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5話 リョウのスキル
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案の定リョウの目が黒いから女子が騒ぎ始めた。
「翔、大げさだよねー?」
――とリョウは言うけど、仕方あるまい
ちょっと突き放してみると、リョウが涙を流している。そして、何故だろう?女子生徒が睨んでくる。
「コンタクトー‼」
――ん⁈コンタクトで目が乾くとか、コンタクトがずれたとかか?
「とりあえず、目薬だな。で、リョウ目薬はどこだ?」
「鞄の中のどっかー」
――すっげーわかりにくい。女子のようにポーチを持っていればいいのに
「ついでにティッシュもー」
――あー涙出れば鼻水も出るよな
「なぁ、コンタクトしてるから水泳部は無理ですって断れないかな?」
「裸眼を求められる可能性がある」
――リョウがちょっとガッカリしていた。そんなに助っ人とか嫌なのかなぁ?
そんなこんなで授業中古典だけど大丈夫かあ?と心配だったが、リョウの読めば出来る能力でスラスラと古典もこなした。
――日本人でも間違えるのに…
いつものニンジャのように家に帰って、学校での出来事をそこにいる母さんに話した。
「まぁ、リョウ君モテモテなのね。それで?それで?」
――好奇心旺盛な母だ
「読んだら出来るようになるの?便利ね‼今度二人で料理しましょ?」
「はぁ…」
――男子高校生の返事はこんなもんだろう
「コンタクトがずれたの?たいへんだったわね。じゃーん‼ママもカラーコンタクト買っちゃいました‼」
――おい‼緑デスカ…
「それで?古典もスラスラできたって話ね。OK‼」
――軽すぎるよ…
「オッス、ただいま。今日は夕飯なんだろ~」
「あ、いけない。話に夢中で料理してない‼そうだ‼リョウ君、手伝ってくれない?」
――2日連続の夕飯ヌキ回避だ、是非とも頑張ってほしい
「今日は夕飯まだなのか」
「ごめんなさい、銀。すぐに愛がこもった料理を作るから。今日はリョウ君も手伝ってくれるのよ‼」
「うーん、リョウの愛は要らないが、アヤメの愛はこれ以上俺の体に入るかな?それよりも今晩も楽しみにしててくれよ、俺の愛をアヤメに捧げる♡」
――このバカップル夫婦の中で料理…頑張れ、リョウ‼
「それでね、リョウ君。この料理を作ろうと思うの」
――夏に何故だろう?ローストチキン。万年クリスマス夫婦か?
「見せてください。へぇ、なるほど」
何かの魔法のようだ。リョウが手伝うとあっという間に下ごしらえが終わり、あとはオーブンが頑張れーって状態になった。
「リョウ君、料理上手‼すごく助かったわ。あとはお米も炊いてるし、うーん漬け物に挑戦してみない?」
――ローストチキンと漬け物…微妙な食卓
「夏だから夏野菜‼胡瓜が庭の家庭菜園でなってたはず」
――夏だからとかいう人間がローストチキン…
「おっ家庭菜園か。そうだな、アヤメと二人で育んだ愛の家庭菜園で胡瓜の収穫か。俺も手伝うぞ」
「いいのよ、銀は。仕事で疲れてるでしょ?あとでまた私を収穫してちょうだい♡」
「わかったよ、アヤメ♡おーい、リョウ。よろしく頼む」
――二人で育んだって俺も手伝ったんデスケド…
無事に胡瓜も収穫され、リョウによって漬け物になった。そしてローストチキンも完成。米も出来た。リョウはいつの間にやら味噌汁を作っていた。
「リョウのそのスキルすげーな」
「いいことだけじゃないんだよ」
――その言葉の意味が分からなかった。それにしても、白飯・味噌汁・ローストチキン・胡瓜の漬け物ってメニューがすごい…
「さすがアヤメ。今日もローストチキンだね♡」
「夏バージョンよ、銀♡それにリョウ君も手伝ってくれたし」
「翔は手伝ったりしないのか?我が息子よ」
――俺の料理の腕知ってるクセに
「俺は料理下手だから手伝わない。逆に邪魔になる」
「なるほどな。アヤメの珠玉の料理にキズがついたら大変だ」
――どっちかというと息子の体を心配しろよ
「なぁ、リョウの読めば出来るってスキルで俺の仕事手伝ってくれねぇ?」
――はぁ⁈親父は弁護士だろ?そういうのって資格いるんじゃないのか?ただの高校生がやっていいもんなのか?
「学校が夏休みになればいいですよ」
「よし、俺もクライアントにその旨話とく」
「銀ってば強引ねー。夏休みの課題とかあるでしょうに」
――そうだ‼俺はリョウに勉強教わりたいぞ
「アヤメ、よく考えろ。リョウが俺の仕事を手伝う→俺の仕事がはかどる→休みが増える→空き時間ができる→アヤメと俺の二人だけの時間が増える」
「リョウ君‼銀の仕事の手伝い頑張ってね‼」
――単純だ。きっとリョウは仕事をそつなくこなすだろう。目に見える
「リョウ、適当に頑張れよ。バカップル夫婦の欲望に巻き込まれてるからな」
「ところで、ママ。俺、髪を黒く染めたいので美容室紹介してくれませんか?」
またしても悲鳴のような叫び声が家に響いた。
「リョウ君、今のままで素敵よ」
「悪目立ちをするようで嫌なんです」
「仕方ないな。コンタクトの時もそうだったけど、翔が付き添ってやれ。親父命令だ。それにしてもアヤメ、君が俺以外を素敵というなんて…」
「あら、珍しい銀。そんなに凹んで、いやぁね。素敵でも言葉に愛が乗ってるのは銀にだけよ♡今晩楽しみにしてるんだから‼」
――美容室の紹介はどうなったんだ?
「で、美容室は紹介してくれるの?」
「もー、銀に似てせっかちね‼今度ママが行くときに一緒に行きましょう。って前にも約束してたわね。取り乱しちゃって恥ずかしい‼」
――何を今更。バカップル全開の方が恥ずかしい
「翔、大げさだよねー?」
――とリョウは言うけど、仕方あるまい
ちょっと突き放してみると、リョウが涙を流している。そして、何故だろう?女子生徒が睨んでくる。
「コンタクトー‼」
――ん⁈コンタクトで目が乾くとか、コンタクトがずれたとかか?
「とりあえず、目薬だな。で、リョウ目薬はどこだ?」
「鞄の中のどっかー」
――すっげーわかりにくい。女子のようにポーチを持っていればいいのに
「ついでにティッシュもー」
――あー涙出れば鼻水も出るよな
「なぁ、コンタクトしてるから水泳部は無理ですって断れないかな?」
「裸眼を求められる可能性がある」
――リョウがちょっとガッカリしていた。そんなに助っ人とか嫌なのかなぁ?
そんなこんなで授業中古典だけど大丈夫かあ?と心配だったが、リョウの読めば出来る能力でスラスラと古典もこなした。
――日本人でも間違えるのに…
いつものニンジャのように家に帰って、学校での出来事をそこにいる母さんに話した。
「まぁ、リョウ君モテモテなのね。それで?それで?」
――好奇心旺盛な母だ
「読んだら出来るようになるの?便利ね‼今度二人で料理しましょ?」
「はぁ…」
――男子高校生の返事はこんなもんだろう
「コンタクトがずれたの?たいへんだったわね。じゃーん‼ママもカラーコンタクト買っちゃいました‼」
――おい‼緑デスカ…
「それで?古典もスラスラできたって話ね。OK‼」
――軽すぎるよ…
「オッス、ただいま。今日は夕飯なんだろ~」
「あ、いけない。話に夢中で料理してない‼そうだ‼リョウ君、手伝ってくれない?」
――2日連続の夕飯ヌキ回避だ、是非とも頑張ってほしい
「今日は夕飯まだなのか」
「ごめんなさい、銀。すぐに愛がこもった料理を作るから。今日はリョウ君も手伝ってくれるのよ‼」
「うーん、リョウの愛は要らないが、アヤメの愛はこれ以上俺の体に入るかな?それよりも今晩も楽しみにしててくれよ、俺の愛をアヤメに捧げる♡」
――このバカップル夫婦の中で料理…頑張れ、リョウ‼
「それでね、リョウ君。この料理を作ろうと思うの」
――夏に何故だろう?ローストチキン。万年クリスマス夫婦か?
「見せてください。へぇ、なるほど」
何かの魔法のようだ。リョウが手伝うとあっという間に下ごしらえが終わり、あとはオーブンが頑張れーって状態になった。
「リョウ君、料理上手‼すごく助かったわ。あとはお米も炊いてるし、うーん漬け物に挑戦してみない?」
――ローストチキンと漬け物…微妙な食卓
「夏だから夏野菜‼胡瓜が庭の家庭菜園でなってたはず」
――夏だからとかいう人間がローストチキン…
「おっ家庭菜園か。そうだな、アヤメと二人で育んだ愛の家庭菜園で胡瓜の収穫か。俺も手伝うぞ」
「いいのよ、銀は。仕事で疲れてるでしょ?あとでまた私を収穫してちょうだい♡」
「わかったよ、アヤメ♡おーい、リョウ。よろしく頼む」
――二人で育んだって俺も手伝ったんデスケド…
無事に胡瓜も収穫され、リョウによって漬け物になった。そしてローストチキンも完成。米も出来た。リョウはいつの間にやら味噌汁を作っていた。
「リョウのそのスキルすげーな」
「いいことだけじゃないんだよ」
――その言葉の意味が分からなかった。それにしても、白飯・味噌汁・ローストチキン・胡瓜の漬け物ってメニューがすごい…
「さすがアヤメ。今日もローストチキンだね♡」
「夏バージョンよ、銀♡それにリョウ君も手伝ってくれたし」
「翔は手伝ったりしないのか?我が息子よ」
――俺の料理の腕知ってるクセに
「俺は料理下手だから手伝わない。逆に邪魔になる」
「なるほどな。アヤメの珠玉の料理にキズがついたら大変だ」
――どっちかというと息子の体を心配しろよ
「なぁ、リョウの読めば出来るってスキルで俺の仕事手伝ってくれねぇ?」
――はぁ⁈親父は弁護士だろ?そういうのって資格いるんじゃないのか?ただの高校生がやっていいもんなのか?
「学校が夏休みになればいいですよ」
「よし、俺もクライアントにその旨話とく」
「銀ってば強引ねー。夏休みの課題とかあるでしょうに」
――そうだ‼俺はリョウに勉強教わりたいぞ
「アヤメ、よく考えろ。リョウが俺の仕事を手伝う→俺の仕事がはかどる→休みが増える→空き時間ができる→アヤメと俺の二人だけの時間が増える」
「リョウ君‼銀の仕事の手伝い頑張ってね‼」
――単純だ。きっとリョウは仕事をそつなくこなすだろう。目に見える
「リョウ、適当に頑張れよ。バカップル夫婦の欲望に巻き込まれてるからな」
「ところで、ママ。俺、髪を黒く染めたいので美容室紹介してくれませんか?」
またしても悲鳴のような叫び声が家に響いた。
「リョウ君、今のままで素敵よ」
「悪目立ちをするようで嫌なんです」
「仕方ないな。コンタクトの時もそうだったけど、翔が付き添ってやれ。親父命令だ。それにしてもアヤメ、君が俺以外を素敵というなんて…」
「あら、珍しい銀。そんなに凹んで、いやぁね。素敵でも言葉に愛が乗ってるのは銀にだけよ♡今晩楽しみにしてるんだから‼」
――美容室の紹介はどうなったんだ?
「で、美容室は紹介してくれるの?」
「もー、銀に似てせっかちね‼今度ママが行くときに一緒に行きましょう。って前にも約束してたわね。取り乱しちゃって恥ずかしい‼」
――何を今更。バカップル全開の方が恥ずかしい
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