獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない

たま

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アレスの希望

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城に戻るが、竜王様のつがい様との面談までまだ時間がある。図書室へ行ってもう少し調べるか…

動き回って何かしていれば気も紛れる。だがこうしてふと立ち止まる瞬間、今度こそ本当に俺はつがいに会う事がで出来るのか、とてつもない不安に襲われる。一瞬で消えた俺のつがいの背中を思い出すと、あの時の痛みも甦る。息が止まった、心臓が砕けたのかと思った、そして更なる痛みが身体中に走り、余りの苦しさに叫び出していた。戦に置いた身だ生死を彷徨う様な目にも少なからずあってきたはずなのに…あの時の痛みを思い出すたびに、俺の内側が崩れ落ちていっている気がする…

冷静になれ、冷静に、まだ大丈夫…まだ、大丈夫

ふと目に入った窓ガラスに映る自分の姿にため息がもれる。

「まずは、身繕いか…つがい様は俺のつがいの保護者みたいなもんだからな。親にも誠実な所を見せといた方がいいらしいしな。」

竜王様も臭いと嫌われるって言ってたし、髭も剃るか…
俺の顔は人族に受けが良かったしな。
今まではウザいだけだったアイツらの評価に縋る事になる日が来るとはな…

まだやる事がらある。まだ出来る事がある。だから、まだ大丈夫…まだ

その前にまず体を少し動かしてくるか

「我々獣人は少し疲れてる位が衝動を抑えられるみたいだしな。兄上に相手を頼んでみるか」

余計な事を何も考えられなくなるまで…

あー、早く会いてーな。

・・・

やばいな…想像しただけでこれだと…

一応抑制剤も用意しておくか。これは…1番強いのが必要だな。
念には念を入れて龍王のつがい様にお願いしておくか

おちおち休んでる暇はねぇな。

兄に連絡を取るとすぐにでもと返事をもらえたので、急いで抑制剤の手配を済ませ闘技場へ向かう。

俺のつがいが消えた場所でなんの希望もないままそこにいる事しかできなかったあの時より今は希望がある、やる事がある、出来る事がある。逆に今は時間が足りないくらいだな。そう、俺はまだ大丈夫、まだ壊れていない。




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