落ちた先で強面寡黙な彼を知らぬ間にヤンデレに進化させていたらしい

たま

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守護者

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ここは呪われた町、男しか居ない時の流れから切り離され、取り残された町。
昔とはお前達からした昔だな。なんせこの町はずっと同じ時を過ごしているからな。

歳はとらんが過ごしてきた時は長い。
迷い込んで来る者達から聞く話で数百年は経っているらしい。

まあ、お前さんからしたらわしらのとばっちりを受けた様なものだ。罪滅ぼしに迷いびとには、住人が面倒を見るようにしている。

今回発見したのは…

「俺です。」

「うん。イグニスなら安心だ。頼んだぞ。」

イグニスさんを見ると、歓迎されて無い気がする。
ガタイのいい…ゴリマッチョだ。顔もかなり厳ついおっさんだ、強面だな。

初対面で面倒みろって言われても確かに困るよね。
分かります…でも、睨むな!怖いから!

でも…綺麗なブルーの瞳

「じゃあ、契約の絆を結ぼうかのう。大丈夫、仮の契約で後から変更も可能だからな。こちらの誠意を見せる為だと思ってくれてかまわない。」
長老様に手を出すよう言われ、黒い皮手袋を外し差し出す。イグニスさんと手を握り合うと、イグニスさんは少し驚いた顔をした気がした。

長老様の聞いた事の無い言葉と共に赤い糸が2羽の鳥の形を取ると1羽ずつそれぞれの手の甲に移っていった。

「なにこれ?」

「契約魔法だ。」

だからなんだよそれ!
強面なくせにファンタジーだな‼︎

「お前さんも契約魔法を知らんのか。
本当に契約魔法すら無くなってしまったのか…

まあ、男ばかりの町だからな。お前さんの貞操を守る為じゃよ。そうなってもいいと思える奴が出来たらそ奴と結び直してやるから大丈夫だ。それまではイグニスと、イグニスは大丈夫じゃ。町の門番は信用出来る者しか任せておらんからな。イグニスから無理に奪おうとする奴はいない。その手の印はお前さんを守ってくれる。」

いや、意味分かんねーし…男だけって…貞操の危機やら無理に奪うだとか、こんな手品の赤い鳥でどうやって安心しろってんだよ。

姉様を探しに来ただけなのに…
ライダースジャケットのファスナーを少し下ろし、内ポケットからスマホを取り出す。
画面が暗く電源が落ち、立ち上がる気配も無い。

姉様の前にまず自分の救出だね。
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