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「あ、俺とカオリが夫婦って設定でご近所さんとか常連さんには話するからなー。サグルのやつがミスするから…」
「ゴメンなさい」
あからさまに凹まれると俺が凄い怒ったみたいになるからやめてくれ。虐待疑惑だ。
「あのー…この間、王家らしき人がここに来たんですけど…」
「そういう事は早く報告しろよ!」
うーん、最近うちの卵とか売れてるからなぁ。王家に目を付けられたのか?
「なんか言ってたか?」
「えー?「近々舞踏会があるから、そこでここの卵と肉を使いたい」って言ってた」
「とは言ってもなぁ。うちは王家とか平民とか差別しないし。それこそ王家に卵100個も渡したら、次世代がいなくなって、うちの養鶏場が潰れる。肉だって、予約制だからな。前もって言ってくれないと、その場で言われても用意はできない」
「と、王家と商談するのはサグルには難しいか?王家が来たらなんか合図してくれないか?狼煙とか?俺が商談した方が良さそうだな」
面倒な仕事を押し付けてきたな、王家。
「あ、狼煙ある?」
「私持ってます」
何故、聖女が狼煙を持ってるのか?
「いや、その狼煙は聖女の場所を知らせることになりかねない。ご近所さんに聞こう」
俺は馬に乗って(馬も買いました。鞍がなくても乗れるよ♪)、ご近所さんを廻って狼煙を探した。
「有難い!狼煙を有難うございます!今度うちの肉をお安くしますよ」
「はははっ、狼煙程度で良ければ!」
などと軽口を叩ける。
田舎っていいな。
俺は狼煙をサグルに渡して作業をすることにした。
カオリが持っていた狼煙は本当に聖女の居場所の特定に使われるものかもしれないので、処分した。
数日後、仕事中にサグルから狼煙の合図があった。
全く、楽しく鶏を〆ている時に合図かよ。
俺はその場をカオリに任せて、サグルの元に行った。
「何やら王家の方がいらっしゃったという事で、狼煙で合図をもらったんですが。ほら、うちの接客はまだ14才の子供がしていますから」
「ふんっ。貴殿がこの養鶏場の責任者か?」
「はい、そうですが?」
「名はなんという?」
「ユウジです。何か?近々行われる舞踏会でうちの卵と肉を使いたいという話を聞いているのですが?」
「ああ、そうだなぁ。卵を150個、肉は最上級のものを100キロ頼みたい」
「無理ですね。そんなことすると、この養鶏場が潰れます」
貴族の使いの者は嫌な笑みを浮かべた。
「そんなことは我々には関係ない」
「この養鶏場は王家とか平民とか差別していないんですよ」
「平民風情が…」
「せいぜい卵は30個、肉は7キロでしょうかねぇ?貴族の方はそんなに舌が肥えてらっしゃるんですか?「最上級のものです」といえば、思い込みで「そうなんだ」って思っちゃいそうですけど?」
「……」
「今提示した量もかなり無理した量ですよ。肉の量なんて、3キロですかねぇ?他のお客様のことも考えると」
「我々は出直す。その間に何があっても知らない」
使いが不敵な笑みを浮かべて去っていく。
鶏泥棒とかするのかなぁ?最悪。有刺鉄線で牧場を囲おうか?もちろん鶏に害はないように。
「ゴメンなさい」
あからさまに凹まれると俺が凄い怒ったみたいになるからやめてくれ。虐待疑惑だ。
「あのー…この間、王家らしき人がここに来たんですけど…」
「そういう事は早く報告しろよ!」
うーん、最近うちの卵とか売れてるからなぁ。王家に目を付けられたのか?
「なんか言ってたか?」
「えー?「近々舞踏会があるから、そこでここの卵と肉を使いたい」って言ってた」
「とは言ってもなぁ。うちは王家とか平民とか差別しないし。それこそ王家に卵100個も渡したら、次世代がいなくなって、うちの養鶏場が潰れる。肉だって、予約制だからな。前もって言ってくれないと、その場で言われても用意はできない」
「と、王家と商談するのはサグルには難しいか?王家が来たらなんか合図してくれないか?狼煙とか?俺が商談した方が良さそうだな」
面倒な仕事を押し付けてきたな、王家。
「あ、狼煙ある?」
「私持ってます」
何故、聖女が狼煙を持ってるのか?
「いや、その狼煙は聖女の場所を知らせることになりかねない。ご近所さんに聞こう」
俺は馬に乗って(馬も買いました。鞍がなくても乗れるよ♪)、ご近所さんを廻って狼煙を探した。
「有難い!狼煙を有難うございます!今度うちの肉をお安くしますよ」
「はははっ、狼煙程度で良ければ!」
などと軽口を叩ける。
田舎っていいな。
俺は狼煙をサグルに渡して作業をすることにした。
カオリが持っていた狼煙は本当に聖女の居場所の特定に使われるものかもしれないので、処分した。
数日後、仕事中にサグルから狼煙の合図があった。
全く、楽しく鶏を〆ている時に合図かよ。
俺はその場をカオリに任せて、サグルの元に行った。
「何やら王家の方がいらっしゃったという事で、狼煙で合図をもらったんですが。ほら、うちの接客はまだ14才の子供がしていますから」
「ふんっ。貴殿がこの養鶏場の責任者か?」
「はい、そうですが?」
「名はなんという?」
「ユウジです。何か?近々行われる舞踏会でうちの卵と肉を使いたいという話を聞いているのですが?」
「ああ、そうだなぁ。卵を150個、肉は最上級のものを100キロ頼みたい」
「無理ですね。そんなことすると、この養鶏場が潰れます」
貴族の使いの者は嫌な笑みを浮かべた。
「そんなことは我々には関係ない」
「この養鶏場は王家とか平民とか差別していないんですよ」
「平民風情が…」
「せいぜい卵は30個、肉は7キロでしょうかねぇ?貴族の方はそんなに舌が肥えてらっしゃるんですか?「最上級のものです」といえば、思い込みで「そうなんだ」って思っちゃいそうですけど?」
「……」
「今提示した量もかなり無理した量ですよ。肉の量なんて、3キロですかねぇ?他のお客様のことも考えると」
「我々は出直す。その間に何があっても知らない」
使いが不敵な笑みを浮かべて去っていく。
鶏泥棒とかするのかなぁ?最悪。有刺鉄線で牧場を囲おうか?もちろん鶏に害はないように。
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