獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない

たま

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獣人の国マカミ2

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ハミットが魔の森のブルージョアとリューネにつがいの話をしに行く少し前


マカミ国竜王であるハミット、首席文官マイルズ、将軍ガイルは城の執務室で頭を抱えていた。つがいを見失って放心状態で廃人寸前という状態だったアレスが王であるハミットに頼み込んで転移魔法でマカミ国に帰ってからの奇行に3人揃って頭をかかえていた。

真っ先につがいに会いに行こうともせずに国に帰る事を願い出た部下に心底驚いた。まずやらなければならない事があると言われ連れ帰ってからが酷い。人族のつがいがいる獣人族の家に今から行くとだけ連絡すると1軒1軒襲撃の如く押し入り抗う獣人族を蹂躙していくという蛮行に出たのだ。

「で、奴は今どうしてる?」

マイルズとガイルはお互い顔を見合わせると

「何軒目かの襲撃先から出て来たところを見つけた。アレスは無駄に戦闘力が高いからな。奴の兄貴を連れて行ったんだが特に抵抗はなかったぜ。今は大人しくしてる筈だ。」

「被害に遭った者達ですが、なんというか…特に訴える事はしないそうです。なんでもアレスのおかげでつがいとの関係が良い方向に向かってるとかで…」

ガイルとマイルズの話しから、とりあえずアレスの蛮行は落ち着き、被害者は…怒ってはいないと?・・・どういう事だ?

「落ち着いているならいい…いいのか?」

「いいんじゃねえか。被害者もどっちかっつうと感謝してる感じだったしな。」

考え込んでいるマイルズに呼びかけると

「王、お願いがあります。私のつがいとアレスを会わせたいのですが」

マイルズの提案にガイルと共に驚く。マイルズのつがいも人族だが、決して誰とも会わせず外に出さず大事に大事に囲っている。それを今日よく分からない蛮行、奇行を犯した奴に会わせたいと。

「あっ!そういえばアレスが王のつがい様に話が聞きたいっていてたぜ。」
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