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第三話 親に似るもんだ~あんまりお父さんには……
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家に帰って、カナエの話を聞いた。
「マジで?シュンもユイも無事でよかった~」
「「王直属の騎士団?へなちょこだったよ」」
「あ、そうなの。でもスカウトの話ねぇ、正直シュンとユイは年齢的にまだまだって感じだからライガだけ行ってきて」
「了解」
「「各ギルドの代表もへなちょこでね、レイカねーちゃんの相手になんなかった。決勝戦のやつ、なんかレイカねーちゃんを口説こうって感じだったけど、レイカねーちゃんが「タイプじゃない」って一蹴して最後は落とし穴に落として。見ていて爽快だったよ」」
「何をお前ら、優勝決まった瞬間二人して『よかった~』とか言ってたクセに。でも、参ったな。レイカ、嫁の貰い手ないんじゃないか?」
「あるにはあるんだけど、私の理想ってもんがあるじゃない?そうすると、なかなか……ね?」
「レイカの理想とは?」
「私よりも強い人。それだと、お兄ちゃんとお父さんしか今のところ該当しないのよ」
「親父は小躍りしそうだな……。まぁ、俺の知り合いに当たってみるか。年上だけど、この際ゼータク言うなよ」
「年上ってどのくらい?」
「うーん、俺の1,2個下だから、レイカの15才くらい年上か?」
「強いんでしょうね?」
「俺とカナエの幼馴染。昔から小突いたりしてた。あいつは方向音痴だからなぁ。修行って出てったきり帰ってないけど、どうなったんだか?あぁ、修行の前で俺よりちょっと弱いくらいだったから、現在はどうなってんだかな?」
カナエお姉ちゃんの魔法で、その人を家に呼んで(呼びかけても無理があるから)、事情説明をした。
「はぁ、レイカ姫の婿とはまた光栄だな」
うちは王族じゃないから、私は姫じゃないんだけどなぁ。うーん、見た目はまぁ合格。心なしかお兄ちゃんに似せてるのは、昔憧れてたのかな?
「レイカちゃんの話は世界各国で聞かれるよ。絶世の美女。才色兼備って」
「恐れ入ります」
お兄ちゃんが何故か返事をした。しかもちょっと照れてるし。
「何で。お兄ちゃんが話してるのよ!」
「あぁ、こいつの名前はリュート。戦士だ」
とりあえずは紹介したもらった。
「お前、何でサタハユで迫害みたいのされてなかったんだ?」
「うちの家系は流されるままに王直属の騎士団に所属してたからなぁ。しかも、結構ほったらかし。そんで、俺は修行の旅に出ては行方不明ってわけよ」
「俺、何度も王直属の騎士団に殺されかけた。あ、カナエもな。お前が行方不明で助かった~。おかげでへなちょこだったよ」
「だよな。基本的にへなちょこなんだよな。で、今はサタハユを追放されていると」
「そう、お気楽なもんだ」
「ねぇ、私の話は?」
「「悪い、忘れてた」」
私が忘れられた……。結構主役な話なのに、メインは『私の婿探し』じゃないの?
「で、リュートさんは強いの?」
「手合わせしてみる?あ、僻地に飛ばすのはやめてね。今度会うのが数年後とかになるよ?」
「また魔法でサクッと呼べばいいのよー」
「あ、そうか。カナエは相変わらず頭いいなぁ」
「あんたたちが頭悪いの!」
「さーて、どうやって戦うかなぁ?ま、いいや。とりあえず庭でも。このうちって言うか屋敷?庭が広いな」
おじいさんの所だから、屋敷だし。最近はここに家族で入り浸ってるけど。使用人さんがいるから何にもしなくてよくって楽なんだよねー。
庭か……。あんまりデカい魔法は使えないな。そういう思惑あるのかな?
「審判は俺でいいな?レイカ」
「お兄ちゃんでいいよ」視力いいし。戦闘見る目あるもんな。あ、遠くの窓から地味におじいさんが私を応援してる。後で説教だな。
「じゃあ、始め!」
私がどうしよっかなぁ?と考えてる間に喉元に剣を突きつけられた。
「勝者、リュート。おーい、あっけなかったなぁ。リュートは随分素早くなったなぁ?」
「うーん、普段と違って重たい鎧つけてないから動きやすかったし。魔法使い相手はやっぱり先手必勝でいかないと」
「そうだよなぁ」
と言いながら、何故だろう?二人、技を繰り出してる。お互い躱してるけど。
「レイカ、こいつ強くなってる。俺くらいか?そんくらい。お前、負けたしなぁ(笑)」
事実は認めないといけない。とはいえ、このままノコノコとリュートさんのとこに嫁入りするのも何だか癪だ。
「リュート、俺を倒さないと俺のレイカちゃんは嫁にやらん」
何度言えばいいんだろう?私はお父さんのものではないんだけど?でもVSお父さんも見てみたい。倒すのはお兄ちゃんでも無理があるよ~。
「では、おじさんは動かないんですか?」
「ハンデだ」
「ふーん」とリュートはお父さんのつま先を踏んで。眉間を押した。……お父さんが物理的に倒れた。
「お父さん、大丈夫?ちょっと、リュートさん何したの?」
「見てたまんまの事だけ。でも勝手に体が反応しちゃうんだよなぁ」
「お前!ズルいぞ!もう一勝負だ!」
リュートさんは似たようなことを何回か繰り返してお父さんを“倒した”。倒したというか、転倒したって感じだけど。
「親父ー、往生際が悪い。リュートは迷子になって色んな地方の色んな技を知ってるんだから。無理あるし、親父もしつこい。ほら見ろ、レイカが鬱陶しいって視線をこっちに向けてるぞ」
お父さんはちょっと、いやかなり過保護で過干渉だと思うけど、今回のはちょっと戦士として情けない感じ。お父さんとしての威厳も減った。
「では、おじさん。あらため、お義父さん。レイカさんと結婚しますね?」
「……」
「親父ー」
「……わかったよ。あぁ、俺のレイカちゃんが……」
まだ言う?いつまで私はお父さんのものなの?
「レイカさん、よろしくね」
そんなに笑顔全開で言われてもなぁ。
「はぁ、よろしくお願いします。そういえば、何才ですか?」
「気になる?この際、見た目年齢で良くない?正確な年齢はそのうちわかるよ」
まぁ、見た目が若いからいいか。ってそれでもハタチは越えてる。20代後半に見える。私と10才は違うんですけど!
「お父さんもさぁ、子離れしてよ。愛でるなら孫にしてよ。ほらユイもツカサもいるじゃん!」
「ライガ!もう一人女の子を作れ!」
「はぁ?子作りはカナエに怒られます。もう十分ってほど子供いるし」
「可愛い子を愛でたいよー」
お父さんはロリコンなの?お母さんとユイとツカサでいいじゃない?あの家ならカナエお姉ちゃんもいるし。
「男の子の気配が女の子の気配を相殺するんだよ~」自分の事を棚に上げて何という言い草だろう。
「別に俺はカナエも産み分けができるわけじゃないし、男の子を増やす可能性だってある」
「お兄ちゃん、子作り止めなよ……」
「マジで?シュンもユイも無事でよかった~」
「「王直属の騎士団?へなちょこだったよ」」
「あ、そうなの。でもスカウトの話ねぇ、正直シュンとユイは年齢的にまだまだって感じだからライガだけ行ってきて」
「了解」
「「各ギルドの代表もへなちょこでね、レイカねーちゃんの相手になんなかった。決勝戦のやつ、なんかレイカねーちゃんを口説こうって感じだったけど、レイカねーちゃんが「タイプじゃない」って一蹴して最後は落とし穴に落として。見ていて爽快だったよ」」
「何をお前ら、優勝決まった瞬間二人して『よかった~』とか言ってたクセに。でも、参ったな。レイカ、嫁の貰い手ないんじゃないか?」
「あるにはあるんだけど、私の理想ってもんがあるじゃない?そうすると、なかなか……ね?」
「レイカの理想とは?」
「私よりも強い人。それだと、お兄ちゃんとお父さんしか今のところ該当しないのよ」
「親父は小躍りしそうだな……。まぁ、俺の知り合いに当たってみるか。年上だけど、この際ゼータク言うなよ」
「年上ってどのくらい?」
「うーん、俺の1,2個下だから、レイカの15才くらい年上か?」
「強いんでしょうね?」
「俺とカナエの幼馴染。昔から小突いたりしてた。あいつは方向音痴だからなぁ。修行って出てったきり帰ってないけど、どうなったんだか?あぁ、修行の前で俺よりちょっと弱いくらいだったから、現在はどうなってんだかな?」
カナエお姉ちゃんの魔法で、その人を家に呼んで(呼びかけても無理があるから)、事情説明をした。
「はぁ、レイカ姫の婿とはまた光栄だな」
うちは王族じゃないから、私は姫じゃないんだけどなぁ。うーん、見た目はまぁ合格。心なしかお兄ちゃんに似せてるのは、昔憧れてたのかな?
「レイカちゃんの話は世界各国で聞かれるよ。絶世の美女。才色兼備って」
「恐れ入ります」
お兄ちゃんが何故か返事をした。しかもちょっと照れてるし。
「何で。お兄ちゃんが話してるのよ!」
「あぁ、こいつの名前はリュート。戦士だ」
とりあえずは紹介したもらった。
「お前、何でサタハユで迫害みたいのされてなかったんだ?」
「うちの家系は流されるままに王直属の騎士団に所属してたからなぁ。しかも、結構ほったらかし。そんで、俺は修行の旅に出ては行方不明ってわけよ」
「俺、何度も王直属の騎士団に殺されかけた。あ、カナエもな。お前が行方不明で助かった~。おかげでへなちょこだったよ」
「だよな。基本的にへなちょこなんだよな。で、今はサタハユを追放されていると」
「そう、お気楽なもんだ」
「ねぇ、私の話は?」
「「悪い、忘れてた」」
私が忘れられた……。結構主役な話なのに、メインは『私の婿探し』じゃないの?
「で、リュートさんは強いの?」
「手合わせしてみる?あ、僻地に飛ばすのはやめてね。今度会うのが数年後とかになるよ?」
「また魔法でサクッと呼べばいいのよー」
「あ、そうか。カナエは相変わらず頭いいなぁ」
「あんたたちが頭悪いの!」
「さーて、どうやって戦うかなぁ?ま、いいや。とりあえず庭でも。このうちって言うか屋敷?庭が広いな」
おじいさんの所だから、屋敷だし。最近はここに家族で入り浸ってるけど。使用人さんがいるから何にもしなくてよくって楽なんだよねー。
庭か……。あんまりデカい魔法は使えないな。そういう思惑あるのかな?
「審判は俺でいいな?レイカ」
「お兄ちゃんでいいよ」視力いいし。戦闘見る目あるもんな。あ、遠くの窓から地味におじいさんが私を応援してる。後で説教だな。
「じゃあ、始め!」
私がどうしよっかなぁ?と考えてる間に喉元に剣を突きつけられた。
「勝者、リュート。おーい、あっけなかったなぁ。リュートは随分素早くなったなぁ?」
「うーん、普段と違って重たい鎧つけてないから動きやすかったし。魔法使い相手はやっぱり先手必勝でいかないと」
「そうだよなぁ」
と言いながら、何故だろう?二人、技を繰り出してる。お互い躱してるけど。
「レイカ、こいつ強くなってる。俺くらいか?そんくらい。お前、負けたしなぁ(笑)」
事実は認めないといけない。とはいえ、このままノコノコとリュートさんのとこに嫁入りするのも何だか癪だ。
「リュート、俺を倒さないと俺のレイカちゃんは嫁にやらん」
何度言えばいいんだろう?私はお父さんのものではないんだけど?でもVSお父さんも見てみたい。倒すのはお兄ちゃんでも無理があるよ~。
「では、おじさんは動かないんですか?」
「ハンデだ」
「ふーん」とリュートはお父さんのつま先を踏んで。眉間を押した。……お父さんが物理的に倒れた。
「お父さん、大丈夫?ちょっと、リュートさん何したの?」
「見てたまんまの事だけ。でも勝手に体が反応しちゃうんだよなぁ」
「お前!ズルいぞ!もう一勝負だ!」
リュートさんは似たようなことを何回か繰り返してお父さんを“倒した”。倒したというか、転倒したって感じだけど。
「親父ー、往生際が悪い。リュートは迷子になって色んな地方の色んな技を知ってるんだから。無理あるし、親父もしつこい。ほら見ろ、レイカが鬱陶しいって視線をこっちに向けてるぞ」
お父さんはちょっと、いやかなり過保護で過干渉だと思うけど、今回のはちょっと戦士として情けない感じ。お父さんとしての威厳も減った。
「では、おじさん。あらため、お義父さん。レイカさんと結婚しますね?」
「……」
「親父ー」
「……わかったよ。あぁ、俺のレイカちゃんが……」
まだ言う?いつまで私はお父さんのものなの?
「レイカさん、よろしくね」
そんなに笑顔全開で言われてもなぁ。
「はぁ、よろしくお願いします。そういえば、何才ですか?」
「気になる?この際、見た目年齢で良くない?正確な年齢はそのうちわかるよ」
まぁ、見た目が若いからいいか。ってそれでもハタチは越えてる。20代後半に見える。私と10才は違うんですけど!
「お父さんもさぁ、子離れしてよ。愛でるなら孫にしてよ。ほらユイもツカサもいるじゃん!」
「ライガ!もう一人女の子を作れ!」
「はぁ?子作りはカナエに怒られます。もう十分ってほど子供いるし」
「可愛い子を愛でたいよー」
お父さんはロリコンなの?お母さんとユイとツカサでいいじゃない?あの家ならカナエお姉ちゃんもいるし。
「男の子の気配が女の子の気配を相殺するんだよ~」自分の事を棚に上げて何という言い草だろう。
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