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情報通り?

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私をこれ以上完璧なものは存在しないんじゃないかと思うくらいの上目遣いで見つめるフィオリアーネ第一皇女。




「ねぇ、だめなの?」




さらには近寄ってきてブラウスのシャツを力無くそっと掴む彼女。
おそらく老若男女問わず見てしまえばお願いを聞いてしまうだろう。
かくいう私も───




───だっだめだよ、美少女がそんなこと軽々しちゃ。



美少女に弱い私はついつい姫様の願いを聞いてしまいそうになっている。
せっかく護衛として引き締めてる顔が崩れそう。
しかし、視界の隅に入る侍女さんからの


(絶対に応えてはなりません。)


の圧力がギリギリ私の理性を支えている。




「ねぇ、どうしてもダメ?」



───ねぇ!?なんでそれそんなかわいい顔で言うの!?
待って、ギリギリ保ってる理性が飛びそうなんだけど!!


「ううっ。」


「私は貴女と仲良くしたいの。だから、ね?おねがい。」





「···ふっ、二人きり、の、とき、だけ、であれば···」




ごめんなさい、侍女さん。
だって無理だよ。美少女がうるうる目でしかも上目遣いでこっち見てくるんだよ?
少しでも持っただけでも許してほしいくらい、なんなら誉めてほしいくらいだよ···。


侍女さんからの刺すような視線が痛い私は目をそらした。






「ふふふっ、約束よ!そうだ、他の目があるときは『フィオ様』か『姫さま』だったら咎められないだろうからそれで呼んでくれればいいわ。」


私の了承を得たお姫様は先ほどまでの儚げ美少女と違ってハツラツ美少女に戻っていた。


···あれれ?


「貴女って情報通り可愛い女の子には弱いのね。」


「えっ??」


情報通り??


「私、この1ヶ月ただ待っていただけじゃないのよ?
ちゃんと貴女のことを全部調べたんだから!」


えっ、調べた?情報を?全部?


「ちなみに貴女、美少女にヤバい迫られて嬉しい、とか、周りに内緒で美少女と秘密を共有できるとか役得過ぎる、とか思ってたんじゃないかしら。」


残念、60点です。
正解は上記二つとうるうる目で上目遣いのお姫様にタメ口を迫られるとかどこの小説だよ!?え?すき!!でした。


「では、姫さまとお呼びいたします。
それで姫さま、情報を全部とのことですがどこまで調べられましたか?」


「全部は全部よ。
貴女がいたお店とか孤児院とかその前とか。
だから、貴女の両親が流れの楽団員だったのも知ってるし3歳でカチェス孤児院に入ったことも知ってるのよ。」


「まあ、両親と私は色合いも顔も似ていなくて本当に親子か疑わしかったみたいですけれど。」


「ええ、貴女の両親は先祖返りって言ってたんですってね。
それから、カチェス孤児院って凄まじかったのね。
報告を読んだとき、まるで戦闘民族生産工場みたいだと思ったわ。」



うわぁ、皇族の情報網って怖い。
それにやっぱりうちの孤児院っておかしかったんですね。












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