異世界より来たイケメン3兄弟があなたの大切なものと引き換えになんでも願いをかなえます。~喫茶店‘お命頂戴致します’より

satomi

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プロローグ

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私は瀬蓮せばすと申します。王家に仕えてウン十年、今は坊ちゃん方のお世話係のようなものをしています。
とは言え、現役時代からの衰えはないつもりです。人脈もあります。



「瀬蓮ー、それじゃあ、行くぞー!」
 尊(たける)様が仰ります。尊様はこの国の第3王子でいらっしゃいます。自分には王位継承権はないだろうとはやくから、私めが武術を教えて差し上げています。筋がよろしく、私の目が黒いうちに負けてしまいそうです。スキルを武術にかけているので、そうなるのでしょうか?先の事は誰にも分らないですけど。

「瀬蓮!まさか行きたくないとかか?」
 聡(さとし)様は仰りますが、この瀬蓮そのようなことは決してございません。聡様はこの国の第2王子でいらっしゃいます。自分はスペアみたいなものだからいいだろう?といい、この決断をしたわけです。スキルも医術に全部かけました。彼らの母上を助けられなかったことに由来するのか?おっと深く話すのは執事としては口が軽いですね。

「瀬蓮!置いていっちゃうよ?」
 悟(さとる)様が仰ります。悟様はこの国の第4王子でいらっしゃいます。一応王位継承権はもっているままです。悟様はまだ自分のスキルをどうするかを考え中のようです。

「いや~ん、ワタシを置いて行かないで~♡」
 彼女(?)は王家の諜報部にいるので情報収集の腕は確かなのですが……。何というか、私には理解が出来ないですね。王子が好きなようで……。スキルは情報取集でしょうか?女装かもしれない……。名前はキャサリンです。

以上5名で王家に伝わる扉を抜けて、異世界の喫茶店なるお店を経営したいと思っている次第であります。

「『扉を抜ける』とかなんかエッチな響きね?」

「「「キャサリンうるさい」」」

「いや~ん♡」
……前途多難の様相である。


王子たちには‘久我’という名字を与えた。
生活に必要な知識などは全てこの瀬蓮が3兄弟とキャサリンに叩き込んだ。


さぁ、喫茶店の営業開始だ!


喫茶店と言っても、普通の喫茶店ではない。
裏の顔を持った喫茶店――。
依頼主がカフェラテでラテアートのドロップを選択すると、依頼主と認定し、どうしたいのかを聞く。
内容により、依頼を遂行。ただし、依頼料として依頼主の命のように大切なものを頂く。我々は慈善事業をしにわざわざ異世界に来たわけではない。
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