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マイルズ

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「断る!俺があんたのつがいと話してもなんのメリットもない。それに今俺は忙しい。そんな暇はない。」

アレスは蛮行のあと連れて来られた部屋に大人しく閉じ込められていた。部屋の前に一応配置見張りの兵はいるが、コイツの戦闘能力を考えると建前としての飾りでしかない。

「あなたのせいで王はまだつがい様の元へは行っていませんよ。あなたのせいでね。」

都合が悪くなったからか、本当に忙しいのか、お前のせいだと釘を刺せば再び机の上の紙の束にむかいだした。

コイツが何をしているのかは大体わかっている。襲ったのは雄の獣人と雌の人族のつがいだ。それもつがいになってそう時間の経っていない若いつがいから順に。限られた時間の中で効率的に有用な情報を得て捉えられたこの時間で分析か。無駄がないな。そうすると確かにコイツにしてみれば今欲しい情報ではない。だが

「確かに今は貴方にメリットはないかもしれない。だがいつか必要になるのでは?そして必要になった時では、遅いのでは?」

アレスの動きがピタリと止まっる。

おそらく王とつがい様と話し合い、自分のつがいへの説明とある程度時間が掛かるだろうと考えているんだろう。そしてこれから必要になるかもしれない情報が今ならなんの障害もなく得られるこんなチャンス逃すはず

アレスがゆっくりと顔をあげる

「今すぐなら、構わない…」

歪みそうになる口元を引き締め平静を装い

「もちろんです。
ではすぐ移動いたしましょう。」
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