上 下
7 / 29

Case. 5 脱サラならぬ離農願望

しおりを挟む
 やっぱ田舎から出てくると、迷うな。おのぼりさんに見えるんだろうか?‘お命頂戴致します。’って物騒な名前の喫茶店はここで合ってるよな?



「「いらっしゃいませー」」


 うおぅ、キラッキラのイケメンだよ。SNSの評判予想を上回る感じだな。


「ご注文はお決まりですか?」

「えーと、カフェラテを一つ。ラテアートはドロップでお願いします」

「では今しばらくお待ちください」


 カフェラテって何だ?ラテアート?もっとネットで勉強すべきだったな。



―――1時間後
「お待たせしました。ご用件はなんでしょう?」

「俺を見てわかると思うが、俺は農家だ。離農したいんだ。その手伝いをしてほしい」

尊・「わざわざここに来る理由がわかりません。ただ離農するならば農地を売って…とか各種手続きをすればよいのでは?と素人ながらに思うのですが?」

「先祖代々の土地だ。親戚の反対とかもあるだろう。それでも俺は離農したいんだよ!」  

尊・(親戚の説得が面倒、各種手続きも面倒ってことか?)

尊・「では、1週間後にまたここに来てください」




尊・「キャサリンはどう思う?」

キ・「ただの甘ったれネ。面倒だから。こっちに押し付けたーみたいな感じ」

悟・「俺もそう思う」

尊・「面倒だけど、今回も情報頼むはキャサリン」

キ・「任せて!尊クン。イケメン成分補給するためにもサッサと情報仕入れてくるワ」




―――1週間後
尊・「貴方の希望通り、離農させましょう。こちらも貴方について情報を仕入れました。
 まず、貴方は早寝早起きが嫌い。故に農家はやりたくない。違いますか?」

「……」

尊・「趣味は陶芸。自分用の陶芸の窯を持っている」

「……」

尊・「離農したアカツキには、陶芸で身を立てようとか考えていますか?陶芸の世界はそんなに甘くはないですよ?」

「お前のような若造に何がわかるんだ?」

尊・「その若造に依頼をしたのは貴方です。お命を頂戴する対価として、貴方の趣味の陶芸の窯を壊させてもらいます」

「はぁ?聞いてない」

尊・「今言いましたからね。離農後はお好きにどうぞ」




「「「では、“お命頂戴致します”」」」




尊・「因みに、農地も私共の方に権利を譲渡というように手配しました。農地は今後福祉施設として農地として利用していく予定です」

「……俺は今後どうすればいいんだろう?」

尊・「お好きにどうぞ」




キ・「ここに依頼すれば誰しも幸福になれるってわけじゃないのネ」

悟・「だって、あの人の場合早寝早起きが嫌だ。って子供みたいな動機だもん。それで先祖代々の土地手放しちゃうっておかしくない?」

キ・「確かにねぇ」

尊・「で、親戚の説得も自分で出来なくて丸投げで離農後のん気に趣味の陶芸で生活していこうとしてたんだから、仕方なくない?今回はかなり瀬蓮に迷惑かけちゃったかな?」

瀬・「坊ちゃんにかけられるなら、迷惑でも本望です」

瀬蓮が現れた。

尊・「坊ちゃんはやめて。それに、ここに来れば幸福になるって変なジンクス出来たらやだよ」

悟・「あー、それはある」

尊・「陶芸の窯を壊すとかは瀬蓮に頼んだ!」

瀬・「お任せください」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

俺の娘、チョロインじゃん!

ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ? 乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……? 男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?  アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね? ざまぁされること必至じゃね? でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん! 「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」 余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた! え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ! 【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?

メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば
ファンタジー
シキは勇者に選ばれた。それは誰かの望みなのか、ただの伝統なのかは分からない。しかし、シキは勇者に選ばれた。果たしてシキは勇者として何を成すのだろうか。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

悪役令嬢は始祖竜の母となる

葉柚
ファンタジー
にゃんこ大好きな私はいつの間にか乙女ゲームの世界に転生していたようです。 しかも、なんと悪役令嬢として転生してしまったようです。 どうせ転生するのであればモブがよかったです。 この乙女ゲームでは精霊の卵を育てる必要があるんですが・・・。 精霊の卵が孵ったら悪役令嬢役の私は死んでしまうではないですか。 だって、悪役令嬢が育てた卵からは邪竜が孵るんですよ・・・? あれ? そう言えば邪竜が孵ったら、世界の人口が1/3まで減るんでした。 邪竜が生まれてこないようにするにはどうしたらいいんでしょう!?

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

伯爵夫人のお気に入り

つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。 数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。 喜ぶ伯爵夫人。 伯爵夫人を慕う少女。 静観する伯爵。 三者三様の想いが交差する。 歪な家族の形。 「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」 「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」 「家族?いいえ、貴方は他所の子です」 ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。 「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

処理中です...