魔界の先生も教育相手は選びたい~平穏な日々のためサキュバスさんにお仕置きを~

今泉 香耶

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2.図書室の利用はお静かに

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 魔王城には日々多くの魔族が出入りしている。人間界のように「国」がない魔界を統べている場所であれば当然のことで、政務は魔王城を中心に回っている。トップに立つ魔王と、側近と呼ばれる執務官。その下に誰も通さず直接命令をされて個々に動く高位魔族や、組織だって動くいくつかの部門が揃っており、彼らは魔王城の中心区域で日々働いている。

 魔王城には、魔王と魔王妃が生活をする居住エリア、主に魔力について研究をしたり、魔界と深い関係にある冥界や人間界、妖精界などの様々な計測を行ったり歴史を探ったりする研究エリアなどがある。どのエリアの者も平等に使えるように図書室は何カ所にも設置されていたが、その中でも蔵書数で群を抜いている図書室に、毎日のように通う魔族が一人いる。それが、コーバスだ。

「コーバス先生」

「これは、お久しぶりです」

 読書中、一人の人間型魔族の青年に声をかけられ、コーバスは書物を読む手を止めた。

「以前はお世話になりました。お陰様で、次期当主見習いとして先月から父の執務を手伝えるようになりまして」

「そうですか。それは良かったです」

「先生のおかげで、少しずつですが足りない知識を補うために何を知るべきか……それを考える力がわたしについたようだと父が申しておりました。わたしもそう感じております。ありがとうございます」

「お礼はそのまま、勉学に励んだあなたご自身と、そのきっかけを作るためにわたしに声をかけたご当主様に。わたしは、これが仕事のようなものですから」

 コーバスは、人間界で言えば年の頃35~40歳といったぐらいに見える人間型魔族の男性だ。人間型魔族の中でもどちらかと言うと「異形種」と言われる種族で、魔界で言う「人間型魔族」の条件はクリアしているためそう言わざるを得ないだけなのだが。すっきりと刈り上げた銀髪、眼鏡をかけ、穏やかな話し声、柔和な表情で青年に接している。

 そんな彼は、腕が4本、尻の上、腰付近から太いトカゲのような立派な尻尾がドンと後ろにせり出しているコークェンという一族だ。立ち上がると長い尻尾の半分は床にべったりとつき、椅子に座る時は座面の縁に尻をかけて尻尾をぐるりと背もたれの後ろに回し、やはりその先を床に着けている。

「父は、弟にも先生の授業を受けさせたいと言っているのですが……お忙しいご様子ですね」

「申し訳ありません。新しい魔王妃はなかなか出来る人でして……歴代の中でも類を見ないほど執務に多く携わると予測されているほどです。なので、当分は魔王妃教育に時間を割き、魔王城常勤を続けることになりますね」

「残念です」

「大丈夫ですよ。あなたの弟さんは聡明ですし、昔ながらの魔族のわりにあなたの一族は勤勉なところがありますから、あなたやご当主様の働きを見ていれば、ご自分で学んでいくことが出来るでしょう。どうしても難しい時は、わたしの代わりの者も紹介出来る、とご当主様にお伝えください」

「わかりました。それでは失礼いたします」

 一礼をして去っていく青年を、コーバスはにこにこと笑顔で見送った。

(良い傾向ですねぇ。あれだけお父上に反発して、昔の魔族はもっと自由に生きていたとかなんとか噛みついていた子が、この魔界で自由を得るには何をすべきなのかを理解しようとしてくれるのは、嬉しいものです)

  コーバスは眼鏡を外して薄布でレンズを磨いた。眼鏡をかけないと彼の顔立ちは少しばかり「強い」ので、誰の前でも外したがらない。

 彼の種族コークェンは、魔界では戦闘力の高さを評価されている一族のひとつだ。男性は腕4本を持ち魔力は弱く、女性は腕2本で魔力が強く、それぞれの不得手を補いながら戦に出る。魔王城から離れた冥界との境界があるが、その一部に近い場所に生息している。コーバス自身は領地を離れて相当年月も経過しており、魔王城から徒歩圏内の城下町のはずれに居を構えて完全に拠点を魔界の中心に移していた。

 冥界と魔界は何か所かに分かれて接しており、その接した部分を「冥界境界線」あるいは、接した場所を含む魔界側の領地を「冥界境界」と呼んでいるが、ほとんどの魔族はそれを見たことがないので言葉の使い方も曖昧なほど「よく知らない」場所だ。

 コークェン族領地の近くにある冥界境界線に時々出没する、冥界に溜まる怨念由来の生物は非常に大きく、怨念由来でありながら物理的に体を構築して魔界に侵入するため近隣の巨人族が戦う。が、それが「溢れる」時、どうも「それが出来る」前に失敗して、小さいサイズのものが大量に発生する時があるようだ。コーバスの一族はそれらを魔界に侵入させないため日々巡回をして警備についている。

 そんな一族だからなのか、眼鏡をとったコーバスは少しばかり「戦いが強そう」に見えなくもない。見えなくもない、というレベルなのに、偏見というものは怖いもので「さすがに強そうだ」と言われたこともあり、彼はその偏見にほとほと困っていた。

 そもそも、魔王城近くでは彼の種族はほとんど見かけないからか、知らない相手からも興味を持たれやすい。このわかりやすい体のせいで「おっ、コークェン族じゃねぇか、戦おうぜ!」と脳筋の獣人たちに若い頃は随分とやりたくもない決闘をもちかけられたり、大層面倒なことを強いられた。だが、視力の衰えを感じて眼鏡をかけたらそれも減り、彼の「教える」才能が知れ渡り「先生」と呼ばれるようになってからは、すっかり誰も興味本位で彼に戦いを挑まなくなった。

(それにしても『先生』と呼ばれるのはどうにもまだ慣れないものだ……)

 眼鏡を掛けなおし、読書済みの書物を書架に戻そうか……などと考えている間に、入口から誰かが彼に近づいてくる。なんとなく嫌な予感がして、決して目を合わさないでおこうと彼は思ったが、その努力は無駄だった。

「コーバス先生、今お話しても大丈夫かしら? 本の虫って聞いてたけど、本当なのね」

「こんにちは」

 今日は何人にも声をかけられる日だ、面倒くさい……と正直に思いつつも、コーバスは呑気な声で返した。立っているフェーリスに対して彼が座ったままでいるのは、一応コーバスは魔王城で肩書を今は与えられており、一族としての格や一族内部の格でフェーリスの方が上であっても、魔王城の中では彼の権限が上だからだ。

 コーバスは、先ぶれもなく魔王妃に会いに行くことが出来る数少ない存在であり、フェーリスはサキュバス当主代理の役を当主から預からなければ、今日のような不躾なことは許されない。それが、格の違いだ。

「えっと……サキュバスの……失礼しました。サキュバスのみなさんはみな美し過ぎて、あるボーダーより美しいと、みなわたしには同じに見えてしまって……」

「あらそうなの? 単に覚える気がないだけなんでしょ? フェーリスよ。覚えて頂戴」

「ううん、覚えられたら良いのですが」

「やっぱり覚える気ないのよね? 今まで2度ぐらいお話してるんだけど」

「それは失礼いたしました」

 フェーリスは微笑みながらも口端を歪める。これは、絶対にわかっていて言っている。彼女の勘がそう告げていた。

「先生、少しだけお時間あるかしら」

「残念ながら、これから魔王妃のところに行かなければいけなくて」

 魔王妃、とわざわざ権力を持ち出すようなことを言われたことに気づいて唇を尖らせるフェーリス。

「コーバス先生の授業まで、一刻あるってリーエン様はおっしゃっていましたけど」

「……リーエン様のところに行ってきたのですか」

「ええ。ちょっとサキュバス族当主代理として、遅くなったけど結婚祝いを渡しに。一応、わたしこれでも魔王妃の命の恩人みたいなものなのよ?」

 それは言いすぎだが嘘というわけではない。コーバスは「そうですか」と返したまま、特にそれ以上何も聞こうとはしなかった。フェーリスは「この男は全然わたしに関心がないのね」と思って肩をすくめる。

「ねえ、先生、サキュバスが結構みんな今困っているのを知ってるでしょ?」

「そのようですね」

「人間界に行って人間の男を搾取するのはやりすぎるから駄目~って言ってるのに、だからって魔界でも手あたり次第は駄目って最近は言われるし、めぼしい高位魔族の男たちはこの前の『魔界召集』でみんな結婚しちゃって、ちょっと精を提供して欲しいんですけど~って言ってもあんまり手軽に相手してくれなくなったしさ……」

「それで?」

「だから、こっちも譲歩するし、人間にちょっかいかけにいくのも我慢するから、もうちょっとさ……協力してくれる魔族を早く探してくれてもいいと思わない?」

「はあ……」

 コーバスは若干呆れたように溜息をつく。用件はわかった。このサキュバスは遠回しに「わたしとセックスしませんか」と言っているのだろう。フェーリスは彼の様子に不満なようで、再び唇を尖らせた。

「だって、コーバス先生、毎日毎日朝から晩までお勉強だかなんかして、夜になったら一人暮らしの家に帰るだけって知ってるわよ。寂しい毎日じゃない? それをここ10年ぐらい、他の魔族の教育依頼を受けてない時はずうっと繰り返してるって聞いてるわ」

「ほう。わたしのことに詳しいのですね」

「だって、魔王城の辺りじゃコークェン族珍しいんだもの。聞いたことあるわ。コークェン族の精子、なかなかイイ感じだって。他のサキュバスはさ、結構若い魔族が好きみたいだけど、わたしは違うのよ」

 基本的にサキュバスたちは若くて健康な人間の男性の精を好む。その次は、若くなくてもいいから健康な人間の男性の精。魔族の精はさらにその次だ。それには非常にわかりやすい理由がある。

「知ってるでしょ? アルフレド様ぐらいの権力と最高のもの持っていたら魔力強すぎて美味しくなくても話は別だけど……サキュバスが好きなのは、魔力が強すぎない、なんだったら全然ない人間ぐらいの精が好きって。魔力ってさぁ、精子に既に混じっているのよね。さすが、なんていうの? 遺伝子? よくわからないけど、子供作るためのものって感じよね。ねえ、コークェン族のオスってあんまり魔力ないでしょ……それに、4本も腕がある男に、あれこれ教えたらどんなことになるのかと考えただけで楽しくなっちゃうのよね……」

 そう言うと、フェーリスは妖艶な笑みを浮かべた。誰がどう見ても彼女は美しい。きっと、コーバスも実際はそう感じている。彼は「美しいサキュバスだ」と思っているところを「サキュバスはまあみんな美しいしな」とあっさり変換しているため、フェーリスは彼女が思っているような反応を彼から得られないのだが。

「なるほど。では、遠いですが頑張ってコークェン族のところへ行って物色すると良いでしょう。サキュバスのご当主にご提案したらいいんじゃないかな……コークェン族は女性の出生率が低いので、結構歓迎されるかもしれませんよ。ただ、戦士としては質が低い男性を押し付けられると思いますが……」

 完全に相手にされていない。フェーリスは「感じ悪いわね」と言いながら、コーバスに近付いた。彼に何も言わせず、テーブルに肘をついて顔を覗き込むと、有無を言わせずキスをする。彼の唇は僅かに開いており、そこから舌を滑り込ませると一瞬で彼が体を引く。ガタン、と椅子が音をたててコーバスが周囲に迷惑をかけていないかとぐるりと見渡したが、誰もそこにはいない。

「ふふ、ふ」

 フェーリスはぺろりと舌で自分の唇を舐め、笑いながら体を起こした。

「これは、油断していました……」

 ふわりとコーバスの鼻孔をくすぐる香りは、濃厚すぎないのに官能を刺激する。それが、心地よい。淫靡な香りとされるものは大抵が重苦しくて、その気になりたくない者にとってはげんなりするものだが、その点彼女が纏う香り――それこそ彼女のフェロモンのようなものなのだが――は、彼女の態度の割には上品で軽やかだ。

「ここが魔王城でよかったわね。魅了使ったら怒られるから我慢してあげるわ」

「なるほど、能力に制限をかけられているから、物理で落とそうという」

「解説されるとちょっと萎えるわね……ねぇ、女からキスされたら、返してくれてもいいんじゃない?」

 コーバスは軽く首を横に傾げて

「それは一般的にそういうものなのですか?」

と尋ねる。その様子がおかしかったのかフェーリスはくすくす笑って

「そういうものよ? 先生がご存知ないことがあるなんてね」

などと煽る。コーバスは「ふむ」と一言呟いてから、話題をするりと戻した。 

「サキュバスが困っているということですが」

「ええ」

「そのあたり、魔王様がきちんとそちらのご当主と相談して考えていらっしゃるのでしょう? しかし、改善すべき点はもう一つあります。本来のサキュバスは我慢がそこまで出来ない生物ではないですから、我慢が出来ないのは日頃精を摂取しすぎて、過剰なのが当たり前になっているからですよ」

「え」

「もともとわたしは魔族の生物学、特に生態学に興味を持ったことがきっかけで、自分には相当探求心というものがあると理解をしました」

「せいたいがく? たんきゅーしん?」

「そのおかげで、自ら学ぶということを知り、そして次は誰かに教えるということを知ったのでね……わたしはあなた方よりも、本来のサキュバスの身体構造などにも詳しいと思いますよ。人間の男性から精を搾り取りすぎて多く殺してしまう問題が起きた時も、どうも最近のサキュバス達は精を取りすぎる、要するに食べ過ぎという病気だという話があがったようですね。食欲が我慢出来ないと異議申し立てばかりするから、これは駄目だと人間界に行くことを禁止されたという過去のことも、きっとあまりご存知ではないのでしょうね」

「そ、そうなの……?」

「あなた方は、たまには自分の一族の歴史ぐらいは学んだ方が良いですよ。とはいえ、サキュバスのみなさんの方が、まだインキュバスの方々よりは幾分か聞き分けが良いので、そこは評価しています」

 フェーリスは肩を竦めて見せて

「わかってて言っているんでしょ? わたし、先生の授業をここで受けたいわけじゃないのよ」

と実に嫌そうな表情で、また唇を可愛らしく尖らせたが、コーバスは「これが授業だというならば、対価が必要ですよ」と言って、更に彼女の不興を買った。
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