切れてしまうだろう。けれど、諦めてはいけないよ? 愛し子が穢れれば、全ての精霊は闇に堕ち、僕もまた闇へ堕ちるしかないのだから』
『う、うん! ボク頑張る!!
モニカが本当の心を取り戻せるように……明日からビシバシ行くよ!!』
『期待しているよ――――――――――……』
12
お気に入りに追加
2,752
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。

【コミカライズ決定】婚約破棄され辺境伯との婚姻を命じられましたが、私の初恋の人はその義父です
灰銀猫
恋愛
両親と妹にはいない者として扱われながらも、王子の婚約者の肩書のお陰で何とか暮らしていたアレクシア。
顔だけの婚約者を実妹に奪われ、顔も性格も醜いと噂の辺境伯との結婚を命じられる。
辺境に追いやられ、婚約者からは白い結婚を打診されるも、婚約も結婚もこりごりと思っていたアレクシアには好都合で、しかも婚約者の義父は初恋の相手だった。
王都にいた時よりも好待遇で意外にも快適な日々を送る事に…でも、厄介事は向こうからやってきて…
婚約破棄物を書いてみたくなったので、書いてみました。
ありがちな内容ですが、よろしくお願いします。
設定は緩いしご都合主義です。難しく考えずにお読みいただけると嬉しいです。
他サイトでも掲載しています。
コミカライズ決定しました。申し訳ございませんが配信開始後は削除いたします。

聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)
蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。
聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。
愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。
いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。
ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。
それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。
心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。

私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる