上 下
11 / 29

Case.7 二人に一人?

しおりを挟む
 うーん。ここでいいんだろうか?‘お命頂戴致します。’は。SNSで有名だが……。信用……するしか選択肢はないな。


「「いらっしゃいませー」」


 イケメンだな。しかも特上の。うちに欲しいところだ。華道の実力があればな。

「ご注文はお決まりでしょうか?決まりましたらお呼びください」

「あ、えーとカフェラテを。ラテアートはドロップで」

「承りました。しばらくお待ちください」



―――2時間後
尊・「用件をお聞きしても?」

「あー、私は華道の家元をしている。それで、跡継ぎ問題だ。娘は双子でな。姉は前衛的な華道をする。妹は伝統的な華道を重んじる。双方対立しているわけで。派閥までできて私には手に負えん」

尊・「えーと、どちらがふさわしいのかを客観的に私共の方で判断を下せばいいのですか?」

「最終的にはお願いしたい」

尊・「かしこまりました。それでは、また1週間後にここで」




尊・「キャサリーン、今回もよろしくな。かなり面倒そうだ」
  

キ・「そぅお?お姉さんの方は前衛的でメディア露出も多いわヨ。MIYUって名前で」
  
悟・「華道なのに、ローマ字の名前かよ?微妙だな」

キ・「そうなのよネ。まぁ、そこも前衛的って主張だけどねぇ?そうだ!フラワーアレンジメントってやつじゃないかしら?」

尊・「前衛的って俺ら華道に詳しくないじゃん」

瀬・「尊様お任せください」
 
 瀬蓮が現れた。

尊・「おぉ、瀬(せ)蓮(ばす)。ビックリした~」

瀬・「この瀬蓮が判断を致します。不肖この瀬蓮、華道の心得が少しはあります故……」

悟・「流石!助けになるぅ!」

瀬・「悟様!恐れ入ります」
 
 そして瀬蓮は再び壁の一部のように気配を消した。




―――1週間後

尊・「調査結果ですが……非常に残念なことが判明しました。お嬢様は二人とも貴方の血をひいていません。DNA鑑定もしているので確実です」

「嘘だろ……?」

尊・「本当です。跡継ぎは二人うちどちらかという話でしたが、今のところ妹さんの方を私どもは推します。理由は『華道』と言う伝統芸能だからです。お姉さんの方は前衛的と言えば聞こえがいいですが、『フラワーアレンジメント』ですね。これは私たち兄弟では判断が不安だったので、そこにいる男に判断を委ねました。彼は私どもの後見などをしています。信用のできる人間です」

瀬・「ご紹介に預かりました瀬蓮と申します。ご主人より跡継ぎの判断を委ねられまして、その任を全うしたと自負しております」

尊・「以上ですが、何か?」

「私は何も言えない……これからどうしよう?」

尊・「それはご自分で判断をしてください。では対価として、そちらに先祖代々伝わっている花器を頂きます」

「何!?それは聞いていない」

尊・「今言いました。私共も慈善事業ではないので。それにここは‘お命頂戴致します。’です。それなりの覚悟で来ていただくものです」




「「「では、“お命頂戴致します”」」」




キ・「今回の報酬は『物』ねエ。珍しい」

尊・「あのおっさん、特に覚悟もなかったみたいだから」

悟・「舐めてもらったら困るよねー。情報収集だってお金かかるし」

キ・「そうよぉ、悟クンわかってるぅ♡」

聡・「で、その『花器』はどうするんだ?ここには置きたくないぞ。もっと和室の方が……」

瀬・「坊ちゃん方、恐れ入ります。この瀬蓮が引き取り、うちに保管します。一応国宝クラスでしょうし」

聡尊悟・「「「助かるー」」」




~その後の依頼人

キ・「全くあのオッサンの血をひいてない子を跡継ぎに指名したみたいヨ。伝統重視の」

尊・「なんだよ、最初から血は関係なかったんじゃん。オッサンの趣味か?」

悟・「あり得るー」

聡・「最終的に跡継ぎって男性じゃないのか?それは大丈夫なのか?」

尊・「そこまで俺らが世話してやるもんでもないでしょ?」

聡・「それもそうだよな」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

俺の娘、チョロインじゃん!

ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ? 乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……? 男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?  アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね? ざまぁされること必至じゃね? でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん! 「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」 余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた! え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ! 【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?

メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば
ファンタジー
シキは勇者に選ばれた。それは誰かの望みなのか、ただの伝統なのかは分からない。しかし、シキは勇者に選ばれた。果たしてシキは勇者として何を成すのだろうか。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

悪役令嬢は始祖竜の母となる

葉柚
ファンタジー
にゃんこ大好きな私はいつの間にか乙女ゲームの世界に転生していたようです。 しかも、なんと悪役令嬢として転生してしまったようです。 どうせ転生するのであればモブがよかったです。 この乙女ゲームでは精霊の卵を育てる必要があるんですが・・・。 精霊の卵が孵ったら悪役令嬢役の私は死んでしまうではないですか。 だって、悪役令嬢が育てた卵からは邪竜が孵るんですよ・・・? あれ? そう言えば邪竜が孵ったら、世界の人口が1/3まで減るんでした。 邪竜が生まれてこないようにするにはどうしたらいいんでしょう!?

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

処理中です...