続・今日から車いす…え⁉マジで言ってんの?

satomi

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夏が来る

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「あ゛~夏が来るよ~~!!暑いよ~~!!」
「家の中に入ればいいだろ?」
 ヒカルは極端に暑がりだ。家の中でも現在我が家のエアコン故障中也。
「コノハちゃんはこの暑い中、元気に外を走ってるんじゃないのか?」
「コノハは元気だよね~?」
 この間、失恋したばかりだというのに、大学のグラウンドを駆け回っている。脱帽してしまう。
 若さか?若さなのか??

 そんなやり取りをヒカルとしていた。仕事はいいのか?と。
 しています。ヒカルはネットでキチンと仕事をしています。
 俺はヒカルの担当している会社の顧問弁護士として仕事をしてます。このご時世クレーマーが多くて、正直な気持ちは「うるせーよ、ちゃんとトリセツ読め!」とか思います。でもまぁ、仕事だし。四六時中ヒカルと一緒なのはいいなぁ。
エアコンの調子が悪いんです。明日には修理だな。その間替わりのエアコンがつくだろうからそれまではこの灼熱地獄を我慢せねば!

 
 久しぶりにうちにコノハちゃんが来た。ヒカルが大喜び!そこまで大歓迎?ってくらい喜んでた。
「コノハ~~~!!!会いたかった~~!!」
 ヒカルはコノハに抱きついた。暑くないのか?
「私もヒカルに会いたかったよ。えーと……。こういうの恥ずかしいなぁ。……あのね……彼氏ができたの」
「わー、おめでとう!!」
「おめでとう、コノハちゃん!」
「ありがとうございます。うーんと、学部同じで学科は違うんだけど、同じ陸上部の先輩。私はフツーの短距離だけど、先輩はハードル選手」
「へぇ。股関節柔らかそう」
「コラ!ヒカルはトレーナーやってた時の癖(?)だろう?確かに股関節柔らかくないとハードルをバッタバッタと倒して走っていきそうだけどな」
「あれ?ヒカル、ちょっと太った?」
「食べる量は減ってるんだけどなぁ?」
「で、食べ物の好みも変わってるよな。前は甘いものあんまり食べなかったのに、最近は食べるようになったってのけっこうあるよなぁ?」
「ヒカル、それってさぁ。普通に考えて妊娠してない?今度は想像じゃなくてマジで」
「俺、検査薬を買ってくるっ!」
「ハハハっ、亨さん必死だねぇ」
「子供ほしがってたからかなぁ?私は新婚を続けたかったんだけど」
「何言ってんの?高校時代に十分ってほど新婚さんやったでしょ?いい加減亨さんだって子供の一人や二人、ほしいんじゃない?」
「コノハ……。コノハおばちゃんって呼ばせるよ?」
「コノハおねーさんだって訂正する。大学生でオバサンは嫌だ」
「「アハハ」」
 二人で笑い合っている所に亨が帰ってきた。
「検査薬が数種類。あ~どうしよう?仕事が忙しくなったらあんまりかまえなくなるなあ。俺のこと忘れられたら悲しいな」
「亨さん、産まれてもいなければ妊娠確定でもないのに、想像力逞しいですね?」
「いや、居ても立っても居られなくて。ヒカル!はやく検査を!」
「は~い」

 ヒカルが検査中に亨さんとお話をしていた。
「どんな顔して検査薬買いに行ったんですか?」
「緊張して覚えてない……」
「何才なんですか!オトナの男性でしょう?しっかりしてくださいよぉ、何才でしたっけ?」
「多分26才……ん?新婚旅行中に誕生日あったから27才か?」
「………ハァ、三十路近くの男がしっかりして下さいよ!あ、ヒカル。どうだった?」
「うん、コノハはすごいね。前回みたいに全部陽性だった」
「私はすごくないよ?普通普通。普通は気づくもんだよ?さぁ、二人はそろって明日にでも産婦人科でしっかりと検査を受けてきたら?その方が安心でしょ?」
「「はーい」」
「……エアコンは検査に行ってる間に修理を手配しなよ~。病院は心地よい感じの温度だよ!ココは……屋外みたい。太陽光がない、ただひたすら暑い部屋だねー」
「明日までの我慢?」
「嫌なら貴重品持って、どっかのホテルに泊まれば?幸い(?)二人は金銭的に不安はないし」
「その手があったね!コノハ天才!!」
「俺は倹約した方が…とも思うけど、母体を思うと灼熱地獄からの解放の方がいいかな?背に腹は代えられないってやつか?」
 そんな訳で私と亨はホテルに泊まって翌日に産婦人科(高校生の時にお世話になった)に行くことにしました。


「ホテルは快適だね~」
「そりゃあ、快適さがホテルの価値だからね。ヒカルは安静にゆっくりお休み」
 ヒカルは頬をぷうっと膨らました。
「まだ妊婦と確定してないのに、そこまで過保護?過保護すぎるのもいけないんだよ?」
「その塩梅が難しいよな。明日だ。明日!とにかく今日はゆっくり休もう。灼熱地獄じゃなくてよかったな。コノハちゃんに感謝!」

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