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これはどこでもある産後の夫婦の会話。
「この子の眉はあなた似よ~」
「この顔立ちはお前っぽいなぁ。男の子だけど、将来は男装の麗人って感じか?」
「え~微妙~!!」
これが俺、ヴィックス=カイスターの生まれた直後の会話らしい。
うちは侯爵家だけど、両親はあっさりと俺が学園初等部の時に離婚した。
シングルファザーというやつだ。
不自由なく育っていたんだけど、いたんだけどっ!!
どうしてもっ!!父兄参観日にそれは爆発してしまった。
「ヴィックス~!頑張って~!!」
父は…らしからぬ風貌で登場していた。その場は『え?父兄参観日だよな?俺、間違った??』的空気になった。
父の格好は、ピンクのフリフリワンピースドレス・ピンクのハイヒール(男性が履くから結構な大きさ。踏まれたら痛そう)・金髪の緩くウェーブしたロングヘア・その格好に合わせたメイク(自分でしたのか?)だった…。
そんななので、両親は離婚をしたのだ。
そんなでも父は侯爵家の当主なのだ。なんだか会議がある時は、「仕方ないわねぇ。男装(?)して出席するわよ」と出席している。男装じゃなくて、女装を普段してるんだが…。
そんなで俺が虐められない理由は俺が次期カイスター侯爵家当主である事。それと、友人トロ=デ=アーバンクルクの影響だろうと思う。トロはこのアーバンクルク王国の王太子。
王太子と次期侯爵家当主がつるんでるので、俺を虐めるやつはいない。
トロの悩みを聞いたりする。
「名前がさぁ。東方の国でよく食べられるマグロって魚の意味らしいんだ…」
これには返答に困った。名付けたのは国王だろう?国王、マグロ好きなのかなぁ?俺は食べたことないけど。
まさに類は友を呼んでるんだろうか?と思う。
普段は厳格で威厳あるトロの親父、国王だけど、トロには激甘で、
「トロ~、今日も元気に学校行ってきたか?怪我無いか?」
などいちいち聞いてくるようだ。トロの誕生と同時に親バカも爆誕したようで、国王だけど親バカらしい。不敬だから、本人には言わない。
学校で怪我する?かもしれないけど、そんな大きな怪我はしないだろう。せいぜい絆創膏か消毒でOKだろう。王宮には専属の医者もいるだろうし、大怪我なら早退だろう。…というか、王子を大怪我させたということになれば、大仰しい勢いで学園長付きで王宮に行ったりするんじゃないか?トロはなぜか怪我しないからわかんないけど。たぶん王家の影ってやつが守ってるんだろう。それなのに、毎回陛下が聞くからトロがうんざりするんだ。
そんな国王と俺の親父は仲がいい。王宮のメイドさんは「側妃が増えるのかしら?」などと話しているらしい。男なので、増えません!
どうやら男同士で子供の情報を共有しているらしい。親父ネットワーク?
親父も王宮に行く時はきちんとした格好をすればいいのに、「これが正装よ!」と女装して王宮へと行くもんだから噂になる。一応貴族なんだからきちんとしてほしい。
きちんと会議の時は正装するんだから、その格好で行けばいいのに、なんで女装するかなぁ?会議の時の格好なら、王宮のメイドさんも秋波送ってくるかもしれないのになぁ。と、俺は思う。そうすれば再婚の機会だって…と思うけど、こないだ親父にその話をしたら、親父は地味に別れたおふくろを忘れられないらしい。友達失った系?と俺は思う。決して美談とは思わない。
早いもので、俺もトロも20才になった。
婚約者は何故か二人ともいない。原因は…親父か?親父が数多くの釣り書を握りつぶしているのか?
俺が問い詰めると、「怒っちゃいや~ん。だって~、ヴィックスにはまだ父さんの側にいてほしいんだもん」と、頬を膨らました。
そういうのって、父親が娘に言う言葉じゃないのか?いや~んって俺が嫌だ。
トロの方も似たような理由。後付けのように、『まだ帝王学が十分じゃない』と言われたらしい。
確かもう、10年近く帝王学を学んでいると思うが…?このままじゃトロは帝王学の権威になるけど?
俺は親父がどうしようもないので、留学することにした。見聞を広げるためにも獣人国・レインハルト王国に行こうと決めた。
「ヴィックス~、父を捨てないで~!」
いや、別に捨てているわけではない。大袈裟な。目的は見聞を広げるためだ。
トロも留学することにしたそうだ。
場所は東方の国。そこから王家に第1王女が嫁いできていた縁もあるので、行きやすい。トロの目的も見聞を広げるため。
俺らの目的は親バカな親から離れることも目的ではあるんだけど。
「この子の眉はあなた似よ~」
「この顔立ちはお前っぽいなぁ。男の子だけど、将来は男装の麗人って感じか?」
「え~微妙~!!」
これが俺、ヴィックス=カイスターの生まれた直後の会話らしい。
うちは侯爵家だけど、両親はあっさりと俺が学園初等部の時に離婚した。
シングルファザーというやつだ。
不自由なく育っていたんだけど、いたんだけどっ!!
どうしてもっ!!父兄参観日にそれは爆発してしまった。
「ヴィックス~!頑張って~!!」
父は…らしからぬ風貌で登場していた。その場は『え?父兄参観日だよな?俺、間違った??』的空気になった。
父の格好は、ピンクのフリフリワンピースドレス・ピンクのハイヒール(男性が履くから結構な大きさ。踏まれたら痛そう)・金髪の緩くウェーブしたロングヘア・その格好に合わせたメイク(自分でしたのか?)だった…。
そんななので、両親は離婚をしたのだ。
そんなでも父は侯爵家の当主なのだ。なんだか会議がある時は、「仕方ないわねぇ。男装(?)して出席するわよ」と出席している。男装じゃなくて、女装を普段してるんだが…。
そんなで俺が虐められない理由は俺が次期カイスター侯爵家当主である事。それと、友人トロ=デ=アーバンクルクの影響だろうと思う。トロはこのアーバンクルク王国の王太子。
王太子と次期侯爵家当主がつるんでるので、俺を虐めるやつはいない。
トロの悩みを聞いたりする。
「名前がさぁ。東方の国でよく食べられるマグロって魚の意味らしいんだ…」
これには返答に困った。名付けたのは国王だろう?国王、マグロ好きなのかなぁ?俺は食べたことないけど。
まさに類は友を呼んでるんだろうか?と思う。
普段は厳格で威厳あるトロの親父、国王だけど、トロには激甘で、
「トロ~、今日も元気に学校行ってきたか?怪我無いか?」
などいちいち聞いてくるようだ。トロの誕生と同時に親バカも爆誕したようで、国王だけど親バカらしい。不敬だから、本人には言わない。
学校で怪我する?かもしれないけど、そんな大きな怪我はしないだろう。せいぜい絆創膏か消毒でOKだろう。王宮には専属の医者もいるだろうし、大怪我なら早退だろう。…というか、王子を大怪我させたということになれば、大仰しい勢いで学園長付きで王宮に行ったりするんじゃないか?トロはなぜか怪我しないからわかんないけど。たぶん王家の影ってやつが守ってるんだろう。それなのに、毎回陛下が聞くからトロがうんざりするんだ。
そんな国王と俺の親父は仲がいい。王宮のメイドさんは「側妃が増えるのかしら?」などと話しているらしい。男なので、増えません!
どうやら男同士で子供の情報を共有しているらしい。親父ネットワーク?
親父も王宮に行く時はきちんとした格好をすればいいのに、「これが正装よ!」と女装して王宮へと行くもんだから噂になる。一応貴族なんだからきちんとしてほしい。
きちんと会議の時は正装するんだから、その格好で行けばいいのに、なんで女装するかなぁ?会議の時の格好なら、王宮のメイドさんも秋波送ってくるかもしれないのになぁ。と、俺は思う。そうすれば再婚の機会だって…と思うけど、こないだ親父にその話をしたら、親父は地味に別れたおふくろを忘れられないらしい。友達失った系?と俺は思う。決して美談とは思わない。
早いもので、俺もトロも20才になった。
婚約者は何故か二人ともいない。原因は…親父か?親父が数多くの釣り書を握りつぶしているのか?
俺が問い詰めると、「怒っちゃいや~ん。だって~、ヴィックスにはまだ父さんの側にいてほしいんだもん」と、頬を膨らました。
そういうのって、父親が娘に言う言葉じゃないのか?いや~んって俺が嫌だ。
トロの方も似たような理由。後付けのように、『まだ帝王学が十分じゃない』と言われたらしい。
確かもう、10年近く帝王学を学んでいると思うが…?このままじゃトロは帝王学の権威になるけど?
俺は親父がどうしようもないので、留学することにした。見聞を広げるためにも獣人国・レインハルト王国に行こうと決めた。
「ヴィックス~、父を捨てないで~!」
いや、別に捨てているわけではない。大袈裟な。目的は見聞を広げるためだ。
トロも留学することにしたそうだ。
場所は東方の国。そこから王家に第1王女が嫁いできていた縁もあるので、行きやすい。トロの目的も見聞を広げるため。
俺らの目的は親バカな親から離れることも目的ではあるんだけど。
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