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欲しいものは
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徐々に離れて行くイグニスの悲痛な顔に、泣かないでと、届かないとわかっていて手を伸ばそうとすると、黒い影に視界を遮られる。
『君ハ俺ノ〈ツガイ〉ダ』
「…私の〈つがい〉はイグニスさんです。」
実際はまだ言われてないけど、みんなの感じは絶対〈つがい〉だよね。これで違ったら…
『魔力ガ戻レバ人型ガ取レル。俺ガ、イグニスニ成レバイイ。』
言ってる意味がわからない。
「貴方はイグニスさんじゃない。
中身は別人でしょ。私は…」
『ココニハ君ト俺シカイナイ。俺ガヤツニナレバイイ。』
本当に意味がわからない。
ゆっくり水に沈んで行くかの様に落ちて行く。
ゆっくりイグニスさんとの距離が離れているんだ…グッと胸が痛くなる。苦しくなる。
あー、私はイグニスさんの事…
「イグニスさんは絶対私を探し出してくれる。」
『…ナンデ、アイツバカリ!ナンデ!ナンデ!ナンデ!ナンデ!ナンデ‼︎』
突然狂った様に叫び出した黒い影は、どんどん濃度を増し、徐々に人型をとり始めた。
怖い…
涙がでそうになる。
助けて…
イグニスさん、助けて…
恐ろしい程の怒りに震える体を、後ろから優しく抱きしめられた。
「ルウ、俺の〈つがい〉。」
えっ?
「イグニスさん?なんで?」
イグニスの優しい声と逞しい腕に抱きしめられて、涙が溢れてきた。
「ルウのいない世界では、俺はもう生きていけないから。」
「私も…」
後ろから回った腕を抱きしめて溢れる思いを口にしようとしても嗚咽混じりに一言しか声にならなかった。
『君ハ俺ノ〈ツガイ〉ダ』
「…私の〈つがい〉はイグニスさんです。」
実際はまだ言われてないけど、みんなの感じは絶対〈つがい〉だよね。これで違ったら…
『魔力ガ戻レバ人型ガ取レル。俺ガ、イグニスニ成レバイイ。』
言ってる意味がわからない。
「貴方はイグニスさんじゃない。
中身は別人でしょ。私は…」
『ココニハ君ト俺シカイナイ。俺ガヤツニナレバイイ。』
本当に意味がわからない。
ゆっくり水に沈んで行くかの様に落ちて行く。
ゆっくりイグニスさんとの距離が離れているんだ…グッと胸が痛くなる。苦しくなる。
あー、私はイグニスさんの事…
「イグニスさんは絶対私を探し出してくれる。」
『…ナンデ、アイツバカリ!ナンデ!ナンデ!ナンデ!ナンデ!ナンデ‼︎』
突然狂った様に叫び出した黒い影は、どんどん濃度を増し、徐々に人型をとり始めた。
怖い…
涙がでそうになる。
助けて…
イグニスさん、助けて…
恐ろしい程の怒りに震える体を、後ろから優しく抱きしめられた。
「ルウ、俺の〈つがい〉。」
えっ?
「イグニスさん?なんで?」
イグニスの優しい声と逞しい腕に抱きしめられて、涙が溢れてきた。
「ルウのいない世界では、俺はもう生きていけないから。」
「私も…」
後ろから回った腕を抱きしめて溢れる思いを口にしようとしても嗚咽混じりに一言しか声にならなかった。
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