続・今日から車いす…え⁉マジで言ってんの?

satomi

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俺の嫁とその大親友 その2

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 俺はコノハちゃんを悲しませたという事で、相川君が取っている科目の非常勤講師となった。
「あ、亨さんじゃね?俺が高校時代にめっちゃお世話になった人。超イケメンでスポーツも武道も万能。しかも料理が半端じゃなく上手いんだよなぁ。あの味は忘れられない」
 などと近くのオトモダチと講義中にオハナシをしている。
「では、次回の講義の始めに今回の授業の内容についての小テストをする。一定の点数に満たない者はその時点でこの講義を受ける資格はない。以上今日の講義を終了する」
 テスト問題を作るのって結構大変なんだよな。難易度をどうするかが結構カギだ。パリピなら講義を真面目に受けていた人のノートをコピーしたりしているだろう。
 ターゲットは相川君。授業中にオハナシをしていたりしたんだから、授業中俺が口頭で話したことをテスト問題にしよう。忘れないうちに……と思うのに、こういう時に限ってヒカルが誘ってくるんだよなぁ。あっさり陥落しますけど、何か?忘れなきゃいいんでしょ、忘れなきゃ!
 そんな訳で、その日(講義をしてちょっと疲れた)はヒカルに癒された。

翌週
試験はペーパー。採点をする方だって大変なんだ。
「合格点は決めていない。なぜなら、全員不合格の可能性もあるからな。そうなりゃ、俺の仕事はなくなる。試験後に決める」
 まぁ、相川君がよほど満点とか出さない限り、相川君の不合格は決定してるけど♪
「では、始め!」
「なんだよ、これ板書してた内容が全くないじゃないか。どういうことだ?先生どういうことか説明してください」
「簡単なことです。板書だけが講義ではありません。講師の一言一句が講義の内容となります。前回の講義で話した内容がこの試験では問われます。それに、キチンと聞いてた方は小テストの問いをスラスラと解いているようですね」
「くっ…」
「残り時間五分ですよ~、頑張ってください♪」(俺だって必死に思い出したんだ)
「ちくしょう、ノートのコピーで解けると思ったのに…」
「では試験用紙を回収します。結果は次回の講義の時に報告しますね」
 もう、死ねば諸共だ。
「織田教授の奥さんは俺らの一個下の学年なんだぜ?織田教授ってロリコンなのかな?教授も若いけどさぁ?」
「私的な話は避けて下さい。えーっとあなたは、ああ相川君ですか?昔はスポーツ少年でしたね。今はパリピですか?」
 俺とヒカルはお見合い結婚だし、超大企業だからアリなんだよ!
「相川、お前自分は軽い男です。みたいなこと言って、高校時代はサッカー少年?笑えるんだけど?」
 相川君の顔が真っ赤になった。彼の大学生活が壊れるかな?でもまぁ、ヒカルが大好きなコノハちゃんを傷つけた代償だ。有難く受け取れ。
「あー、俺の奥さんは確かに若いですが、自分で言うのも変ですが俺の家と奥さんの家の、まぁ政略結婚みたいなもので。どちらの家も金持ちなんですよ。あ、俺の家には別荘として島もありますし、自家用ジェットも所有してますよ?奥さんの家は新興金持ちみたいな感じで。多分、学生の皆がご存じの会社はだいたい彼女の家の傘下にありますね。そんななので、お見合い結婚です。恥ずかしいなぁ。相川君が個人的な事暴露するもんだから」
 と、相川君に責任を押し付けつつ、俺は自分の金持ち度をアピール。…別にアピールするような事じゃないんだけど。
「えー?先生超お金持ちなんだー。先生が独身なら私がお嫁さんになりたかったー!!」
 あー、無理無理。頭悪い子は受け付けないから。この大学に入る程度の頭脳じゃ、ちっとも俺とは縁がないな。と心の中で思う。
「出会いの順番があるから無理ですよー」
 そういう問題じゃないんだけどね。そう言うことにしておく。

 家に帰ると、ヒカルが出迎えてくれるホッとする。
「おかえり~~。どんな仕事をしてきたの?」
 そんなキラキラワクワクした目で聞かれてもなぁ。
「俺的に相川君に制裁をちょっとね」
「どうやって?」
「相川君が受講してる講義の非常勤講師になった。で、小テストをやったんだ。俺の授業を真面目に聞いてなかったら解けない問題だけ(・・)を小テストの問いにした」
「ノートをコピーしてもダメなの?」
「ダメー。俺の一言一句が書いてあるノートなら役に立つけど、そんなもんないだろ?」
「亨…鬼畜」
「そんで、相川君は講義中に私語とかしてるわけだから、当然俺の話なんか聞いてないってわけだ」
「フムフム」
「そんな相川君に小テストを突き付けた。一定の点数以下はこの講義の受講許可を取り消す~みたいな? 大学生的には時間を割いて単位のために講義を受けてるってのに、今更取り消されるって最悪だろ? まぁ、相川君だって授業態度悪いし仕方ないよな。 そんで、これから採点作業あるんだけど、マル付け手伝ってくれる?」
「はぁ、OK。亨もなかなかエグイ仕返しするわね~」
「相川君さぁ、俺とヒカルが結婚してるの知ってるからって、俺の事をロリコンみたいに言ったんだぜ?マジでこいつは堕ちるとこまで堕ちたなと思って、逆に相川君が高校の時はサッカー少年だったって暴露した。そしたら周りが結構お前そんな奴だったんだ的な反応だった。多分大学生活が終わったと思う」
「へぇ、相川先輩も随分変わったんだね。コノハを傷つけた罪は重い。相川先輩の大学生活は知らない。自業自得みたいなもんでしょ?亨のことだって貶めるみたいなこと言ったし。やむを得ない。成敗!」
 そんな会話をしながら俺とヒカルはコツコツ採点をしたのです。ヒカルが丸をつけ、俺が点数を書く。地味~な作業。


 翌週の俺の講義。相川君は欠席。
「試験の結果なんだが…えー、お前ら本当に講義聞いてんのか?俺が最低でも、最低でも…って思ってた点数よりも平均点が低い!このままじゃ全員受講許可出せないじゃん。俺が講義中に話すことなんて、ほとんど豆知識とかトリビア系だってのに。最高点が52点!俺のイメージだと、平均点がこのくらいになる予定だった…。俺が甘かったのか?来週また小テストをやる。再度小テストだ。今度こそ、キッチリとそうだなぁ平均点の半分以下は受講許可できないなぁ。だって俺の話聞いてないってことだろ?俺の話聞きたくないなら、教室から出てってくれてかまわないし?」
 本日欠席の相川君に誰かが優しーく教えてあげたら受講許可出るかもなぁ。
 でも先週、大学デビューを俺が暴露したし。この講義は出ないかな?
 ま、来週小テストをしてみて考えよう。

 翌週、相川君は講義に出席したが、誰からも小テストの話を聞いてなかったんだろうか?範囲が先週の講義だし、相川君は解けないだろう。

 案の定、相川君は平均点の半分以下の得点しかできず、受講許可は取り消しとなった。
 さらに言うと、ここは私立の大学。学費もかかるから、能の無い子を通わせるのは無駄だと言いしばかりに、相川君は自主退学した。コノハちゃんと顔を合わせることもないし、良き良き。


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