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その日、俺は殿下に言われたと家に手紙を出し、教会に魔力量を計りに行った。
案の定、俺の魔力量はロルフのそれを凌駕するものだった。
「でも、魔術は使えないんだよな~」などとロルフは言う。なんとしてでも侯爵家嫡男の座を守りたかったんだろう。
もし、魔力量も十分な俺が魔術も使えると分かれば、侯爵家の嫡男は俺になるだろう。もともとは俺が長男だし。
殿下の元には翌日行くと手紙を送った。
突然訪れるのはマナー違反だろう。いきなり行っても学園に視察に来たみたいにどこかに視察に行っているかもしれないし…。
俺はその翌日にアポイントをとって、殿下にお会いする運びとなった。
「チェーン家が次男、ラルフ、国の時期太陽であらせられます殿下に「ああそういうのいらない」
「で、結果はどうだった?」
「はい、生まれた当時は少なかった魔力量が膨大な魔力量になっていました」
「そうだろうね。王家の人間はね、その人に会ったりすると魔力量が大体わかるんだ。君の魔力量はとんでもないものだったからすぐわかった。で、ここからが本題かな?」
王家の人間に嘘は吐けない。側近の方の柄から剣が見える。怖いなぁ。尋問?
「君、隠してるけど魔術使えるでしょ?それもかなり高度な。今回は学園全体の変身魔術を解いた?ロルフはもう変身できないようにした?」
ああ、ズバリだなぁ。
「ハイ。ロルフは幼い頃より変身魔術を使い続けていた弊害か、真の姿がボロボロになっていたので。俺はそちらの側近の方のモノクルと同じ効果かな?魔眼を所有しています。この眼の前では変身魔術など役に立ちません」
「へぇ、俺のモノクルと同じ効果か。興味あるなぁ」
しまった!魔術道具科OBの興味を引いてしまった。彼らは研究好きだから、俺の眼が研究材料になってしまう…。
「魔術道具科、結構頑張ってこのモノクル制作したんだけどなぁ。君の眼はどういう仕組みなんだろう?」
俺はわからない。生まれた時からだからなぁ。家族は知らないけど。
「あ、家族は俺が魔術を使えることも魔眼を持っていることも知りません」
「まぁ、知っていたら君が侯爵家の嫡男だろうね。嫡男に興味はないの?」
「そうですねぇ。貴族同士の付き合いだとか面倒そうなので、今はほぼロルフに押し付けているような形です」
昔は違ったけど…。
「あとさぁ、ラルフは侯爵家だとかなり虐げられて育ってるでしょ?」
「はいまぁ…」
何で知ってるんだ?王家の情報網怖い!!
「だからさぁ、卒業したら王宮で暮らさない?」
What?
「どのような手段で?俺は公式にはただの侯爵家次男ですよ?あ、さっき魔力量がものすごくあった」
「そこを使うんだよ」
俺には殿下がすごく悪い人間に見える。
「マリウス、あー俺の側近のやつね。がラルフにすごく興味持ってるしさぁ。魔眼持ちでしょ?絶対王家に役立つ!」
まぁ、スパイとか一目でわかるなぁ。
「俺が王宮をウロウロしてあやしいやつを探すんですか?」
「それもアリだな~。陛下には俺から伝えておくよ。あと、侯爵家にも伝えておく。魔眼持ちなのは伏せてなんとか伝える」
どうやってかはわからないけど、一侯爵家が王家には逆らえないな。
俺もせっかく部屋がある生活から厩舎での生活には戻りたくないから快諾した。
殿下の側近さんは、文官系の方がマリウス様。武官系の方がグビーズ様という名前というらしい。家名は聞いていないが、おそらく伯爵家以上だろうなぁ。
マリウス様がモノクルを着けている以上皆さま真の姿だっただろうし。キラキラしいなぁ。
殿下に仕える条件にキラキラしている。というのがあるのだろうか?
**********************
一方侯爵家では…
「ロルフよ、その姿はどうしたのだ?」
変身魔術の事は言えないな…
「ラルフに襲われました」
これでラルフの株が急降下!
「ラルフの魔力量は膨大らしいな?」
「そうらしいですね。でも、あいつは魔術が一切使えないんですよ?」
「そうだな…。王家から文が届いてな」
ああ、そういえばラルフが殿下に呼び出されていたなぁ。
「ラルフは学園卒業後王宮で暮らすことと決まった」
はぁ?
「どうして?あんなやつが?」
「私も腑に落ちないのだが、殿下の側近の方がラルフの膨大な魔力量に興味を持ったらしく、研究材料として興味があるらしい。侯爵家から通うよりも王宮に常駐している方が効率がいいというのが理由だそうだ」
「俺だって、魔力りょ…あ…魔術が使えない方が好都合なのかもしれませんね」
そんなだから、ラルフがロルフを襲ったというロルフの渾身の嘘は特に意味を成さず、ラルフが王宮の世話になるという事だけが侯爵家の人間の頭に入った。
「嗚呼、私のロルフ!どうしてそんな姿に?!」
と、母上は言うけれどロルフが姿に関係なく嫡男ということに変わりがないようで、ロルフは安心していた。
「本当にロルフなの?信じられないわ。ロルフはもっと違うはずよ。偽物よ。こんな子厩舎で生活すればいいわ。食事?フンっ、賄いでも食べていなさい」
と、母上に言われるので、ロルフは卒業まで学園の寮で生活することにした。
*************************
魔術騎士科というだけの事はある。剣術の競技会が2か月に1度開かれる。成績の悪い生徒は落第する。貴族としては汚点となり、勘当されるのかな?
俺は勘当されようが痛くも痒くもないが、剣が当たるのは痛い。
そう思いながら、競技会に臨んでいたら、優勝。何故?
剣に当たれば痛いじゃん。俺は避けて、剣の切っ先を相手の喉元に突き付けてただけなんだけど?
俺は不思議に思い、殿下の側近のグビーズ様に聞いてみた。
「アハハ!そんなこと思ってたのか。痛いのは嫌だよなあ」
グビーズ様が真剣な顔をした。さっきまでの笑顔とは全く違う。
「普通は避けることが出来ないんだよ。避けるのも剣術の才能だね。動体視力がいいのかなぁ?単に痛いのが嫌なのか、本当に君は面白いね」
最後には笑ってくれてよかった。ほっと一息。
「あ、でもロルフに睨まれた…。魔術できない代わりにあいつは剣術できるのかよ?って感じですかね?」
「君も大変だねー。卒業まで頑張ってよ!」
うーん卒業まであと2年以上あるんじゃないかな?
その間に剣術競技会が何回あるんだよ!嫌だなぁ。(痛いのが)
「あ、マリウス様!」
帰り道にマリウス様に遭遇した。
「魔術騎士科では競技会があるんですけど、魔術道具科はそういうのあるんですか?」
「あるよ。えーっとねぇ。2か月に1度魔術道具で優劣つけるんだけど…。難しいよねぇ。判定方法。毎回飛びぬけて凄いものがあれば楽だけど。魔術騎士科と同じで、会で成績が悪かったら、落第。厳しいよね」
「魔術道具で優劣?」
「うん。道具で生活魔術を披露するんだ。今はそこらにある街灯もこの競技会発のもののはずだよ?」
へぇー。世の中知らない事だらけだな。
「マリウス様は何を?」
「このモノクル!それなのに…君の魔眼があっさりとその機能を…」
聞かなきゃよかった。
「あー、魔術道具科の競技会は普段の授業の合間に競技会用の道具作らなきゃで大変そうですね」
「競技会用の時間割になってるから大丈夫だよ。流石に、授業+競技会で暮らすのは無理だよ~」
「ですよね!」
これで、オサマッタ。よかった。
「君が卒業するの楽しみだなぁ♪その魔眼を思う存分研究するんだ♪」
…なんかコワイ。
卒業するまで2年ちょいかぁ。俺は学園で何を学べばいいんだろう?
とりあえず、競技会で痛いのは嫌だ!これは決定事項。
魔術を学べばいいのか?
どんな魔術がいいんだろう?
とにかく‘こいつ使える’って思われるような魔術を使えるようになればいいかな?
案の定、俺の魔力量はロルフのそれを凌駕するものだった。
「でも、魔術は使えないんだよな~」などとロルフは言う。なんとしてでも侯爵家嫡男の座を守りたかったんだろう。
もし、魔力量も十分な俺が魔術も使えると分かれば、侯爵家の嫡男は俺になるだろう。もともとは俺が長男だし。
殿下の元には翌日行くと手紙を送った。
突然訪れるのはマナー違反だろう。いきなり行っても学園に視察に来たみたいにどこかに視察に行っているかもしれないし…。
俺はその翌日にアポイントをとって、殿下にお会いする運びとなった。
「チェーン家が次男、ラルフ、国の時期太陽であらせられます殿下に「ああそういうのいらない」
「で、結果はどうだった?」
「はい、生まれた当時は少なかった魔力量が膨大な魔力量になっていました」
「そうだろうね。王家の人間はね、その人に会ったりすると魔力量が大体わかるんだ。君の魔力量はとんでもないものだったからすぐわかった。で、ここからが本題かな?」
王家の人間に嘘は吐けない。側近の方の柄から剣が見える。怖いなぁ。尋問?
「君、隠してるけど魔術使えるでしょ?それもかなり高度な。今回は学園全体の変身魔術を解いた?ロルフはもう変身できないようにした?」
ああ、ズバリだなぁ。
「ハイ。ロルフは幼い頃より変身魔術を使い続けていた弊害か、真の姿がボロボロになっていたので。俺はそちらの側近の方のモノクルと同じ効果かな?魔眼を所有しています。この眼の前では変身魔術など役に立ちません」
「へぇ、俺のモノクルと同じ効果か。興味あるなぁ」
しまった!魔術道具科OBの興味を引いてしまった。彼らは研究好きだから、俺の眼が研究材料になってしまう…。
「魔術道具科、結構頑張ってこのモノクル制作したんだけどなぁ。君の眼はどういう仕組みなんだろう?」
俺はわからない。生まれた時からだからなぁ。家族は知らないけど。
「あ、家族は俺が魔術を使えることも魔眼を持っていることも知りません」
「まぁ、知っていたら君が侯爵家の嫡男だろうね。嫡男に興味はないの?」
「そうですねぇ。貴族同士の付き合いだとか面倒そうなので、今はほぼロルフに押し付けているような形です」
昔は違ったけど…。
「あとさぁ、ラルフは侯爵家だとかなり虐げられて育ってるでしょ?」
「はいまぁ…」
何で知ってるんだ?王家の情報網怖い!!
「だからさぁ、卒業したら王宮で暮らさない?」
What?
「どのような手段で?俺は公式にはただの侯爵家次男ですよ?あ、さっき魔力量がものすごくあった」
「そこを使うんだよ」
俺には殿下がすごく悪い人間に見える。
「マリウス、あー俺の側近のやつね。がラルフにすごく興味持ってるしさぁ。魔眼持ちでしょ?絶対王家に役立つ!」
まぁ、スパイとか一目でわかるなぁ。
「俺が王宮をウロウロしてあやしいやつを探すんですか?」
「それもアリだな~。陛下には俺から伝えておくよ。あと、侯爵家にも伝えておく。魔眼持ちなのは伏せてなんとか伝える」
どうやってかはわからないけど、一侯爵家が王家には逆らえないな。
俺もせっかく部屋がある生活から厩舎での生活には戻りたくないから快諾した。
殿下の側近さんは、文官系の方がマリウス様。武官系の方がグビーズ様という名前というらしい。家名は聞いていないが、おそらく伯爵家以上だろうなぁ。
マリウス様がモノクルを着けている以上皆さま真の姿だっただろうし。キラキラしいなぁ。
殿下に仕える条件にキラキラしている。というのがあるのだろうか?
**********************
一方侯爵家では…
「ロルフよ、その姿はどうしたのだ?」
変身魔術の事は言えないな…
「ラルフに襲われました」
これでラルフの株が急降下!
「ラルフの魔力量は膨大らしいな?」
「そうらしいですね。でも、あいつは魔術が一切使えないんですよ?」
「そうだな…。王家から文が届いてな」
ああ、そういえばラルフが殿下に呼び出されていたなぁ。
「ラルフは学園卒業後王宮で暮らすことと決まった」
はぁ?
「どうして?あんなやつが?」
「私も腑に落ちないのだが、殿下の側近の方がラルフの膨大な魔力量に興味を持ったらしく、研究材料として興味があるらしい。侯爵家から通うよりも王宮に常駐している方が効率がいいというのが理由だそうだ」
「俺だって、魔力りょ…あ…魔術が使えない方が好都合なのかもしれませんね」
そんなだから、ラルフがロルフを襲ったというロルフの渾身の嘘は特に意味を成さず、ラルフが王宮の世話になるという事だけが侯爵家の人間の頭に入った。
「嗚呼、私のロルフ!どうしてそんな姿に?!」
と、母上は言うけれどロルフが姿に関係なく嫡男ということに変わりがないようで、ロルフは安心していた。
「本当にロルフなの?信じられないわ。ロルフはもっと違うはずよ。偽物よ。こんな子厩舎で生活すればいいわ。食事?フンっ、賄いでも食べていなさい」
と、母上に言われるので、ロルフは卒業まで学園の寮で生活することにした。
*************************
魔術騎士科というだけの事はある。剣術の競技会が2か月に1度開かれる。成績の悪い生徒は落第する。貴族としては汚点となり、勘当されるのかな?
俺は勘当されようが痛くも痒くもないが、剣が当たるのは痛い。
そう思いながら、競技会に臨んでいたら、優勝。何故?
剣に当たれば痛いじゃん。俺は避けて、剣の切っ先を相手の喉元に突き付けてただけなんだけど?
俺は不思議に思い、殿下の側近のグビーズ様に聞いてみた。
「アハハ!そんなこと思ってたのか。痛いのは嫌だよなあ」
グビーズ様が真剣な顔をした。さっきまでの笑顔とは全く違う。
「普通は避けることが出来ないんだよ。避けるのも剣術の才能だね。動体視力がいいのかなぁ?単に痛いのが嫌なのか、本当に君は面白いね」
最後には笑ってくれてよかった。ほっと一息。
「あ、でもロルフに睨まれた…。魔術できない代わりにあいつは剣術できるのかよ?って感じですかね?」
「君も大変だねー。卒業まで頑張ってよ!」
うーん卒業まであと2年以上あるんじゃないかな?
その間に剣術競技会が何回あるんだよ!嫌だなぁ。(痛いのが)
「あ、マリウス様!」
帰り道にマリウス様に遭遇した。
「魔術騎士科では競技会があるんですけど、魔術道具科はそういうのあるんですか?」
「あるよ。えーっとねぇ。2か月に1度魔術道具で優劣つけるんだけど…。難しいよねぇ。判定方法。毎回飛びぬけて凄いものがあれば楽だけど。魔術騎士科と同じで、会で成績が悪かったら、落第。厳しいよね」
「魔術道具で優劣?」
「うん。道具で生活魔術を披露するんだ。今はそこらにある街灯もこの競技会発のもののはずだよ?」
へぇー。世の中知らない事だらけだな。
「マリウス様は何を?」
「このモノクル!それなのに…君の魔眼があっさりとその機能を…」
聞かなきゃよかった。
「あー、魔術道具科の競技会は普段の授業の合間に競技会用の道具作らなきゃで大変そうですね」
「競技会用の時間割になってるから大丈夫だよ。流石に、授業+競技会で暮らすのは無理だよ~」
「ですよね!」
これで、オサマッタ。よかった。
「君が卒業するの楽しみだなぁ♪その魔眼を思う存分研究するんだ♪」
…なんかコワイ。
卒業するまで2年ちょいかぁ。俺は学園で何を学べばいいんだろう?
とりあえず、競技会で痛いのは嫌だ!これは決定事項。
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