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8話 運命の出会い。

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「welcome to チキョウ‼」
――超元気だ。何歳だろう?チキョウってなんだよ(笑)
「王という職業をしてる。時に名前は?」
「翔です」
――だからチキョウって?
「チキョウって何ですか?」
「あ、この世界のこと。前に他の世界から来た人がそう呼んでた」
「ほー、翔。で、うちのリョウは元気にしてたか?」
――俺の名前などスルー…。うちのリョウ…
「リョウは王子だったんですか⁇」
「そうだよ」
――うーん、RPGだったら『如何にも』とか返ってくるんだけど、なんかこの王軽いなぁ。美少年王子…
「俺…なんでここにいるんですか?」
「あー、そこは秘密♡チョーカー、リョウが翔に渡したのか?」
「はい」
――これに何かあるのか?夏に首が暑そうだったが?
「それは、翻訳機能がついてる優れものだ」
――はぁ。それであのリョウが日本語堪能だったわけだ…読み書きできないのに。ん?てことは⁇
「翔、君はこの世界の言葉の勉強をしなければならない。そもそも、交換留学なわけだからな」
――そうきたか。面倒は学校のテストで十分だ
「リョウは半年でそっちの言葉をマスターしたんだな?ならば、翔も半年間みっちりとこの王宮で勉強するといい」
――やっぱ避けられないのか…一ヶ月でマスターってのは黙っておこう


「ところで王、どうしたら元の世界に戻れるのですか?」
――なんか見た目は中世で、平和そのもの笑顔が満ちあふれてるんですけど
「うん、あぁなんか魔王チックなもの退治したらOK」
――…いるの?犯罪の臭いすらないんですけど
「ところでリョウはどうやったらこっちの世界に戻れるんですか?」
「それが難しいんだよ…」
――おぉ、魔王と言わなくても犯罪組織をつぶすとかか?
「リョウは彼女を作ればOK。だがなぁ、あいつの容姿だろ?女は寄ってくる。特定を作るのは難しいことなんだ」
――自慢か?親バカ炸裂?
「君はとりあえず勉強。その後、ふらついていれば魔王チックなものに出会えるだろう」
――適当だ。むしろ、放置プレイ?

 それから俺はひたすら勉強した。会話は可能だ。ひそひそ声まで翻訳するところが憎い。
 城下町に出た。会話が出来るので見るからにってとこ(八百屋とか)は買い物ができるが、行くたびに異世界から王子と交換留学ということで比較され、俺の心がバッキバキと思いきやリョウが美少年極まりなかったから『気持ちがわかるー』とわりと穏やかだった。とはいえ、城下町でじろじろ見られるのはやだなー。
 異世界だし、魔法とか使えないんだろうか?詠唱は勘弁。ストレスを発散させたい。
 え、バッセンが異世界に⁈何で⁇とりあえず行ってみよう。金属音が心地いいなぁ。
「10球500円。」
――日本円なのか?この世界の貨幣はどうなってんだ王と通信とかできないのか?
「円って、こっちの通貨の名前も同じなだけだよ。バッティングセンターは前に来た異世界の人が作った」
 王の使者が伝言をそう言った。
――しかし、だれか俺の心を読んだのか?よくわからん世界だ。
 あーカラオケとかないのかなぁ?一人カラオケしたい。あ、でも曲知らないから却下。王に相談しよー。
――我ながら王を使うってあたり図太いがこれも生きていくため!


「王!魔法はどうやったら使えますか?」
そこかしこから笑いがもれる
「皆のもの、ちょっと席を外してくれ。」
――何だろう?秘密の儀式とか?かなり興奮するんですけどー
「翔…魔法って…何だ?絵本とかのアレか?そんなのこの世界でもできん‼当たり前だろ、魔法できたら楽だろうな。そこを工夫するのが人間だ‼」
――かなり期待外れでがっかり。ストレス解消をどう工夫すればよいのだろう?
「ストレス解消はどうすればいいですか?」
「走り回ればいいんじゃないか?」
――犬かよ…
「翔、この世界は文明が進んでないだけであとはお前がいた世界と何ら変わらん。あとはがんば‼」
――うーん、それっぽいことを言われたが結局は丸投げ?

 〇その頃のリョウ
「えー、翔君の家でホームステイしてるのー?」
「あぁ、ママもパパもいい人で楽しく過ごしてるよ。」
「きゃー」
 黄色い声援が響き渡る。しかし、リョウは油断しない。翔に聞いていた。腐女子の存在。必ずどこかにいる。と。
「リョウ、この間のテストだが…オール満点で学年トップだ」
「きゃー、かっこよくて頭も良くて…」
「リョウー!サッカーの試合に助っ人頼んだよな?」
「あ、今から行くよ」
「スポーツ万能‼この間、吹奏楽部で助っ人頼まれてた。」
「うそ?顔よし・スタイルよし・学力よし・スポーツ万能で吹奏楽も?はぁ、出来る人って何でも出来るよね。とにかくカッコいい‼」
――賞賛の嵐、出来るものは仕方ない。俺はできないから仕方ない。何故俺がリョウの様子わかるかというと、市場で買った水晶。何故か、様子が見える。これは魔法と言わないんだろうか?親バカの王にプレゼントしようか?なんか見返りあるといいな。非常に大きな。
「王!市場で買ったものですが、見てください‼なんと、これを覗くと今のリョウの様子がありありと‼」
「なんてスバラシイ‼」
――間違えなく親バカだ…
「城下町よりちょっと外に出たとこに魔王チックなものあるらしいよ」
――ふっ、ちょろい
「情報ありがとうございます。行ってみます」


 城下町をちょっと外に出たとこ、そこには寺院?寺?神社?礼拝堂?があった。
 確かに神がかっている。堕天使的な存在を期待すればいいのか?
 パラパラと石が崩れて出てきた。
 これは…地獄の番犬と言われるケルベロス‼…の幼犬。幼犬と言えども普通の大型犬以上の大きさはあるんじゃないか?
 目があってしまった…。あ、可愛い♡などとのんきにはしてられない。どうしよう‼
崩れてた神殿から出てきたばっかりだから…とりあえず、餌をあげよう!田舎のじーさんに教わったウサギの捕り方を使って兎肉を確保‼これでよし。
「ほーら、肉だー」
 と、肉で餌付け。そしてうまく懐いた‼
「名前は…ケルベロスの子供だからー。ケルリンで」
「承知した」
――うおぉぉぉ言葉でコミュニケーションとれるのか‼便利だな。お腹減ってる時とか


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