5 / 24
5話 リョウのスキル
しおりを挟む
案の定リョウの目が黒いから女子が騒ぎ始めた。
「翔、大げさだよねー?」
――とリョウは言うけど、仕方あるまい
ちょっと突き放してみると、リョウが涙を流している。そして、何故だろう?女子生徒が睨んでくる。
「コンタクトー‼」
――ん⁈コンタクトで目が乾くとか、コンタクトがずれたとかか?
「とりあえず、目薬だな。で、リョウ目薬はどこだ?」
「鞄の中のどっかー」
――すっげーわかりにくい。女子のようにポーチを持っていればいいのに
「ついでにティッシュもー」
――あー涙出れば鼻水も出るよな
「なぁ、コンタクトしてるから水泳部は無理ですって断れないかな?」
「裸眼を求められる可能性がある」
――リョウがちょっとガッカリしていた。そんなに助っ人とか嫌なのかなぁ?
そんなこんなで授業中古典だけど大丈夫かあ?と心配だったが、リョウの読めば出来る能力でスラスラと古典もこなした。
――日本人でも間違えるのに…
いつものニンジャのように家に帰って、学校での出来事をそこにいる母さんに話した。
「まぁ、リョウ君モテモテなのね。それで?それで?」
――好奇心旺盛な母だ
「読んだら出来るようになるの?便利ね‼今度二人で料理しましょ?」
「はぁ…」
――男子高校生の返事はこんなもんだろう
「コンタクトがずれたの?たいへんだったわね。じゃーん‼ママもカラーコンタクト買っちゃいました‼」
――おい‼緑デスカ…
「それで?古典もスラスラできたって話ね。OK‼」
――軽すぎるよ…
「オッス、ただいま。今日は夕飯なんだろ~」
「あ、いけない。話に夢中で料理してない‼そうだ‼リョウ君、手伝ってくれない?」
――2日連続の夕飯ヌキ回避だ、是非とも頑張ってほしい
「今日は夕飯まだなのか」
「ごめんなさい、銀。すぐに愛がこもった料理を作るから。今日はリョウ君も手伝ってくれるのよ‼」
「うーん、リョウの愛は要らないが、アヤメの愛はこれ以上俺の体に入るかな?それよりも今晩も楽しみにしててくれよ、俺の愛をアヤメに捧げる♡」
――このバカップル夫婦の中で料理…頑張れ、リョウ‼
「それでね、リョウ君。この料理を作ろうと思うの」
――夏に何故だろう?ローストチキン。万年クリスマス夫婦か?
「見せてください。へぇ、なるほど」
何かの魔法のようだ。リョウが手伝うとあっという間に下ごしらえが終わり、あとはオーブンが頑張れーって状態になった。
「リョウ君、料理上手‼すごく助かったわ。あとはお米も炊いてるし、うーん漬け物に挑戦してみない?」
――ローストチキンと漬け物…微妙な食卓
「夏だから夏野菜‼胡瓜が庭の家庭菜園でなってたはず」
――夏だからとかいう人間がローストチキン…
「おっ家庭菜園か。そうだな、アヤメと二人で育んだ愛の家庭菜園で胡瓜の収穫か。俺も手伝うぞ」
「いいのよ、銀は。仕事で疲れてるでしょ?あとでまた私を収穫してちょうだい♡」
「わかったよ、アヤメ♡おーい、リョウ。よろしく頼む」
――二人で育んだって俺も手伝ったんデスケド…
無事に胡瓜も収穫され、リョウによって漬け物になった。そしてローストチキンも完成。米も出来た。リョウはいつの間にやら味噌汁を作っていた。
「リョウのそのスキルすげーな」
「いいことだけじゃないんだよ」
――その言葉の意味が分からなかった。それにしても、白飯・味噌汁・ローストチキン・胡瓜の漬け物ってメニューがすごい…
「さすがアヤメ。今日もローストチキンだね♡」
「夏バージョンよ、銀♡それにリョウ君も手伝ってくれたし」
「翔は手伝ったりしないのか?我が息子よ」
――俺の料理の腕知ってるクセに
「俺は料理下手だから手伝わない。逆に邪魔になる」
「なるほどな。アヤメの珠玉の料理にキズがついたら大変だ」
――どっちかというと息子の体を心配しろよ
「なぁ、リョウの読めば出来るってスキルで俺の仕事手伝ってくれねぇ?」
――はぁ⁈親父は弁護士だろ?そういうのって資格いるんじゃないのか?ただの高校生がやっていいもんなのか?
「学校が夏休みになればいいですよ」
「よし、俺もクライアントにその旨話とく」
「銀ってば強引ねー。夏休みの課題とかあるでしょうに」
――そうだ‼俺はリョウに勉強教わりたいぞ
「アヤメ、よく考えろ。リョウが俺の仕事を手伝う→俺の仕事がはかどる→休みが増える→空き時間ができる→アヤメと俺の二人だけの時間が増える」
「リョウ君‼銀の仕事の手伝い頑張ってね‼」
――単純だ。きっとリョウは仕事をそつなくこなすだろう。目に見える
「リョウ、適当に頑張れよ。バカップル夫婦の欲望に巻き込まれてるからな」
「ところで、ママ。俺、髪を黒く染めたいので美容室紹介してくれませんか?」
またしても悲鳴のような叫び声が家に響いた。
「リョウ君、今のままで素敵よ」
「悪目立ちをするようで嫌なんです」
「仕方ないな。コンタクトの時もそうだったけど、翔が付き添ってやれ。親父命令だ。それにしてもアヤメ、君が俺以外を素敵というなんて…」
「あら、珍しい銀。そんなに凹んで、いやぁね。素敵でも言葉に愛が乗ってるのは銀にだけよ♡今晩楽しみにしてるんだから‼」
――美容室の紹介はどうなったんだ?
「で、美容室は紹介してくれるの?」
「もー、銀に似てせっかちね‼今度ママが行くときに一緒に行きましょう。って前にも約束してたわね。取り乱しちゃって恥ずかしい‼」
――何を今更。バカップル全開の方が恥ずかしい
「翔、大げさだよねー?」
――とリョウは言うけど、仕方あるまい
ちょっと突き放してみると、リョウが涙を流している。そして、何故だろう?女子生徒が睨んでくる。
「コンタクトー‼」
――ん⁈コンタクトで目が乾くとか、コンタクトがずれたとかか?
「とりあえず、目薬だな。で、リョウ目薬はどこだ?」
「鞄の中のどっかー」
――すっげーわかりにくい。女子のようにポーチを持っていればいいのに
「ついでにティッシュもー」
――あー涙出れば鼻水も出るよな
「なぁ、コンタクトしてるから水泳部は無理ですって断れないかな?」
「裸眼を求められる可能性がある」
――リョウがちょっとガッカリしていた。そんなに助っ人とか嫌なのかなぁ?
そんなこんなで授業中古典だけど大丈夫かあ?と心配だったが、リョウの読めば出来る能力でスラスラと古典もこなした。
――日本人でも間違えるのに…
いつものニンジャのように家に帰って、学校での出来事をそこにいる母さんに話した。
「まぁ、リョウ君モテモテなのね。それで?それで?」
――好奇心旺盛な母だ
「読んだら出来るようになるの?便利ね‼今度二人で料理しましょ?」
「はぁ…」
――男子高校生の返事はこんなもんだろう
「コンタクトがずれたの?たいへんだったわね。じゃーん‼ママもカラーコンタクト買っちゃいました‼」
――おい‼緑デスカ…
「それで?古典もスラスラできたって話ね。OK‼」
――軽すぎるよ…
「オッス、ただいま。今日は夕飯なんだろ~」
「あ、いけない。話に夢中で料理してない‼そうだ‼リョウ君、手伝ってくれない?」
――2日連続の夕飯ヌキ回避だ、是非とも頑張ってほしい
「今日は夕飯まだなのか」
「ごめんなさい、銀。すぐに愛がこもった料理を作るから。今日はリョウ君も手伝ってくれるのよ‼」
「うーん、リョウの愛は要らないが、アヤメの愛はこれ以上俺の体に入るかな?それよりも今晩も楽しみにしててくれよ、俺の愛をアヤメに捧げる♡」
――このバカップル夫婦の中で料理…頑張れ、リョウ‼
「それでね、リョウ君。この料理を作ろうと思うの」
――夏に何故だろう?ローストチキン。万年クリスマス夫婦か?
「見せてください。へぇ、なるほど」
何かの魔法のようだ。リョウが手伝うとあっという間に下ごしらえが終わり、あとはオーブンが頑張れーって状態になった。
「リョウ君、料理上手‼すごく助かったわ。あとはお米も炊いてるし、うーん漬け物に挑戦してみない?」
――ローストチキンと漬け物…微妙な食卓
「夏だから夏野菜‼胡瓜が庭の家庭菜園でなってたはず」
――夏だからとかいう人間がローストチキン…
「おっ家庭菜園か。そうだな、アヤメと二人で育んだ愛の家庭菜園で胡瓜の収穫か。俺も手伝うぞ」
「いいのよ、銀は。仕事で疲れてるでしょ?あとでまた私を収穫してちょうだい♡」
「わかったよ、アヤメ♡おーい、リョウ。よろしく頼む」
――二人で育んだって俺も手伝ったんデスケド…
無事に胡瓜も収穫され、リョウによって漬け物になった。そしてローストチキンも完成。米も出来た。リョウはいつの間にやら味噌汁を作っていた。
「リョウのそのスキルすげーな」
「いいことだけじゃないんだよ」
――その言葉の意味が分からなかった。それにしても、白飯・味噌汁・ローストチキン・胡瓜の漬け物ってメニューがすごい…
「さすがアヤメ。今日もローストチキンだね♡」
「夏バージョンよ、銀♡それにリョウ君も手伝ってくれたし」
「翔は手伝ったりしないのか?我が息子よ」
――俺の料理の腕知ってるクセに
「俺は料理下手だから手伝わない。逆に邪魔になる」
「なるほどな。アヤメの珠玉の料理にキズがついたら大変だ」
――どっちかというと息子の体を心配しろよ
「なぁ、リョウの読めば出来るってスキルで俺の仕事手伝ってくれねぇ?」
――はぁ⁈親父は弁護士だろ?そういうのって資格いるんじゃないのか?ただの高校生がやっていいもんなのか?
「学校が夏休みになればいいですよ」
「よし、俺もクライアントにその旨話とく」
「銀ってば強引ねー。夏休みの課題とかあるでしょうに」
――そうだ‼俺はリョウに勉強教わりたいぞ
「アヤメ、よく考えろ。リョウが俺の仕事を手伝う→俺の仕事がはかどる→休みが増える→空き時間ができる→アヤメと俺の二人だけの時間が増える」
「リョウ君‼銀の仕事の手伝い頑張ってね‼」
――単純だ。きっとリョウは仕事をそつなくこなすだろう。目に見える
「リョウ、適当に頑張れよ。バカップル夫婦の欲望に巻き込まれてるからな」
「ところで、ママ。俺、髪を黒く染めたいので美容室紹介してくれませんか?」
またしても悲鳴のような叫び声が家に響いた。
「リョウ君、今のままで素敵よ」
「悪目立ちをするようで嫌なんです」
「仕方ないな。コンタクトの時もそうだったけど、翔が付き添ってやれ。親父命令だ。それにしてもアヤメ、君が俺以外を素敵というなんて…」
「あら、珍しい銀。そんなに凹んで、いやぁね。素敵でも言葉に愛が乗ってるのは銀にだけよ♡今晩楽しみにしてるんだから‼」
――美容室の紹介はどうなったんだ?
「で、美容室は紹介してくれるの?」
「もー、銀に似てせっかちね‼今度ママが行くときに一緒に行きましょう。って前にも約束してたわね。取り乱しちゃって恥ずかしい‼」
――何を今更。バカップル全開の方が恥ずかしい
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
異世界より来たイケメン3兄弟があなたの大切なものと引き換えになんでも願いをかなえます。~喫茶店‘お命頂戴致します’より
satomi
ファンタジー
表の商売はごくごく普通の喫茶店。喫茶店の名前は‘お命頂戴致します。’
裏の顔は、依頼人の大切なものと引き換えに依頼を遂行するという業務をしている。(本当に命は取らないよ)
経営しているのは、イケメン3兄弟。長男・聡はレアキャラで滅多に顔を出さない。次男尊は接客担当。3男・悟はラテアートを描いたりする。
ただし、3人共異世界からやって来ている。しかも、異世界では王子様だった。長男以下3人は「自分たちよりも上に兄貴がいるからいなくてもいいでしょ」とけっこう軽いノリで二ホンにやってきた。
ついてきたのは、生まれたときから兄弟に仕えている瀬蓮とキャサリン。
瀬蓮についてはかなりの部分が謎になっているが、格闘技の達人で人脈が凄まじい。
キャサリンは所謂オネェキャラ…。情報屋さん。おかまバーを経営しております。
今日はどんな無理難題がこの喫茶店にやってくるのか……
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜
むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。
幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。
そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。
故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。
自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。
だが、エアルは知らない。
ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。
遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。
これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
アリシアの恋は終わったのです【完結】
ことりちゃん
恋愛
昼休みの廊下で、アリシアはずっとずっと大好きだったマークから、いきなり頬を引っ叩かれた。
その瞬間、アリシアの恋は終わりを迎えた。
そこから長年の虚しい片想いに別れを告げ、新しい道へと歩き出すアリシア。
反対に、後になってアリシアの想いに触れ、遅すぎる行動に出るマーク。
案外吹っ切れて楽しく過ごす女子と、どうしようもなく後悔する残念な男子のお話です。
ーーーーー
12話で完結します。
よろしくお願いします(´∀`)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる