上 下
18 / 24

ブルージョアナの過去

しおりを挟む
久しぶりに遠い過去が蘇る。

わしは物心着く頃には山奥に祖父母と3人で暮らしておった。隠れるかの様に隠されるかの様に

たまに祖父が幾日か居なくなる日があった。多分人里に降りて山で採れた物を売って必要な物を買って帰ってくる。わしの世界は山奥の小さな家と祖父母の小さなもんだった。祖父は寡黙な上に山で狩りをしたり、人里での売買であまり居らず話相手は祖母だけだった。

だから今考えても千年生きて大切だと言える人はその2人だけ。見送ったのも奴のつがいになる前だから竜人族のつがいとしては恵まれていたのかもな。わしは人里に降りる方法も 分からず1人で生きて行くしかなかった。他の生き方を知らんから。

ある日突然祖母が亡くなり話相手がいなくなった。そして祖父が狩りから戻らず1人になった。耐えられなくなった時、自分も含めて全て壊してしまいたくなった。祖母に絶対に触れてはいけないと厳しく言われていた木札を壊した。わしはただ祖母の所に行きたかったんだが、それは阻害魔法具だったらしい。阻害魔法が消えた瞬間奴が竜化したハミットがまさに飛んで来て腰を抜かしたがな。

もしかしたらわしはハミットから隠されていたのかもしれんな…

…いや、なんでもない。おそらく成人前だったわしに奴は先生として色んな事を教えてくれた。薬師という仕事を教えてくれたのも奴だ。だから、わしは人族側としては殆ど何も知らんのだ。すまない。

だがなリューネお前さんとわし似ている部分も多い。お前さんもこの世界の事をあまり知らん、この世界との関わりも2年と希薄じゃ白狼とつがって寿命がどれだけ伸びようがわしの様に気が狂う事もおそらくなかろう。

「さっきの獣人達の話の中にはあまり出てきてなかったようですが、獣人族は長寿な種族なのですか?それとも狼獣人だからですか?」

狼獣人もそうだが、獣人族は人族より身体は頑丈だがそれ程寿命は変わらん。だが例外もある。竜人族もそうだが白狼族も神獣じゃから竜人族程ではないが長寿な種族になるな。お前さんのつがいも狼獣人でなく白狼になる。正確には分からんが…多分200歳位はいってると思うぞ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

ヤンデレお兄様から、逃げられません!

夕立悠理
恋愛
──あなたも、私を愛していなかったくせに。 エルシーは、10歳のとき、木から落ちて前世の記憶を思い出した。どうやら、今世のエルシーは家族に全く愛されていないらしい。 それならそれで、魔法も剣もあるのだし、好きに生きよう。それなのに、エルシーが記憶を取り戻してから、義兄のクロードの様子がおかしい……?  ヤンデレな兄×少しだけ活発な妹

こんにちは、女嫌いの旦那様!……あれ?

夕立悠理
恋愛
リミカ・ブラウンは前世の記憶があること以外は、いたって普通の伯爵令嬢だ。そんな彼女はある日、超がつくほど女嫌いで有名なチェスター・ロペス公爵と結婚することになる。  しかし、女嫌いのはずのチェスターはリミカのことを溺愛し──!? ※小説家になろう様にも掲載しています ※主人公が肉食系かも?

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

【第一章完結】半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?

拾った宰相閣下に溺愛されまして。~残念イケメンの執着が重すぎます!

枢 呂紅
恋愛
「わたしにだって、限界があるんですよ……」 そんな風に泣きながら、べろべろに酔いつぶれて行き倒れていたイケメンを拾ってしまったフィアナ。そのまま道端に放っておくのも忍びなくて、仏心をみせて拾ってやったのがすべての間違いの始まりだった――。 「天使で、女神で、マイスウィートハニーなフィアナさん。どうか私の愛を受け入れてください!」 「気持ち悪いし重いんで絶対嫌です」  外見だけは最強だが中身は残念なイケメン宰相と、そんな宰相に好かれてしまった庶民ムスメの、温度差しかない身分差×年の差溺愛ストーリー、ここに開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生したら竜王様の番になりました

nao
恋愛
私は転生者です。現在5才。あの日父様に連れられて、王宮をおとずれた私は、竜王様の【番】に認定されました。

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」

処理中です...