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そんなこんなで

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西南の草原へ到着した私は襲われた後の馬車を見つけた。

王子たちがいないことを確認し、森の入り口にできた人が通ったあとを見つけて追った結果、捕まりかけた彼らを発見できたのだった。





「───ーナ、リーナ、詰所へ着いたわ。」


私がこれまでを思い出しているとおぶられた王女が肩を叩いた。
詰所には騎士隊がすでによばれており、入り口に縛られた兵士もどきが4人転がっていた。


「リーナ、無事にお二方を保護出来たみたいだな。」


「はい、危機一髪って感じでしたけど間に合いました。
その場にいた賊は縛って森の中に置いてきました。
他の賊は···」


「あそこだ。」


ゼクロスさんが指をさした方を見れば、建物の端っこに顔がボコボコになった賊が縛られている。


「我が物顔で詰所へ入ってきたからな、制裁を与えてやった。」


いかつい顔で笑うゼクロスさんの顔は見た子供たちが全員泣き出しそうなくらい怖い。
現に、私の背中にいる王女様は私の服をぎゅっと握っているし、王子は私の袖を強く掴んで固まっている。


「ゼクロスさん、お二人が怖がっています。」


「···すまない。」


二人の様子を見たゼクロスさんはしまった、とばかりにうろたえた。
私は少し面白くて笑ってしまった。


「王子様、王女様、こちらはアズライト皇国騎士団長のレオルド・ゼクロスさんです。
このように見た目は怖いですが普通に話せる人なので安心してください。」


「なんだか説明に納得いかない部分があるが···。
私は紹介されましたとおりアズライト皇国騎士団長の任を仰せつかっています、レオルド・ゼクロスと申します。
ここから皇都までは私どもアズライト皇国騎士隊が同行いたします。
───が、今はまず落ち着ける場所に移動しましょう。
それから詳しく説明いたします。」





私たちは詰所の中の応接室として使われている部屋へ移動した。


王女様をソファーの上に降ろして、私は別室へ救急箱を取りに行き、帰りに水やら軽食をもらって戻る。
そのあいだに3人はうまく打ち解けることができたようで、外での硬い雰囲気はなくなっていた。



「王女様、移動でだいぶ包帯が汚れてしまったので替えますね。
ついでにきれいな水で傷も洗い直します。
王子様もかすり傷から悪いものが入るかもしれないので洗い直します。」


「では、王子様の手当ては私がやろう。」


説明しながら手当ての用意しているとゼクロスさんが手を軽く挙げた。
これ幸いと私は驚いている王子に確認して了承を得たので手当ては彼に任せることにする。


思春期真っ盛りの男の子に触れるのは手当てとはいえ悪い気がしてしまう。
年齢は1個差しかないが、娼婦の時に見てきたのがおじさんばかりだったためか、少年相手だと汚しているような気分になる。


これからはリョクア王子と関わるわけだし、姫様にも同年代の婚約者ができれば関わらなくてはならなくなるから、いつかはケリをつけなくてはいけない感情だなぁ。


私は少しもんもんとしながら王女の手当てを行った。














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