ワガママ令嬢には釣書が1通

satomi

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第14話

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子供の成長って速いなぁ。あ゛、もしかして年取るの速い?
本日は娘のルリが結婚するのです!
ルリは14才になりました。もうそろそろいいんじゃない?っていう、『ラルク商会』の商会長の鶴の一声で決まり、ルリは小躍りしました。ケイゴさん22才だもんね。


バードは朝からというか一か月前からブルー。
バードがマリッジブルーなんじゃないか?ってくらいブルーでした。
結婚式は東方の国の方式に則ってシンゼンシキというやつです。
私達はよくわからないので、おまかせ状態です。

うわー、白い!というのが私の感想です。そこまで白くするのか?ってくらい白粉塗ってるけど、大丈夫?本気なの?
「ルリ、大きくなったね。これからは、兄さんじゃなくてケイゴを頼るんだよ」
うーん、ライクが大人になって。これまた感動です。
だというのに…バードはまだすねています。

「父さん…ほら、ルリがお嫁に行くんだよ?ちゃんと送り出さないと!」
なんてしっかりしたライクでしょう?
バードが情けない!

「ルリー、孫はまだ要らないからな。しばらくは白い結婚をするんだ」
何てことを言う父親でしょう?
「ルリ、気にしないで!私は孫待ちよ?デビュタントに子連れで参加っていいじゃない?家族で参加するの。素敵じゃない?」
バードがすねた。いい歳して仕方ないなぁ。あとで慰めるか…。


「ケイゴさん!」

「ルリ…さん」
なによ、ケイゴさんはルリを呼び捨ててもいいのよ。
ハッ、もしや二人の時は既に呼び捨ててた?

「ルリさんは想像以上に白無垢が似合うね」
ほぅ、白無垢って名前なのか…。だから、あんなに白粉まみれ…。

「ケイゴさんもその袴似合います」

「恥ずかしいな。祖父から引き継いでいる物なんだ。家紋もついてるだろう?ホラ、これ」
ケイゴさんは私達に家紋を見せてくれた。
鍛冶職人ですって感じの家紋。

「俺が剣士だから、この家紋通りにはいかないかなぁ?」

「諦めるのは早いですよ、ケイゴさん!二人の子供のうち誰かが鍛冶職人目指すかもしれないじゃないですか?」
ケイゴさんが赤面した。へぇ、年齢のわりに反応が初心なんだぁ。仕方ないか、昔からうちに住んでてちっとも娼館に行くとかないもんなぁ。今日、初夜だけど大丈夫かなぁ?

もう、二人の世界にしてあげよう。
「さ、式が始まるまで参列者は行きましょう!」
と、私はライクとすね続けるバードを連れて出ていった。


式が始まった。んだけど、準備を手伝う人は気づいてて放っておいてるのかしら?ルリの紅が擦れてる感じだし、紅がケイゴさんに移ってるんだけど…いいのかなぁ?



あ、ケイゴさんの両親にご挨拶しないと!
「私はルリの母親のリラと申します。よろしくお願いします。こちら、主人なんですけど…まだすねてますの。お恥ずかしい。主人はバードで商会長をしています。よろしくお願いします」
本当に情けないなぁ。

「俺は二人に会ったことあるから知ってる。バードの旦那、こんなに凹んでるのかい?あとで飲み明かそうか?東方の酒は強いぜ?」
「まぁ、私はケイゴの母です。鍛冶とも剣とも関係なく生活をしていますの。この人、鍛冶職人としては腕利きなんでしょうけど、仕事を選ぶから収入が安定しなくって。それで私が働いて少しでも安定した収入をと思っているんですよ!」
「あらあら、バードがこんなじゃなかったら職を斡旋しますわ。商会内でいい職業を見つけますよ」
「そんなこともできますの?」
「それが『商会』の強みですの。おほほ」
と、奥様と会話が弾んでいた。今夜は男同士で飲み明かしてください。東方の国のお酒は強いみたいなので要注意ですけど。
ここにはディスプもいないですし、二日酔いとか知りませんよ?


「今夜はルリとケイゴを二人っきりにしないとね~」
と、ライクが言いルリとケイゴを旅館の一室に閉じ込めた。

凹んでるバードは、ケイゴさんのお父様が酒場に連れて行った。

残されたのは、私とライクとケイゴさんのお母様。
ケイゴさんのお母様曰く、「私もライクもかなりの美形」らしい。
ライクはバードに似てるからわかってたけど、私も?!

「ライク、対岸の火事じゃないわよ。明日のわが身!次の婚約者探しはライクよ」
そういって、ライクを見た。ケイゴのお母様もライクを見る。
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