6 / 8
6.
しおりを挟む
「俺…じゃなくて、私は痛いのが嫌だし、家族を失うのも嫌です。敵兵といえども、ただの人間で、隣国の王に命令されているから戦っているだけです。一部戦うのが好きなやつがいるかもしれませんが、それは除外します。
なので、今回敵兵をすべてその家族の元へと送りました」
「お主のやったことが良ならばいいのだが…。敵前逃亡と言われ、隣国の王に処罰されないことを祈ろう」
なんて恐ろしい。
あーもう!面倒だなぁ。王様というやつは、絶対自分は安全なところにいて手を汚さないんだよな。
「陛下!隣国の王をこちらに呼んでもいいですか?」
「お主の魔術でか?」
俺は首肯した。絶対玉座に座ったままで動かないやつだ。絶対持病は痔だろう。
俺は隣国の王を陛下の目の前に呼び出した。
「言いたいことは、直接私に言ってくれないか?土地が荒れたり、兵士の命が亡くなるのは私の望むところではない」
隣国の王はまだ事態が飲みこめていないようだった。
「ここはあなたが戦争を仕掛けた国の謁見の間です。そして、あの方はその国王様です」
俺が代わりに伝えた。
「ぬくぬくと隣国にいたようだが、そこのラルフがこの国にそなたを招待した。そちの要求はなんだ?」
「この国はなんで金とか銀とか鉱山に恵まれてるんだよ?隣国なのに、わが国にはそんなものはない」
なんだ?ないものねだりの八つ当たりで戦争?子供の喧嘩じゃないんだからやめてくれ!
「人徳じゃないのか?そんなことで戦争を起こそうと思ったりするうちはそなたに人徳がないから、金とか銀の鉱山が出ないだろうな」
陛下…、バッサリといきましたね。
「隣国なのに…」
いつまで“隣国”ということにこだわっているんだろう?
「で、そなたはどうしたいんだ?このままだとそなたは戦争犯罪人として処罰対象だが?」
「この国の金鉱山か銀鉱山をちょっと分けてほしい」
「馬鹿だな…。ものの価値を金とか銀でしか見られないのか…愚かな」
隣国の王は戦争犯罪人としてこの国の牢に入れられた。
隣国はこの国の属国になった。
「仕事が増えた~」
と殿下は嘆いているけど、俺は平和なのでいいと思う。
なので、今回敵兵をすべてその家族の元へと送りました」
「お主のやったことが良ならばいいのだが…。敵前逃亡と言われ、隣国の王に処罰されないことを祈ろう」
なんて恐ろしい。
あーもう!面倒だなぁ。王様というやつは、絶対自分は安全なところにいて手を汚さないんだよな。
「陛下!隣国の王をこちらに呼んでもいいですか?」
「お主の魔術でか?」
俺は首肯した。絶対玉座に座ったままで動かないやつだ。絶対持病は痔だろう。
俺は隣国の王を陛下の目の前に呼び出した。
「言いたいことは、直接私に言ってくれないか?土地が荒れたり、兵士の命が亡くなるのは私の望むところではない」
隣国の王はまだ事態が飲みこめていないようだった。
「ここはあなたが戦争を仕掛けた国の謁見の間です。そして、あの方はその国王様です」
俺が代わりに伝えた。
「ぬくぬくと隣国にいたようだが、そこのラルフがこの国にそなたを招待した。そちの要求はなんだ?」
「この国はなんで金とか銀とか鉱山に恵まれてるんだよ?隣国なのに、わが国にはそんなものはない」
なんだ?ないものねだりの八つ当たりで戦争?子供の喧嘩じゃないんだからやめてくれ!
「人徳じゃないのか?そんなことで戦争を起こそうと思ったりするうちはそなたに人徳がないから、金とか銀の鉱山が出ないだろうな」
陛下…、バッサリといきましたね。
「隣国なのに…」
いつまで“隣国”ということにこだわっているんだろう?
「で、そなたはどうしたいんだ?このままだとそなたは戦争犯罪人として処罰対象だが?」
「この国の金鉱山か銀鉱山をちょっと分けてほしい」
「馬鹿だな…。ものの価値を金とか銀でしか見られないのか…愚かな」
隣国の王は戦争犯罪人としてこの国の牢に入れられた。
隣国はこの国の属国になった。
「仕事が増えた~」
と殿下は嘆いているけど、俺は平和なのでいいと思う。
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
十人十色の強制ダンジョン攻略生活
ほんのり雪達磨
ファンタジー
クリアしなければ、死ぬこともできません。
妙な部屋で目が覚めた大量の人種を問わない人たちに、自称『運営』と名乗る何かは一方的にそう告げた。
難易度別に分けられたダンジョンと呼ぶ何かにランダムに配置されていて、クリア条件を達成しない限りリスポーンし続ける状態を強制されてしまった、らしい。
そんな理不尽に攫われて押し付けられた人たちの強制ダンジョン攻略生活。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
ダンマス(異端者)
AN@RCHY
ファンタジー
幼女女神に召喚で呼び出されたシュウ。
元の世界に戻れないことを知って自由気ままに過ごすことを決めた。
人の作ったレールなんかのってやらねえぞ!
地球での痕跡をすべて消されて、幼女女神に召喚された風間修。そこで突然、ダンジョンマスターになって他のダンジョンマスターたちと競えと言われた。
戻りたくても戻る事の出来ない現実を受け入れ、異世界へ旅立つ。
始めこそ異世界だとワクワクしていたが、すぐに碇石からズレおかしなことを始めた。
小説になろうで『AN@CHY』名義で投稿している、同タイトルをアルファポリスにも投稿させていただきます。
向こうの小説を多少修正して投稿しています。
修正をかけながらなので更新ペースは不明です。
セリオン共和国再興記 もしくは宇宙刑事が召喚されてしまったので・・・
今卓&
ファンタジー
地球での任務が終わった銀河連合所属の刑事二人は帰途の途中原因不明のワームホールに巻き込まれる、彼が気が付くと可住惑星上に居た。
その頃会議中の皇帝の元へ伯爵から使者が送られる、彼等は捕らえられ教会の地下へと送られた。
皇帝は日課の教会へ向かう途中でタイスと名乗る少女を”宮”へ招待するという、タイスは不安ながらも両親と周囲の反応から招待を断る事はできず”宮”へ向かう事となる。
刑事は離別したパートナーの捜索と惑星の調査の為、巡視艇から下船する事とした、そこで彼は4人の知性体を救出し獣人二人とエルフを連れてエルフの住む土地へ彼等を届ける旅にでる事となる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる