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届かぬ心(2)☆

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「あ、あっ……!」

 アルフレドはもう一度リーエンに口付ける。彼の舌が、吐息が熱い。今度は口付けの間、彼はリーエンの指に自分の指を絡めてベッドにその手を押し付ける。恋人同士のようだ、と思いながらリーエンはなされるがままになる。

「くそ……好きだ……お前に、早く……早く入れさせろ……!」

「きゃっ……っ!!」

 それまで、キスをして、耳を嬲って。たったそれだけだったのに、突然アルフレドはリーエンの足を掴んで大きく開かせた。繋がることは覚悟をしていたが、それでも彼の豹変にリーエンはついていくことが出来ない。

「あ、あ、駄目、嫌っ、そ、んなっ……恥ずかしいっ、そんなっ……」

 アルフレドはリーエンの腰を高く持ち上げさせ、彼女の足を両肩にそれぞれかけると体を折って彼女のクリトリスに舌を這わせた。わざと、ちゅっ、ちゅっ、と音を立ててキスをして、舌でじゅるじゅると舐めて、キスの最後には強く吸いあげて。それを何度も何度も繰り返すうちに、すっかりそこは無防備になって、僅かな刺激でもリーエンは声を抑えられなくなってしまう。

「あっ、あっ、あ……熱い、熱い、痺れるっ……痺れちゃうっ、アルフレド様……強すぎます……」

 リーエンの訴えに答えず、アルフレドは彼女の入口に舌を這わせる。クリトリスへの充分な刺激のせいで、既にそこは濡れそぼってはいる。だが、迎え入れる準備は始まったばかりで、徐々に開こうとしている入口に彼は舌をねじこんだ。

 リーエンは舌が入って来る慣れない感触を嫌がり、腰をくねらせて抵抗をした。が、アルフレドはその体を押さえつけるように両腕を伸ばして彼女の白い腰を挟んで抑えながら、柔らかい乳房に指を食い込ませる。何度か乱暴に揉んでから乳首と入口を同時に攻めたてれば、堪らずリーエンはすすり泣くような声をあげた。

「やっ、駄目、駄目ぇっ……一緒、一緒、されるの、駄目ですっ、あっ、あ、あ、そんなのっ……」

 厭らしい音を立てながら舌で恥ずかしいところを舐められ、吸われ、時折彼の鼻が自分の股間に当たる感触はリーエンには耐えがたい。足をばたつかせると、しゅる、と何かがリーエンの足首に巻き付いた。それは、今まで見たことがなかった彼の尻尾だ。驚きと共に、彼が本当の姿で自分を抱いてくれている事実は、リーエンの心を熱くした。が、そんな微かな喜びもつかの間、爪ではじかれ、指の腹でくにくにと円を描くように刺激されてから、つままれて擦り合わされ乳首から体にびりびりと走る快感に、リーエンは嬌声をあげる。

 駄目だ。もう、抵抗出来る気がしない。たった2度体を重ねただけなのに、すっかり体は彼の指に翻弄されることに慣れてしまっている。気持ちがいい、とあっさりとリーエンは認めて、そのことへの羞恥に涙を浮かべる。どうしよう。こんなに恥ずかしいことをされているのに、気持ちがいい。恥ずかしい。気持ちがいい。熱い。熱い。膨らんだ乳輪を彼の指先に撫でられ、それから無遠慮に強めに乳首をこすりあげられ、リーエンは「ふおっ!」と仰け反った。その瞬間、下腹部が締め付けられたような、逆に何かを押し出そうとしたかのような、無意識の反応で彼女の入口を潤す。自分の内側に熱い液体が通る感触に、リーエンは足先をひくつかせた。

(なんてはしたないの、わたし……気持ちいいっ……胸の先がじんじん痺れて……ああ、こすられるの、少しだけ引っ張られてすりすりされるのっ、気持ちいい……)

 気持ちが良くて、体がどんどん彼のために拓いていく。そうだ。彼はあんなに性急だったのだし、自分の体のことをよくわかっているわけではないけれど、もう、中に入れてもらってもいいのではなかろうか……リーエンがそう思って、荒い息をつきながら彼を見ると、アルフレドは入口から顔をあげ、リーエンの太ももにキスをした。

(アルフレド様……やっぱり、苦しそうに見える……)

 一瞬、彼は額をリーエンの太ももにつけ、動きを止める。が、すぐに気のせいだと言わんばかりに愛撫を再開し、もちもちとしたリーエンの太ももに彼は歯を立てた。それを、リーエンは「本当に食べられている」と思い、何故か嬉しく思う。

「く、そ……」

 歯を立て、唇を離し、それからもう一度歯を立てて、また離して。アルフレドは恥ずかしい恰好のリーエンを見下ろし、熱い息を吐きだした。

「あ……」

 リーエンはその彼を見上げ、美しい人は苦しんでいても美しいのだとぼんやり思う。同時に、その彼が自分の体を求めているのだと思うと、こんな状況でも喜びを感じてしまう。愛しさというものは、人間だろうが魔族だろうが等しく頭を「馬鹿」にしてしまうのだ……そんなことを思ってリーエンは泣き笑いを浮かべた。

 アルフレドはもう一度「くそ」と吐き捨ててから、彼のごつごつとした熱いものをリーエンの入口にあてがった。先程まで人間のものと比べ物にならないほど大きく膨張していたそれの大きさをリーエンのために調節する。彼のそれは、本当にいきり立った時はリーエンの子宮を貫いてしまうほどの長さになる凶悪なものだ。頼まなくても調節をしてくれたことにリーエンは心底安堵するが、それでも未だ挿入は緊張する。

 じっと見ているリーエンに気付くと、アルフレドは妖艶さすら感じさせる苦し気な笑みを浮かべた。

「そろそろ食わせろ……お前の内側を……」

 そう言って、何度も何度もリーエンの入口を自分の先端で擦ればそれはぬるぬると愛液にまみれる。これが、中に入るのだと教え込まれてリーエンは恐れると同時に、少しずつそれを飲み込もうとしている自分の体に気付く。彼女が瞳を閉じて熱い息を吐きだすと、彼はゆっくりとリーエンの中に入っていった。



 どれほど時間が経っただろうか。足を開いて持ち上げられたまま激しく揺さぶられて、リーエンは堪らず苦しそうに呻き声をあげた。だが、下腹部から頭に突き抜けていくような快感が強すぎて、呻いているのにあまりにも気持ちが良い。

 繋がったところが熱すぎて溶けそうだ。ぱんっ、ぱんっ、とアルフレドが腰を打ち付けるたびに、肌と肌がぶつかって震え、音が寝室に響く。その音と、快楽でとめどなく流れ続ける水音がぷちゅぷちゅと共に聞こえて、リーエンの羞恥を煽って快楽を加速させる。

「あっ、あ、お、お、強っ、い、つ、よっ……」

 ごりごりと内側をえぐりながら、彼のものがリーエンの奥を何度も何度も突く。時折、もげるかと思うような力で乳房をひっぱられて胸が痛むが、それと同時にふくらみきった乳首を彼の指が無遠慮に刺激をして、快感で痛みを上書きされてしまう。硬いものが奥まで入った状態でリーエンが体を跳ねさせると、勢いでずるりと彼のものが抜けていく。跳ねた反動で腰が落ちて戻ると、アルフレドは意地悪くそこを突き上げて、先程より深く強く自分のものをリーエンの中にねじこんだ。

「おおおおおおっ……!!」

「今までで、一番深く入っているぞ」

「あ、あああ、あ」

「ほら」

 アルフレドはリーエンの手を握って、彼女の下腹部に導く。

「ここに、俺のものがいるのがわかるだろう? そして、ここが、お前が感じる場所だ」

 恐る恐るリーエンは自分の下腹部をさすった。中に、何かがある。いや、何かではない。それはアルフレドのものだ。

「……そのまま、触れていろ」

「え、え……んあああああ!?」

 突然、内側に入っている彼のものが膨張する。リーエンの体は何をどう反応したのかよくわからないが、びくりと両足がバネのように跳ねあがる。体を緩ませなければ苦しいだろうに、異変を感じて強張ってしまう。

「おおき、く、おおきくっ、や、やっ、こんなっ……お願いっ、動かさないで、動かさないで……」

「大丈夫だ。ほら」

「あ、あっ、あんっ、や、あ、あ、あ、あ!」

 アルフレドは彼女の手の甲に自分の手の平を重ねて、ぐっ、ぐっ、と女性らしい下腹部を押した。知らない快楽にリーエンはがくがくと体を震わせる。先程よりもはっきりと感じる彼のものと、自分の手の平。それに挟まれたその場所は、押されるたびに強烈な快感を体に走らせて、強張った体を無理矢理再び快楽の濁流に委ねさせてしまう。

「や。やだあ。や、そこ、や、アルフレド様っ、わ、わたし」

「なんだ?」

「それ、駄目です、なんだか、なんだか、なんだか」

「なんだ」

 意地の悪い表情でアルフレドは小さく笑いながら、繰り返し彼女の下腹部を押す。もう片方の手で彼女の乳首をこすりあげながら、軽く腰を揺らせばリーエンはすすり泣くような声をあげる。

「それええええ、それ、駄目、出ちゃうっ……」

「何が?」

「やああだああああ! 子供、みたいに、も、漏らしちゃうっ、やだ、やだ……出ちゃう、出ちゃう、出ちゃう、出ちゃう!!」

「漏れるのは、小水ではない。好きなだけぶちまけろ」

「あ、あ、あ、あっ……んああああ!?」

 何かが内側からじんじんと溢れそうになる。それを必死にリーエンは耐えていたのに、アルフレドは彼女の乳首を強くひっぱり、尻尾で足を大きく開かせながら腰を打ち付けた。その瞬間、リーエンはそれまで以上に高い声をあげながら喉を逸らし、腰を持ち上げて、股間から液体を巻き散らかす。

「潮を吹きやすいとは思っていたが、今日はまた上手に出来たな。気持ち良かっただろう?」

「あ、あ、あ、あ……」

 がくがくと震えるリーエンは、自分の体のことをよくわかっていない。達したような気がするのに、達してないような気もするし、中に入ったままのアルフレドのものをしめたり緩めたりと、入口だけでなく膣全体がまるでぱくぱくと口を開けるように収縮している気がする。何が起きているのかわからない彼女の内側を、アルフレドは再びえぐり始めた。

「ふあっ……!? あ、やああやあああ、や、や、何、これ……」

 今までは達した後に「彼が出すため」に自分の体を使われていて、その時間は彼女にとっては「もう終わったのに」余韻にひたることも出来ずに無理矢理強すぎる快感をおしつけられて少し苦しい時間だった。なのに、これはそうではない。達したようなのに、まだ達していない。あんなに潮を吹いたのに、体が「そうじゃない」と彼女に知らせる。

 ぱんっ、ぱんっ、と再度音が響きだす。下半身から広がる熱はリーエンの全身をかけめぐって息苦しさを作り出すが、それ以上に絶え間ない快感に抗えない。

「気持ちい、気持ちいいっ、やだぁ、気持ちいいしか、気持ちいいしか、なくなっちゃう。奥っ、奥気持ちい、あっ、あ、あ、あ、やあだあああ、はしたない、わたしっ……やだ、やだ……」

「はしたない? そんなことはないぞ」

「だって、だって、こんな……」

 気持ちが良くて。自分で腰を浮かせてアルフレドのものを貪るように受け入れて、溢れた愛液は股を伝って太ももを濡らし、尻の方まで濡らし、それでも足りずにシーツの色を変えていく。勝手に足が開いて、もっと欲しいとせがむように動いてしまう。恥ずかしい。はしたない。これでは……。

「だってええええ、やだ、アルフレド様、アルフレド様にっ、嫌われたくなっ、こんな、恥ずかしい女だと……思われたくないっ、やああだああ、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいいっ……!」

 そのリーエンの言葉にアルフレドは眉間を寄せて「可愛いことを」と呟くと、一層腰の動きを速めた。

(可愛い……? 今、アルフレド様は、わたしに可愛いっておっしゃった……?)

 その声音は快楽に浮かされる自分への嘲笑ではない、とリーエンは思う。アルフレドに恥ずかしい女だと思われたくないという自分の気持ちを、彼は可愛いと言ってくれたのだろうか? この、荒々しいセックスをする、制御を手放した彼が?

「嫌うわけがあるか。馬鹿なことを言うな。俺がお前を嫌うわけがないだろう……」

「アルフレド様……っ……あっ、あ、あ、あっ……!」

 快楽で浮かぶ涙とは違う、心が押し出す熱い涙がリーエンの両眼にぶわっと浮かび上がる。アルフレド様だ。アルフレド様だ。アルフレド様だ……熱に浮かされて、もう細やかなことを考えられないリーエンは、ただただ今自分の体を貫いている彼が「いつもの」彼に戻って来たことを実感してしゃくりあげた。

「好きだ。好きだ。抱かずにいられない俺を許さなくていいから、許さなくていいから頼む……もう一度……」

「うっ、う、う、アルフレド様、アルフレド様っ……!」

 熱い、苦しい、気持ちいい。強烈なその3つの思いに思考が攫われそうになるが、リーエンは必死に彼の言葉を聞こうとした。彼の言葉を聞くために動きを止めて欲しいのに、体はそれまでにない大きな快楽のうねりを期待して、もっともっとと彼の動きに合わせてしまう。リーエンは泣きながら「来ちゃう、来ちゃう、来ちゃう……!」と叫びつつ首を左右に激しく振り、髪をばさばさと乱せば涙が飛び散っていく。

「好きだと言え。俺を好きだと、早く言ってくれ……!」

「あ、あ、あ、あっ、あっ!?」

 奥よりもまだ更に奥があったのか、とリーエンは混乱をする。彼のごつごつとしたものが一瞬また膨張したようで、内側で感じる場所すべてをこすりあげるように動く。あまりの強い刺激で快楽は暴力を越える力となってリーエンを襲う。リーエンの体はあっという間に追い詰められ、やがて、ドンッ、と何かが下腹部で爆発して弾けたような感覚と共に、大きな快楽の塊が体を駆け巡る。持ち上げられていた腰を更に跳ねさせ、仰け反り、リーエンはわけがわからなくなって叫んだ。

「あああああ! 気持ちいっ、きもぢいいいいいいあああっ! 好きっ、好き、好きですうううああああっ! 好きいいいいい!」

「これが好きなのか?」

 快楽の余韻に浸る前に、再びアルフレドが腰をもう一度打ち付ける。たった一度突き上げられ軽く引かれるだけでびりびりと全身は気持ち良さに支配されて「もう一度」とそれを期待する。快感は過ぎると苦痛に変わるものだが、その寸前の大きな波を体に教え込むようにゆっくり繰り返され、リーエンは泣きながら悶える。

「なんで、なんで、そんなっ、意地悪……これっ…、これ、じゃな、これも、これもす、きっ……ちがっ……あ、あ、あ、あっ……アルフレド様、アルフレド様が、好きっ、ですっ……アルフレド様っ……好き、アルフレド様っ……あ、あ、あ!」

 その先はもう言葉にならなかったが、アルフレドはそれ以上を求めなかった。2度、3度と打ち付けると「出すぞ」と言って、突き上げる速度を速めた。駄目だ、駄目だ、こんな頭が痺れて焼ききれそうな快感を繰り返されてはおかしくなる、とリーエンは暴れたが、彼女の動きはすべて絶頂を強請る女の動きへと変わってしまう。肌がぶつかる音、堪えられない自分の叫び声、繋がった部分から聞こえるぐちゅぐちゅという淫猥な音。それらすべてがリーエンの快感を膨らませていく。

「イく、いっちゃう、いっちゃう、いっちゃうっ、やああだああ、壊れちゃう、壊れちゃうっ……知らないっ、何、これ、何、これ、やっ、やっ、やっ、お、おおお……おおおおおっ!?」

 最後に深く突き立てられ同時に下腹部を上から押されると、リーエンは潮を吹きながらあっけなく達した。達したはずなのに、その波はいつまでも引かずに何度も何度も下腹部から上へ下へと絶え間なく送られ、半ば放心状態で体をがくがくと震わせるだけだ。そこへ、容赦なく熱いものが注ぎ込まれる。

「あ、あ、あ……?」

 わけがわからなくなって、リーエンはアルフレドを見上げた。自分の白い足が情けないポーズで大きく開かされており、そこに深く突き刺さったままの彼のものはびくびくと他の生き物のように動いている。内側が熱い。熱すぎて溶けそうだ。混乱したまま、ゆっくりとリーエンは弛緩していく。

「で、てるぅ……駄目……そんなに……」

 僅かにアルフレドが腰を引くと、ぶちゅっと聞き慣れない音と共に白い液体がリーエンの股間からわずかに流れる。が、彼はそのまま抜かずに、もう一度それをリーエンの奥まで突いた。入口に流れて来ていた精液がびゅっと外側に飛び散ってアルフレドの腹部を汚すが彼は気にせず、もう一度腰を引いてうちつけた。そのたびにぐちゅぐちゅと2人のものが混じった液体が飛び散っていく。リーエンは声もなく、足を大きく開いたままなされるがままになり、体を震わせるだけだ。

「ああ……リーエン、リーエン、リーエン」

 一瞬、意識を飛ばしそうになったリーエンは、自分の名が呼ばれていることに気付く。アルフレドは彼女の中に入ったまま、ゆっくりと体を折って彼女に覆いかぶさり、快楽の波にまだ翻弄されてぼんやりしている彼女を抱きしめた。

「好きだ……好きだ……すまない……好きだ……」

「アル……フレド……様……?」

 ほら、やっぱりアルフレド様だ……うっすらそう思ったけれど、リーエンはあまりの疲れで声を出すことも、自分に覆い被さる彼を抱きしめることも出来ない。

「今、抜いて楽にしてやるから、少し待ってくれ」

 けだるさに「はい」と返事をすることもままならないリーエンを労りながら、アルフレドはまだこのまま何度でも交われるほど猛った自分のものを無理矢理小さくして彼女の中から抜いた。彼の体はもっと、と物足りない、と言っていたが、それとは別に心が満たされていることも事実で、ついにアルフレドはそれを初めて実感することが出来た。

「リーエン。疲れているだけか? 苦しくはないか」

 アルフレドは、今までリーエンが見たことがないような、眉根を寄せて今にも泣きそうな、感情を露わにした表情でリーエンを見下ろす。ぼうっとそれを見上げたリーエンは、今の彼の方が10年前の彼より余程子供のように見える、と思って小さく微笑んだ。

「ね……治療……これで終わりましたか……? 足りたでしょうか?」

 掠れた声でリーエンがそう尋ねれば、アルフレドは「こんな時にまで律儀でしっかりしているのだな」と苦笑いを浮かべる。

「……そうだな……これは、治療だったな……ああ。今はもう足りている。セックスをもっとしたいとは思っているが、それはお前が好きだから思ってしまう、素直な気持ちからのものだ。今までの……喉が渇いているような、食欲だけのようなものとは違う……」

「良かった……」

 彼のその言葉に心から安堵して、リーエンは力なく笑ってからついに意識を手放した。アルフレドは、力を失ったリーエンの手をとってその甲に口付けると、もう一度「すまなかった……ありがとう……」と呟いた。それから、彼女を抱き上げると、自分の寝室に転移をした。
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