褐色の歌姫は竜頭の戦士に恋をする

今泉 香耶

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11.一度だけでは終わらない

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「はっ……はあっ……」

「そろそろいいかな」

 軽く達した余韻を残したまま、とろんとした表情でイーヴィーは体を起こす。

「んっ!」

 動いただけで、自分で自分の股間を刺激したように感じてしまって声があがる。それを恥ずかしく思い、情けない顔をアルロに向けるものだから、アルロはまた笑った。

「大丈夫だ。感触を十分覚えて感じたままの方が、入れやすいのだし」

 横になったアルロの腰にイーヴィーが跨れば、彼女の太もも付近から愛液が足にしたたり落ちていく。自分がどれほど濡れていたのかを改めて確認して、イーヴィーは更に体を熱くする。

「良く感じて、良く濡れる可愛い人だ。竜の頭では、あまり多くのことが出来ないので、これだけ感じてくれるとありがたいし、感じているあなたはとても可愛いな」

「そ、そうでしょうか……あの、こ、これを……」

「うん」

「入れられる、でしょうか」

「大丈夫だ。わたしも助けるし、十分すぎるほどあなたの内側は柔らかく、わたしを受け入れる準備が出来ている。そうだな、まっすぐではなく、少し尻を後ろに突き出す感じの方が、いい角度になるだろう」

 入れなければいけない。入口も自分で開かなければいけない。イーヴィーはゆっくりと彼のペニスの先端に自分の入口をあてがった。先ほど、彼が指を入れた時のように、最初は自分の体が抵抗することをわかっている。だが、一度くわえこんでしまえば、吸い付いてしまうことも。

「あ、あ……」

 が、イーヴィーが腰を落とすと、ぬるりとペニスは逃げてしまう。

「ゆっくりでいい、ああ、十分濡れ続けて、いい子だ」

 アルロはイーヴィーが押し付けた入口に、自分のペニスの先をぐりぐりとこすり、彼女の内側からまだ溢れてくる愛液を塗りつけた。もう一度、と腰を落とすイーヴィーに合わせて、先ほど指を入れていた角度を思い出しながら、アルロも腰をあげてゆっくりとねじこもうとする。

「っあっ、あ!」

 ずるりと先端を呑み込んだ、と思った瞬間、イーヴィーは息をひっと飲んだ。ぞわぞわと体中にそれまで感じなかった快楽を感じ、そのまま腰を落としていく。

「上手だ。ああ、凄いな……温かい……」

 ゆっくり腰が沈む。じわじわと彼女は彼のペニスを飲み込み、彼に腰を支えられながら半分ほどのところで息をついた。

「は、入って、い、ます? ……よね?」

「入っている。大丈夫だ……そのまま」

「あっ、あ、そこ、今駄目ですっ……」

 アルロに跨って膝立ちになっている状態のイーヴィーは、クリトリスを刺激されて抵抗をする。感じて動けば、抜けてしまうのではないかと拒むが、アルロは強引に腰を突き上げた。

「ひあっ!?」

「これで、残り3分の1だ」

「あー……あ、あ……」

「ここだ。思い出しなさい」

「んんっ、あ、あ、やっ、凄いっ……」

 内側で感じた場所。彼の指で声をあげた場所。それをペニスの先がえぐる。

「自分で」

 アルロはそれしか言わないが、言葉の意味はわかる。イーヴィーはゆっくりと息を整えてから、アルロにされたように自分が感じる場所に彼のペニスをぐりぐりと当てていく。

「あっ、す、ご、いっ……」

 激しくはまだ動けないが、えぐられる場所を中心にして、快感が全身にやんわりと広がっていく。素直に気持ちがいい、と思い、イーヴィーは少しずつそこを擦ることに夢中になっていく。

「あ、あっ、ああ、あっ、ここ、気持ちい、気持ちい……」

「覚えが早い子だな」

 そういうと、アルロは彼女の両手首を掴み、ぐっと自分の腰を突き上げた。

「ひあっ!!」

 快楽で緩んだ内側をかきわけ彼のペニスがすべてねじ込まれると、イーヴィーは背を逸らして声をあげた。すべてが入りきった圧迫感で息苦しい中、彼女が感じる最奥へ強く一突きされでびくびくと背をそらせたまま体を震わせる。

「あ、あ、あ、あ」

「すべて入ったぞ。後は、どうするかわかるか?」

「ああ、あ、くるし、です……」

「さすがにキツいか」

「苦しいけど……嬉しいです。動けばいいんですよね……?」

 ゆっくりと腰を上下させるイーヴィー。どうしても一度抜くと、次に奥に沈める時に埋めきれない。だが、うまくいかない間でも、彼女は自分が感じる場所を刺激しながら動き、決して愛液が乾くことはない。

「あっ、あ、あ、あ、アルロ様……少しは、わたし、うまく出来ていますか……」

「うまくなってきた」

「ふふ……嬉しい」

「わたしも動くから、合わせなさい」

 アルロは腰を再び突き上げた。自分で動いている以上の勢いでペニスが出入りし始めて、イーヴィーは「かはっ!」と一瞬苦しそうな声をあげたが、腰の動きが合えばその苦しさも減っていく。彼女の中でアルロは更に膨張して大きくなっていたが、それに気付かぬほど、与えられる快感に体が支配されていってしまう。

「あっ、あ、あ、あ!」

 アルロの硬い胸に両手をつき、彼に体重をかけるように体を丸めて腰を上下させるイーヴィー。動きに合わせて存分に揺れる柔らかな胸をアルロが掴んで乳首をこすれば、抜き差ししつつもきゅうきゅうと膣内がしまる。十分に潤って熱く締め付ける柔らかな肉襞の感触にアルロも高ぶり、彼もまた荒い息を吐き出す。

「いいぞ、そのまま……深く奥まで……」

「んあああああ!」

 両手で彼女の腰を掴んで、アルロは下から腰を打ち付けた。屈強な戦士の力に素直に委ねながらイーヴィーは動き、全身汗だくになりながら快楽に溺れていく。

「奥っ、奥、ごつごつ突かれてっ……気持ちいい、気持ちいいっ……すごいっ、ああっ、あ、あっ、ああーーーーっ!」

 大きくなったペニスにえぐられて、ぐぼぐぼと卑猥な音が響く。あまりの快楽に涙がまた零れるが、イーヴィーは

「あはっ、気持ちよくて、涙が出ちゃいました……凄い……」

とアルロに笑いかける。

「そうか。いいぞ。泣くほど、もっと好きなように貪欲に味わいなさい」

「はいっ、はいっ……気持ちい、気持ちいいっ、ね、アルロ様っ、わたし、やっと……」

 自分が感じる場所を突くように腰を振りながら、抜く時にも離さぬようにと締め付けるイーヴィー。熱くてとろとろの内側を、同じように熱い肉棒に突かれてえぐられて追い詰められる快楽。それは、今だからこそ手に入れられる、愛があるから感じるものだと心から思う。

「やっと、あなたに、妻だって……あなたのものだって、マーキングしてもらえるっ……嬉しい、嬉しいっ……ね、早く、早く出して。出して、気持ちいいから、気持ちいいまま、あなたのが、欲しいです……早く……!」

「凄いおねだりだな。すぐにでもくれてやるから、最後まで頑張りなさい」

 アルロはそう言うやいなや、ぐいと自分の上半身を持ち上げた。異様な筋力で、起き上がりきらないとんでもない角度を維持し、それまで以上に彼女が感じる角度でえぐりだす。

「んあっ!?」

 イーヴィーはペニスが抜けるのではないかと思うほどの勢いで背を逸らせたが、アルロはその腰が引けるのを許さない。

「あっ、あっ、あっ、あっ、これっ、あっ、あっ、あっ、いっ、ああっ、あっ!」

 動きに合わせて意味のない言葉だけがイーヴィーの口から漏れ、柔らかな乳房はそれまで以上にぶるぶると激しく揺れ、美しい栗毛は宙を舞う。左右に揺れるように仰け反って、腰の動きに合わせて首を傾げる様ですら、まるで舞っているように美しいとアルロは思う。
 がくがくと揺られながら、上から涙目で見下ろしつつイーヴィーは甘えた声を出した。

「出してええ、早くう、早く、ください……!」

 きゅう、と内側を一層締め付けられ、言葉以外のおねだりも忘れない。良く出来たいやらしい子だ、と思いながら、アルロは彼女の我侭を受け入れた。

「そろそろ出すぞ」

 彼もまた、ふっ、ふっ、と息を荒く吐き出しながら、自分の絶頂を迎えようとしている。そんな彼の様子を初めて見て、イーヴィーは「可愛い人」と思いながらも快感に翻弄された。

「うっ……出す、ぞ……うっ、う……出る……!」

 何度か打ちつけてから、ぴたりと動きを止めて中に放つアルロ。まだ動こうと跳ねたイーヴィーの腰を強く掴んで引き寄せて、僅かにでも動かぬようにと強くすりつける。内側でびくびくと熱い塊が脈打つように跳ね、何度も繰り返し熱い精をどくどくと吐き出していく。

「うっ、ん……」

「んっ、ん、ん、あっ、あ……!! ああああああ! あ、あ、熱いっ、熱いの、熱いの流れてっ、あ、あっ、どくどく、してるっ……」

「まだだ……もう一度」

「!」

 初めて内側に放たれて体を震わせながら呆けそうになったイーヴィーは、それが終わりなのだと思っていた。だが、彼は放った後も何も衰えることなく再び彼女を突き上げ始めた。
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