僕達の恋は運命だと信じたい

ひな

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23話

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 そこには、『丘の上に火事ありき。そのために男は女を残してこの世をさる。こはわびしき恋と誰もがさ思ひき。されど、その丘に幻の白き花を手向けし女は男といま一度行合ふ。その花はまことの愛に結ばれしつがひのほかに手に入れられず。』と載っていた。

「うわ!読めねぇ。翔意味わかるか?」
「これ昔の文字すぎて分からないな。」

ー 悔しいけど、これがどんな意味なのか一切わからない。

「待ってください!私、わかるかもです!」

 瑠夏さんは紙とペンで解読していく。

「やっと意味が理解できました!」

10分後、その紙を見せて説明してくれた。

「この丘で火事があったみたいで、女性を残して男性が亡くなったようなんです。そして、幻の白い花をそこに手向けたら、もう一度巡り会えたそうです。」
「どうやったら、その花手に入れられるんだ?」
「真実の愛だったら手に入れられるそうですよ。」

ー 僕達の愛は真実なんだろうか?いや、真実の愛だと信じたい!

「なぁ、ここに住所載ってたぞ!」

 梓が新聞を指差す。

「これって喫茶店の住所の近くだ。そうだ。思い出した。あの場所死んだ人ともう一度巡り会える逸話があるって爺ちゃん昔言ってた。」

ー なんでそんな大切なこと忘れていたんだろう。

「明日、行ってみるか!」
「うん。迷惑かけちゃってごめん。」
「謝るなよ!」
「そうですよ。謝らないでください。迷惑なんてこれっぽっちも思っていないですから!」

 温かい言葉が胸を熱くさせて泣きそうになる。

「. . . うん。ありがとう。」

 梓が思いっきり背中を叩いてきた。

「いって!本気できたじゃん!」
「うっせ!また明日な!」
「ああ。」

 二人で拳をつき合わす。
 そんな僕達を微笑ましそうに瑠夏さんが見てきた。

 
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