僕達の恋は運命だと信じたい

ひな

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15話

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 そんな幸せな出来事を思い出していたせいか、ほおが緩んでいた。

「なんでニヤついてるの?」

 僕を不思議そうな顔で見てくる。

「懐かしいことを思い出してさ。」
「懐かしいこと?」
「うん。それよりも貰ったメロンパン食べない?」
「また誤魔化した!まぁ、食べようか。」

 袋からメロンパンを取り出して一緒に頬張る。

「このメロンパン、少し味が違うけど美味しいね。」

 歩美の言葉と、前に僕に言った梓の言葉がリンクしてなんだか切なくて虚しい気持ちになり、俯いた。

「ねぇ、リンゴタルトの作り方を明日教えてあげようか?」

 僕の気持ちが知ってか知らずか分からないけど、そう言う歩美に小さく頷いた。

「じゃあ決まりだね!明日、喫茶店の厨房使っていい?」

 また、小さく首を縦に振る頬をつねってくる。

「そんな顔しないの!」
「分かったよ。よし、明日楽しみだな。」

 出来るだけ、寂しい気持ちを隠しながら満面の笑みを作る。

 夜になり、ベッドへ入ったが眠れずにいた。
 歩美がいなくなる気がして。

「歩美、起きてる?」
「起きてるよ。」
「俺と付き合って良かった?」
「何言ってるの?良かったに決まっているじゃない。」

ー 良かった。俺だけじゃなかったんだ。

「なんで?もしかして、あの喧嘩のせいで私が死んだと思ってるの?」

 図星だったので黙り込む。

「喋んないってことはそう思ってるってことでしょ?そうだよ。翔のせいで死んだの。」

ー やっぱりそうだったんだ。ごめん。

「なんて言うとでも思ってんの?バカじゃない?私は私の不注意で死んだの。翔のせいで死んだって1ミリも考えていないに決まっているじゃない。」
「でも、」
「でもじゃない。本当にバカ。私は翔からどれくらいの愛を貰ったと思っているの?どれぐらい幸せだったか知らないの?」

 涙声で僕に伝えてくる。
ー なんてバカな質問をしてしまったんだろう。

「私、本気で翔を愛していたんだよ。」
「もう分かったから、ごめんな。」

 ぎゅっと強く抱きしめた。

「次こんなバカなこと言ったら許さないから。」
「うん。ごめん。」

 強く抱きしめたまま眠りについた。
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